Web広告の指標って似た言葉が多くて、活用するどころか覚えることも大変ですよね。
Web担当を初めて間もない方は、「覚えなければいけない指標ってどれくらいあるの?」「そもそもの意味がわからない」という方も多いのではないでしょうか?
とはいえ、広告指標の種類と計算方法を理解することで、広告の分析や改善ができるようになり、結果的に事業を成功に導ける可能性が高くなります。
そのためWebや広告を担当する方は、指標を覚えることは必須項目と言っても過言ではないのです。
そこでこの記事では、Web広告の指標の種類と計算方法を簡単に解説しています。
事業に貢献するためにも、「広告指標を理解したい」「広告運用の効果測定と改善に活かしたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
広告指標とは
広告指標とは、広告運用を評価するために必要な項目を指します。
まず理解していただきたいことは、広告指標は広告を改善し、目的を達成するためにも、非常に重要な要素であるということです。
なぜならインターネット広告は広告の効果を検証・改善し、効果を向上することが特徴の一つだからです。
広告担当であるあなたが事業に貢献するためにも、次の9種類の広告指標は覚えておきましょう。
Web広告の基本指標 | ||
名称 | 概要 | 算出方法 |
インプレッション(imp) | 広告が表示された回数 | クリック数÷クリック率 |
クリック数 | 広告がクリックされた回数 | 表示回数×クリック率 費用÷クリック単価 |
クリック率 | 広告の表示回数に対する、クリックされた回数の割合 | クリック数÷表示回数×100 |
コンバージョン数(CVs) | Web広告を実施したときの目標に到達した件数 | クリック数×コンバージョン率 費用÷コンバージョン単価 |
コンバージョン率(CVR) | クリック数に対するコンバージョン数の割合 | コンバージョン数÷クリック数×100 |
クリック単価 | 1クリックあたりにかかった費用 | 広告費÷クリック数 |
コンバージョン単価(CPA) | コンバージョン1件あたりにかかった費用 | 広告費÷コンバージョン数 |
ROAS | 投資した広告費用に対して、どれくらいの売上をあげたかを測る指標 | ROAS= |
ROI | 投資した広告費用に対してどれくらいの利益を上げられたかを示す指標 | ROI= |
ユーザー行動を示す5つの指標
まず広告運用でよく使われるユーザー行動に関する指標を5つ紹介します。
この5つの指標は、ユーザーの行動を示す代表的な広告指標なので、覚えておきましょう。
- インプレッション(imp)
- クリック数(CTs)
- クリック率(CTR)
- コンバージョン数(CVs)
- コンバージョン率(CVR)
広告指標の種類1.インプレッション(imp)
インプレッション(imp)とは、広告が表示された回数のことです。
広告が1回表示されれば、1impとして数えられます。
単に広告の表示だけ、と思われる方もいるかもしれませんが、実は他にもあります。
インプレッションがない場合は、そもそも広告が表示されていないため、広告が表示されていない原因を特定し、改善しなければいけません。
特に運用型広告の場合は、競合との入札競争に勝ち、初めて広告が表示されます。
インプレッションがあまりない場合、広告の評価が競合に負けている、という可能性もあります。
またアカウント内の他の広告と比べて、インプレッションが少ない可能性もあります。
この場合、広告に対するユーザーの反応が少なく、広告表示が抑制されているため、そのクリエイティブは差し替えしないといけない、というサインです。
なお、近年はインプレッションの定義も変化しつつあります。
インプレッションは、ページが表示された時点でカウントされます。
実はページの下部などの見えない位置にあっても、インプレッションとみなされています。
しかしそれでは広告の意味がないのではないかということもあり、最近ではビューアブルインプレッションといって「目に触れる位置に来た広告についてカウントする」という指標も出てきています。
参考:視認範囲のインプレッション単価(視認範囲の CPM) – Google 広告 ヘルプ
広告指標の種類2.クリック数(CTs)
クリック数(CTs)は広告がクリックされた回数を示す指標です。
広告がどれくらいクリックされたか、Webサイトへユーザーがどれくらい訪問してくれたかを確認できます。
ユーザーの反応を示すクリック率(CTR)や、クリックにかかった費用を示すクリック単価(CPC)を算出するのに必要なので、まずはクリック数が重要視されることも多いです。
クリック数は単純に広告がクリックされるたびに、カウントされます。
クリックという行動は、広告を見て興味をもったユーザーが起こすアクションがなので、多い方が良いと基本的には判断します。
ただしクリック課金型の広告の場合、クリックされると費用が発生し、1日の予算を使い切ってしまうと広告は表示されなくなります。
そのため「自社がターゲットとしているユーザーからクリックしてもらえているか」という確認は必要だと覚えておきましょう。
広告指標の種類3.クリック率(CTR)
クリック率(CTR)とは、広告の表示回数に対してクリックされた数の割合です。
クリック率の高い広告は、ユーザーにとって有益で魅力的な広告と評価できるため、他の指標と比べても重要視している方も多いです。
そのため広告の評価では、まずクリック率から、広告に対するユーザーの反応を確認します。
クリック率の計算式は、以下のとおりです。
クリック率(CTR)=クリック数÷表示回数×100
【例】
ある広告で、クリック数100回、表示回数10万回の場合
クリック率(CTR)=100÷100,000×100=0.1%
またクリック率は、Google広告やYahoo!広告などの媒体が広告評価に使用している指標です。
つまり高いクリック率を出せれば、媒体からの評価が上がり、掲載順位が上がりやすくなったり、より安い広告費用で広告を出せる可能性があるのです。
反対にクリック率が下がれば、広告の掲載順位が下がり、クリックどころかインプレッションもされにくくなります。
クリック率は当サイトの別記事でも詳しく解説しています。
クリック率を上げる方法や、媒体別の平均値が知りたい方はぜひご覧ください。
広告指標の種類4.コンバージョン数(CVs)
コンバージョン数(CVs)はWeb広告の目標に到達した数を示す指標です。
広告やSEOなど、Web上でのゴールがコンバージョンだと考えていただければ問題ありません。
たとえば、以下の項目がコンバージョンとして設けられることが多いです。
- 健康食品のECサイトの場合・・・商品の購入完了
- コンサルティングのサービスサイトの場合・・・資料請求・問合せ
- 採用サイトの場合・・・申し込み・求人媒体へのアクセス
コンバージョンはWeb施策の成果なので、もっとも重要視される指標といっても過言ではありません。
そのためWeb施策の目的が売上アップ・Webからの見込み客獲得などの場合は、インプレッション・クリック数・クリック率で良い数値が出ていたとしても、コンバージョン数が少ない場合は、その施策は良い施策とは言えません。
Web施策の目的は、基本的には売上アップや見込み客獲得が設定されることが多いため、コンバージョン数には注目して施策に臨みましょう。
広告指標の種類5.コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率とは、クリック数に対するコンバージョン数の割合です。
問合せフォームや資料請求フォームなど、コンバージョンポイントを設置しているWebページの良し悪しを評価するときに使われます。
たとえばLPのコンバージョン率が高ければ、LPにアクセスしたユーザーにとって有益であり、効率よく成果を獲得できていると判断できます。
反対にコンバージョン率が低い場合は、LPがユーザーにとって有益ではないと判断できるため、LPを改善する必要があると覚えておきましょう。
コンバージョン率の計算式は以下の通りです。
コンバージョン率(CVR)=コンバージョン数÷クリック数×100
【例】
ある広告のクリック数が500件、お問い合わせに至った数(コンバージョン数)が10件だとすると
コンバージョン率(CVR)=10÷500×100=2%
アメリカのWordstream社の調査では、Google広告(検索)のコンバージョン率は、業種全体の中央値は2.35%程度と報告されています。
参考:WordStream『What’s a Good Conversion Rate? (It’s Higher Than You Think)』
ただしコンバージョン率は業種や訴求する商材、広告内容や媒体など広告施策によって変動することも覚えておきましょう。
広告費用を示す4つの指標
次に広告運用でよく使われる広告費用に関する指標を4つ紹介します。
広告施策の費用対効果を表す指標で、広告が費用的に効率的かどうかを判断するときに、よく使います。
- クリック単価(CPC)
- コンバージョン単価(CPA)
- ROAS
- ROI
それでは上記の指標を1つずつ紹介していきます。
広告指標の種類6.クリック単価(CPC)
クリック単価(CPC)とは、1クリックあたりにかかった費用です。
広告がクリックされるときに、いくら発生するのかがわかる指標だと考えていただいて問題ありません。
クリック単価は以下の計算式で表されます。
クリック単価(CPC)=広告費÷クリック数
【例】
当月にかかった広告費が10万円に対し、1,000回のクリック数を得た場合
クリック単価(CPC)=100,000円÷1,000回=100円
クリック課金型のWeb広告の場合、クリック単価が安いほうが多くのユーザーをサイトに誘導できます。
クリック単価をいかに安くするかに注力して運用しているケースも多いです。
とはいえ、必ずしも「安いクリック単価=成果を多く獲得している」が成立するわけではないので注意しましょう。
また、安すぎるクリック単価は、注意するべきサインです。
特にアドネットワークやDSPなどに出稿しているとき、競合入札が発生しないような人気のないサイトに、広告表示されていることもあります。
クリック単価については、当サイトの別記事でも詳しく解説しています。
クリック単価を改善する方法や、CPC課金のメリット・デメリットも知りたい方は、ぜひご覧ください。
広告指標の種類7.コンバージョン単価(CPA)
コンバージョン単価(CPA)とは、コンバージョン1件あたりの獲得単価です。
コンバージョン単価が安ければ、成果を達成するためにかかった費用が少ない、つまり効率よく成果を獲得できていると判断できます。
反対にコンバージョン単価が高ければ、成果を獲得する効率が悪いので、その原因を特定し改善する必要があると覚えておきましょう。
コンバージョン単価は以下の計算式で求められます。
コンバージョン単価(CPA)=広告費÷コンバージョン数
【例】
当月の広告費10万円を使って、コンバージョン数50件の場合
コンバージョン単価(CPA)=100,000円÷50件=2,000円
また限界CPAと呼ばれる指標もあります。
広告主の予算には限界があるため、コンバージョン単価にも、限度を設けなければいくら売上が上がっても赤字になってしまいます。
そこで、その限界を超えないために設定される指標が「限界CPA」です。
なお限界CPAは以下で求められます。
限界CPA=売上単価-原価
【例】
売上単価が1万円、原価が4,000円の商品の場合
限界CPA=10,000円-4,000円=6,000円
この場合、1件獲得あたりの獲得単価は6,000円が限度です。
正確にいえば、ここからさらに営業経費などを差し引いた額が使える獲得単価の限度額となります。
広告費を投下する理由は、商品・サービスを販売し利益を獲得するためだる場合がほとんどです。
利益管理をおこなううえでも、コンバージョン単価の目標値を設定したうえで、限界CPAを超えないように運用していくことが求められます。
コンバージョン単価については、当サイトの別記事でも詳しく解説しています。
コンバージョン単価を改善する方法や、適切なコンバージョン単価を設定する方法も知りたい方はぜひご覧ください。
広告指標の種類8.ROAS
ROASとは「Return On Advertising Spend」の略称で、投資した広告費用に対して、獲得できた売上の割合を測る指標です。
ROASが高ければ広告で獲得できた売上が高いことがわかります。
ROASは売上に対する広告の貢献度がわかりやすいため、媒体毎の効果比較や予算配分の検討などの参考にされることが多いです。
ROASは以下の計算式で求められます。
ROAS=広告経由の売上÷広告費用×100(%)
【例】
当月にWeb広告で100万円をかけ、結果400万円の売上を得た場合
ROAS=4,000,000円÷1,000,000円×100=400%
また過去のROASを参考にすると、目標売上を達成するために必要な広告費も算出できます。
ただしROASは売上をベースにした指標なので、利益がマイナスであっても高くなることがあります。
売上があっても利益がないと意味がないので、この点は注意が必要です。
ROASについては当サイトの別記事でも詳しく解説しています。
ROASの効果的な使い方も知りたい方は、ぜひご覧ください。
広告指標の種類9.ROI
ROIとは、Return On Investmentを略した言葉で、投資した広告費用に対して得られた利益の割合を示す指標です。
売上ベースで評価するROASよりも、利益ベースで評価するROIのほうが、広告施策のビジネスへの貢献度をより正確に判断可能です。
ROIが高ければ、利益率が高い広告施策だったと判断できます。
ROIは以下の計算式で求められます。
ROI=広告経由の利益(売上-売上原価-広告費用)÷広告費用×100
【例】
広告費20万円かけて単価1万円の商品(売上原価6,000円)を100個売った場合
ROI=(1,000,000-600,000-200,000)÷200,000×100=100%
上記の例のようにROIが100%の場合は、1円の広告費に対して1円の利益が出たということなので、黒字も赤字もありません。
つまり、ROIが101%以上であれば利益が出て施策は成功といえます。
反対に100%未満の場合、利益はなく赤字なので、施策を早急に改善する必要があります。
ただし中長期的な広告施策の場合は、ROIを指標にするのは不向きといえるでしょう。
なぜならROASは利益ベースで評価されることで、短期的な評価にもなりやすいでというデメリットがあるからです。
たとえば商品発売時など、ある程度の期間、広告を実施しないといけないときに、ROIで評価すると、成果が出始める前に施策の打ち切りの判断がされてしまうこともあります。
その点も考慮した上で、ROIを活用することでより良い広告施策を実現できるでしょう。
ROASについては当サイトの別記事でも詳しく解説しています。
ROASの効果的な使い方も知りたい方は、ぜひご覧ください。
【まとめ】指標を理解して広告効果を正しく測定・評価しよう
今回は、Web広告で頻繁に使われる広告指標の種類と計算方法について解説しました。
解説した広告指標は、以下の9つとなります。
代表的な広告指標 | ||
名称 | 概要 | 計算式 |
インプレッション(imp) | 広告が表示された回数 | クリック数÷クリック率 |
クリック数(CTs) | 広告がクリックされた回数 | 表示回数×クリック率 費用÷クリック単価 |
クリック率(CTR) | 広告の表示回数に対する、クリックされた回数の割合 | クリック率(CTR)= |
コンバージョン数(CVs) | Web広告を実施したときの目標に到達した件数 | クリック数×コンバージョン率 費用÷コンバージョン単価 |
コンバージョン率(CVR) | Webサイトへ訪れるユーザー数に対するコンバージョン数の割合 | コンバージョン率(CVR)= |
クリック単価 | 1クリックあたりにかかった費用 | クリック単価(CPC)= |
コンバージョン単価(CPA) | コンバージョン1件あたりの獲得単価 | コンバージョン単価(CPA)= |
ROAS | 投資した広告費用に対して、どれくらいの売上をあげたかを測る指標 | ROAS= |
ROI | 投資した広告費用に対してどれくらいの利益を上げられたかを示す指標 | ROI= |
広告指標は、指標の意味と計算式をセットで理解することで、広告効果を正しく評価することができます。
またどこを改善すればいいのか、というヒントをつかむことにもつながります。
なお、広告指標は一見わかりにくそうな用語も多いですが、実は英語に直すと、理解しやすいです。
【例】
CPC=Click per Cost
CTR=Click to Rate
CPA=Cost Per Action
今回紹介した指標は、広告担当者やWeb担当者が日常的に使う指標ばかりなので、ぜひ意味と計算式を覚えて、広告効果を把握できるようにしてみてください。
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