「オウンドメディアって何?」
「上手に運用したいけど、どう運用すればいいのだろう?」
「そもそも運用するメリットはあるの?」
あなたは、上記のような悩みを抱えていませんか?
オウンドメディアとはその名のとおり「自社で所有するメディア」であり、主に自社からユーザーに向けて情報発信をするサイトを指します。
自社でコントロールできるメディアなので、第三者から鑑賞されないため、オウンドメディアを運営したいと考える企業も増えています。
しかしオウンドメディアという言葉を知っていても、オウンドメディアの特徴や、運用方法を知っておかないとオウンドメディアを成功させることは難しいです。
そこでこの記事ではオウンドメディアについて、以下のトピックを中心に解説します。
- オウンドメディア運用の目的
- オウンドメディアを運用するメリット・デメリット
- オウンドメディア運用のやり方
- オウンドメディアのマネタイズ方法(収益化)
「オウンドメディアについて知りたい」「オウンドメディアを始めるか迷っている」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
オウンドメディアとは?
オウンドメディア(Owned Media)とは「自社で所有するメディア」を指します。
本来はWebサイト・パンフレット・メールマガジンなど、自社で運営しているすべてのメディアを指しますが、一般的には自社で所有する情報発信メディアを指すことがほとんどです。
あなたが今読んでいるこのサイト『Webma』も、株式会社エクスコアが運営するオウンドメディアです。
オウンドメディアは「トリプルメディア(ユーザーが接触するメディアを3つに分類したもの)」の1つであり、「ペイドメディア」「アーンドメディア」と並行して運用することで、その効果を最大限発揮できます。
オウンドメディアを運用する目的
オウンドメディアを運用する目的は主に2つあります。
- 売上アップ
- ブランディング
それぞれ解説します。
オウンドメディアを運用する目的1.売上アップ
オウンドメディアを運営する目的の多くが売上アップです。
オウンドメディアでは、コンテンツマーケティングと呼ばれる手法で自社メディアへの集客から、自社商材の販売までを一気におこなえます。
コンテンツマーケティングのなかでも、コンテンツSEOと呼ばれる手法は集客力が高く、なおかつ潜在層から顕在層まで多くのユーザー層を集客できます。
そのため、売上アップにつながりやすいのです。
たとえば、あなたが今見ている当サイト『Webma』の場合は、株式会社エクスコアの商材であるリスティング広告の運用代行・SEO対策支援を販売し、売上に貢献するというのが1つの目標です。
オウンドメディアを運用する目的2.ブランディング
オウンドメディアのもう1つの目的はブランディングです。
オウンドメディアは検索エンジン・SNSなどから集客をおこなうため、Webからの集客に向いています。
検索エンジンやSNSでの露出が増えれば認知拡大を実現でき、それにともなって自社のファンを獲得することも可能です。
自社商材のターゲットユーザーに向けて、有益な情報を発信することで『あのメディア・会社は自分の悩みを解決してくれる』と感じてもらえます。
その結果、自社やメディアのファンになってもらえる可能性があるのです。
この記事を読んでいるあなたも有益なネット記事やメディアを見つけたら、ブックマークやシェアをおこなった経験があるのではないでしょうか?
そんなユーザーのアクションがどんどん拡大し、頻度が高くなっていくにつれて『あのメディア・会社いいよね』『〇〇といえばあのメディア・会社だね』とブランディングが成功していくのです。
ファンが増えれば、自社商材の利用回数が増え、LTV(ライフタイムバリュー:生涯顧客単価)を最大化でき、結果的に売上にも貢献する可能性も高くなります。
オウンドメディアが注目されている背景
オウンドメディアが注目されるきっかけになった理由をお伝えします。
理由は大きく2つあります。
- 広告費が削減できる
- 企業の財産になる
こちらも1つずつ説明していきますね。
注目される理由1.広告費が削減できる
オウンドメディアが注目される1つ目の理由は、広告費を削減できることです。
広告は掲載するたびに広告費用がかかります。
しかしオウンドメディアであれば、ランニングコストを抑えながら企業の情報を発信することが可能です。
なぜなら、オウンドメディアはWebサイトを制作してしまえば、ランニングコストは記事制作にかかる費用のみなるからです。
さらにオウンドメディアで掲載している記事は、一度制作すれば削除しない限り、半永久的に残り続け、集客に貢献する可能性があります。
そのため、表示自体に費用が発生する広告よりも、コストを抑えて集客をおこなえるのです。
注目される理由2.企業の財産になる
オウンドメディアが注目される2つ目の理由は、オウンドメディア自体が企業の財産として残り続けるからです。
ここでいう「財産」とは、「収益につながる媒体」を指します。
繰り返しになりますが、オウンドメディアは削除されない限り、半永久的にWeb上に残り続け、売上に貢献する可能性があります。
つまりオウンドメディアは、企業のWebマーケティングの中核を担う財産になるため、さまざまな企業から注目されているのです。
オウンドメディアの成功事例
では次にオウンドメディア運用の成功事例を見てみましょう。
「SEO」「SNS」「ブランディング」に活用している事例を6例ご紹介します。
- Webma
- cookpad
- LIG
- TERIYAKInews
- THE BAKE MAGAZIN
- 北欧、暮らしの道具店
上記の順でご紹介いたします。
オウンドメディアの事例1.Webma
https://webma.xscore.co.jp/
Webmaは2020年1月10日(金)に公開しました。
株式会社エクスコアの運用する、Webマーケティングの情報発信メディアです。
主にWebマーケティングについて知りたい企業様や学生様から、熱い支持を受けています。
Webマーケティングについて、随時情報を公開していますので、Webマーケティングの詳しい知識を知りたい方はぜひご覧ください。
Webmaをオープンしてから着実にPV数を伸ばしており、訪問者の70%がSEO経由です。
- 7ヶ月で1万PVを超える
- 訪問者の70%がSEO経由
オウンドメディアの事例2.cookpad
クックパッドは、クックパッド株式会社が運営する日本最大の「料理レシピ検索サービス」です。
20代~40代の女性を中心に、月間5,500万人のユーザーが利用されています。
クックパッドには数多くのレシピが公開され、毎日の献立決めや、料理のレパートリーが増えるなどの理由で支持を得ています。
- 女性系媒体で月間2億6,400万PV
- 30代女性の5人に1人が利用
オウンドメディアの事例3.TERIYAKInews
TERIYAKInewsとは堀江貴文氏がプロデュースしているグルメキュレーションです。
日本中のおいしい飲食店を知っている堀江氏とキュレーター(テリヤキスト)たちが「最高に美味しいお店」だけを厳選し、記事を書いています。
またTERIYAKInewsでは、「TERIYAKI美食倶楽部」という会員制のグルメコミュニティーやTERIYAKIプレミアム鮨会というイベントがあります。
ユーザーとのリアルなコミュニケーションを重視され、より近い距離でメディアを運営されているのも特徴です。
- Twitterのフォロワー数4万人
- Facebookいいね数2万5,000人(2018年12月時点)
オウンドメディアの事例4.THE BAKE MAGAZINE
https://bake-jp.com/magazine/
THE BAKE MAGAZINEは2015年5月に立ち上げられた、チーズタルト専門店のBAKEが運営するオウンドメディアです。
「お菓子のスタートアップ」であるBAKEはビジネスモデルや取り組み、会社を支える方々のインタビューの記事が豊富です。
またオウンドメディア運営によって自社サイトからの求人応募や取材、イベントの依頼が増加した実績もあります。
こうしてファンが増え続けているBAKEは、オウンドメディアによるブランディングの成功事例といえるでしょう。
- 一番最初に書いた記事で20,000pv以上の大ヒットを記録。
- 月間PV数93,361PV(2015年11月時点)
オウンドメディアの事例5.北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」は株式会社クラシコムが運営している、ECサイトとオウンドメディア一体型のメディアです。
毎月約150万人のユーザーが来訪されており、ライフスタイル系のメディアとしては国内有数の規模となっています。
日々掲載されているコンテンツは、自分たちが大事な友人に紹介するようなスタンスとして、統一された価値観や世界観のもと編集されています。
読者に届くコンテンツを試行錯誤し続けていることで、多くのリピーターを作っている成功例といえるでしょう。
- ユーザーの98%は女性、年齢層は20~40代と幅広い層に支持されています。
- メディア規模 月間約1500万PV/170万UU
- 96%が「週1回以上」訪問しており、そのうちの72%が「毎日」見ている
- ユーザーの5〜6割が「過去に20回以上の訪問履歴」を持っている
(参考:https://kurashicom.jp/5777)
オウンドメディアを運用する4つのメリット
オウンドメディアを運用するメリットを紹介します。
運用に成功すれば、資産化したり会社のファンを獲得できたりと、たくさんの恩恵があります。
【オウンドメディアの4つのメリット】
主なメリットをまとめたので、1つずつ見ていきましょう。
オウンドメディアのメリット1.他社との差別化ができる
メリットの1つ目は「他社との差別化ができる」ことです。
オウンドメディアを運営している企業と、運営していない企業ではユーザーからの印象が大きく違います。
たとえば広告に力を入れているA社と、オウンドメディアに力を入れているB社があるとしましょう。
広告の場合ユーザーの意思に関係なく一方的に表示されたり、販売感が強かったりするため、ユーザーが毛嫌いする可能性が高いという特徴があります。
対して、オウンドメディアはユーザーのタイミングで知りたい情報を得られることが多いため、ユーザーにとって使い勝手が良いという特徴があります。
このようにそもそもの媒体の特徴が異なるため、オウンドメディアを運営することで他社との差別化を実現できるのです。
またオウンドメディアに取り組んでいる企業と、取り組んでいない企業ではユーザーに届けられる情報量も大きく違います。
コーポレートサイトしか取り組んでいない企業と、コーポレートサイトとオウンドメディアの2つを運営している企業では、コンテンツの量が異なるためユーザーが得られる情報量にも大きく差が出るのです。
一方的なアプローチをすることなく、より多くの情報をユーザーに届けられるオウンドメディアは、使い勝手が良いため他社との差別化ができます。
オウンドメディアのメリット2.長期的な運用がしやすい
オウンドメディアは長期的な運用がしやすいメディアです。
オウンドメディアは自社で取り扱うメディアのため、自社が運営をやめる判断をしなければ半永久的に運営し続けられます。
SNSやブログサービスのように他社のプラットフォームを活用した場合には、そのプラットフォームがサービスを終了してしまうと、コンテンツはすべて消えてしまう可能性があります。
オウンドメディアであれば、自社で管理・運営できるため、プラットフォームに依存することなく、リスクが低いため長期的な運営をおこないやすいのです。
また、費用面でもオウンドメディアは継続しやすいメディアといえるでしょう。
オウンドメディアは制作費などの初期費用以外は、ランニングコストはコンテンツを制作する人件費だけです。
つまり継続的に費用が発生する広告と比べて、比較的安価に集客をおこなえるのです。
たしかに制作や、設計など専門的な知識が必要な領域もありますが、そこをクリアすればオウンドメディアは長期的に活躍してくれる集客経路として活躍してくれます。
オウンドメディアのメリット3.ファンを獲得できる
オウンドメディアを運用していると、ユーザーは企業のファンになってくれる可能性があります。
ユーザーがファンになってくれることで、LTV(ライフタイムバリュー:生涯顧客価値)を向上させられます。
LTVとは1人の顧客が特定の企業に対して、生涯で生み出す利益のことです。
経済学でよく使われるパレートの法則では、80:20の法則というものがあり、企業の利益の80%は20%の顧客が生み出しているといわれています。
つまり、その20%の顧客であるファンを増やすことが企業の使命といっても過言ではありません。
オウンドメディアでは、ユーザーの知りたい情報をユーザーのタイミングで伝えられるため、ユーザーの満足度やロイヤルティは高くなりやすいです。
またコーポレートサイトのみ運営している企業や広告に力を入れている企業と比べると、長期的な接点も多いため、自社のファンになってもらえる確率が高いのです。
ファンは商品の購入以外にも、口コミや拡散など企業にとって有益なアクションを積極的に起こしてくれます。
オウンドメディアを活用して、自社のファンを通じて売上改善やブランディングを成功させられる可能性があるのです。
オウンドメディアのメリット4.自社の世界観を出せる
4つ目のメリットは「自社の世界観を出せる」ことです。
世界観とは自社のターゲットに向けた自社イメージのことです。
オウンドメディアはブランディングしやすいメディアといえるでしょう。
なぜなら、企業のターゲットに向けた
などを自社で管理ができるからです。
たとえば、弊社の「Webma」というサイトでは
と定めています。
そのため記事の内容は、自社の強みとターゲットの知りたいことをかけ合わせて、「Webマーケティング」の内容を発信しております。
デザインでは、Webmaの読者層が男性と見越してフォントに太めのゴシック体を採用しました。
太めのゴシック体を使用することで男性らしい力強さを演出しました。
また、赤と黒のハッキリとした色遣いでスタイリッシュに見せています。
このように、オウンドメディアは自社のターゲットに合わせた世界観を演出できるので、ブランディングに活かしやすいです。
オウンドメディアを運用する3つのデメリット
オウンドメディアはたくさんのメリットがありますが、反対にデメリットもあります。
こちらも1つずつ見ていきましょう。
オウンドメディアのデメリット1.運用の難易度が上がっている
オウンドメディアのメリットは魅力的ですが、その人気から運用の難易度が上がってきています。
オウンドメディア運用の難易度が上がってきていることには、主に2つの理由があります。
オウンドメディアでは、主にSEO対策で集客をすることが多いです。
しかし競合の増加・アルゴリズムの精度向上などが要因で、SEOの知識がない企業は上位表示を獲得することが難しくなってきました。
また、オウンドメディア運用でよく起こってしまうミスが、KGI・KPIの設定ミスによって運用が失敗するケースです。
KGIは『ある事業における特定期間の最終目標』、KPIは『ある事業における特定期間の中間目標』を指します。
たとえば、メディアをリリースしてまもない頃には、以下のようにKGI・KPIを設定されることが多いです。
KGI:『月間1万PV』
KPI:『1日30PV獲得できる記事を40記事作成する』
お気付きの方もいるかもしれませんが、KGIとKPIはセットで設定します。
そしてKPIはKGIを達成するための、ロジカルかつ具体的な目標でなければいけません。
KGI・KPIを正しく設定することによって、現実的かつロジカルな目標を設定できるため、オウンドメディア運用が成功しやすいのです。
KGI・KPIの設定については、この記事で後述しています。
オウンドメディアのKGI・KPIの設定についてすぐに知りたい方は、以下のリンクをクリックしてください。
オウンドメディアのKGI・KPI設定が記載されている章へリンクされています。
オウンドメディアのデメリット2.ユーザーに認知してもらうのに時間がかかる
始めたばかりのオウンドメディアは、ユーザーに認知してもらうのに時間がかかります。
下記の5つはオウンドメディアをユーザーに認知してもらう方法です。
どれをもってしてもユーザーに今すぐ認知してもらうのは難しいです。
たとえば、SEOとSNSは記事や画像の作成・掲載をして徐々にユーザーに認知してもらうので時間がかかります。
広告はお金を払うことでメディアの存在をユーザーに伝えられますが、作り込めていないメディアだとユーザーは価値を見出せず離れていきます。
ブックマークやリファラル(紹介)は、ユーザーが気に入ったオウンドメディアに対しておこなうので企業側はコントロールできません。
このような理由あるので、オウンドメディアは短期間で結果を出しにくいメディアといわれています。
そのためオウンドメディアは長期的に運用するつもりでいるといいでしょう。
オウンドメディアのデメリット3.質の悪いコンテンツは会社の経営に悪影響
ここでいう質の悪いコンテンツというのは、ユーザーにとっての有益な情報がないコンテンツを指します。
質の悪いコンテンツを掲載し続けると、自社のブランディングの妨げや、顧客離れに繋がる可能性があります。
なぜなら記事を読んでもユーザーが知りたい情報を得られないため、メリットがないからです。
たとえば企業の商品情報を知りたいと思って記事を読んでみたら、商品情報が何も書かれていなかった場合あなたはどう感じるでしょうか?
きっと「この会社って適当に仕事するのかな?」「信用できる会社かな?」と不安になると思います。
ユーザーを離れさせないためにも、ユーザーのことを想った良質な記事を作ることが必要です。
オウンドメディア設計の流れ
次にオウンドメディアの設計する流れを解説します。
オウンドメディアを成長させ、Webマーケティングを成功させるためには、すべての基礎となる設計がもっとも重要といっても過言ではありません。
オウンドメディア設計の流れは以下のとおりです。
これからオウンドメディアを立ち上げようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
オウンドメディアの作り方1.媒体・フォーマットの選定
オウンドメディアを始める前に、自社商材がどの媒体に適しているのかまず考えましょう。
【オウンドメディアの媒体例】
媒体を選ぶときには、自社商材のターゲット・商圏・予算とマッチする媒体を選ぶことが重要です。
たとえば歯科医や接骨院の場合、治療が自社商材、商圏は医院がある地域でしょう。
この場合には、商材が中高齢者がメインターゲットであることが多く、商圏を拡大しづらいという特徴があります。
そのため、媒体としてはWebサイト・パンフレットやチラシなどの紙媒体を併用して使うと良いでしょう。
予算の観点から、併用が難しい場合は1つのメディアに絞って運用して、媒体を拡大できる利益を生み出すことに注力しましょう。
このように自社商材とマッチする媒体を見極めて、選ぶことが重要です。
媒体によっては、そもそもターゲットにアプローチできない場合もあります。
そのため、まずは自社商材のターゲット・商圏・予算が媒体にマッチするかをよく考えることが、オウンドメディア運用成功への重要な一歩なのです。
オウンドメディアの作り方2.ペルソナを設定する
媒体を決めたら、次にペルソナを決めましょう。
ペルソナとは、「製品やサービスを利用する架空の人物」を指します。
ペルソナを設定することで、ユーザーが求めている情報をユーザー視点で考えたり、ユーザー像をプロジェクトメンバー同士で統一させられます。
ターゲットとの違いは、情報粒度です。
ターゲットの場合は、『都内在住の30〜40代女性』くらいの情報粒度ですが、ペルソナの場合はさらに詳細な情報まで設定します。
たとえば、かなり詳細なペルソナを作るときには、以下のように多くの項目が設定されます。
ペルソナ設定では、ここまで細かく考えることで、実際に存在しそうな「一人の架空の人物」を作り上げます。
また、ペルソナを設定するときには、実際に自社商材の顧客情報を確認しましょう。
自社商材の顧客情報は、実際に購入に至ったユーザーのデータです。
つまり、自社商材の顧客情報を確認してペルソナ設定をおこなうことで、自社にとって妥当なペルソナを設定できるのです。
ペルソナ設定のための、情報が足りない場合には、顧客にアンケート・レビューを提供してもらうなどの方法で、顧客情報を集めると良いでしょう。
また、顧客と接する機会の多い営業の方やカスタマー担当に顧客の特徴を聞いてみても良いでしょう。
ペルソナ設定では、ニーズやWebサイトの目的を考えるためにも、妥協せず考えることが大切です。
できるだけ顧客が直接提供してくれた情報を集め、リアルなペルソナの制作を心がけましょう。
オウンドメディアの作り方3.ニーズを把握する
ペルソナを設定したら、ペルソナが持っているニーズを考えてみましょう。
ペルソナのニーズを把握することで、ユーザーが知りたい情報を提供したり、利便性の高いWebサイトを作れます。
この記事を読んでいる方のなかにも、『商品の情報が知りたいのにWebサイトに書いてない』『自分の知りたい情報がどこに書いてあるのかわからない』といった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このようなコンテンツはユーザーのニーズを無視して、自分たちが伝えたいことだけを伝えてしまっています。
そのため、ユーザーからは『自分の悩みを解決できないコンテンツ』だと思われる可能性が高くなります。
もちろん自分たちが伝えたいことも伝えるべきですが、あくまでもユーザーニーズを満たすという前提があっての話です。
まずはペルソナのニーズを把握し、ペルソナが知りたい情報をわかりやすく伝えることに注力しましょう。
ニーズを把握する方法は下記の3つです。
自社が取り組みやすい方法で、ニーズを把握しましょう。
ニーズの把握については、当サイトの別記事で詳しく解説しています。 「ニーズとウォンツの違いが知りたい」「ユーザーのニーズをしっかりと把握したい」とお考えの方は以下のリンクからご一読ください。
オウンドメディアの作り方4.カスタマージャーニーマップを作成する
ペルソナのニーズが把握できたら、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。
カスタマージャーニーとは製品・サービス・Webサイトなどに対するユーザー体験全体をさします。
カスタマージャーニーマップとは、ペルソナの行動・感情・状況などを時系列でまとめて可視化したものです。
オウンドメディアにおいてカスタマージャーニーマップは、『各フェーズのユーザーにはどのような情報をどのように伝えるべきか』を確認・改善するために使われます。
つまり、ペルソナの情報・ペルソナが知りたい情報を整理し、的確なアプローチをおこなうために使うものです。
たとえば、以下の図のようなフォーマットがカスタマージャーニーマップではよく使われています。
また、オウンドメディア運用に関わるメンバー間での意思疎通もスムーズになり、プロジェクトを進行させやすくなります。
顧客理解を深めて、正しいコンテンツを正しい順序・方法で伝えるためにも、カスタマージャーニーマップを活用しない手はありません。
少し工数がかかりますが、カスタマージャーニーマップを作ることで、オウンドメディア運用の成功がグッと近づきます。
またこの段階で、自社の発信する情報が適切な媒体を見直すことで、より良い施策に繋げられるでしょう。
カスタマージャーニーマップについては、当サイトの別記事で詳しく解説しています。 『オウンドメディアでどのようなコンテンツを作ればいいかわからない』『オウンドメディア運用がうまくいっていない』という方はぜひご一読ください。
オウンドメディアの作り方5.KGI・KPIの設定
カスタマージャーニーマップを作成したら、KGI・KPIを設定しましょう。
KGI(Key Goal Indicator)は「重要目標達成指標」、KPI(Key Performance Indicators)は「重要業績評価指標」を意味します。
KGI・KPIは企業の目標設定でもよく使われる概念なので、知っている方も多いでしょう。
しかし、KGI・KPIを正しく設定できている企業は以外にも少ないです。
KGI・KPIに設定する目標は因果関係がなければいけません。
たとえば、家具メーカーの場合は以下のようにKGI・KPIが設定されます。
例:家具メーカー
KGI(最終目標):「家具の売上を前年より20%増加(前年比120%)」
KPI(中間目標):「新規顧客を500人獲得する」「顧客単価を2倍にする」など
売上をKGIに設定した場合のKPIは、顧客数もしくは顧客単価が設定されていなければ因果関係があるとはいえません。
なぜなら、売上を構成している要素が顧客数と顧客単価だからです。
顧客数を増やして売上を上げたい場合は『新規顧客を500人獲得する』、顧客単価を増やして売上を上げたい場合は『顧客単価を2倍にする』などが、KPIに設定されます。
このように因果関係のあるKGI・KPI設定をおこなうためにも、KGIを先に設定してからKPIを設定しましょう。
また、その際に具体的な数字を示すことも重要なポイントです。
正しいKGI・KPIを設定して、論理的かつ効果的なオウンドメディア運用をおこないましょう。
オウンドメディアの作り方6.CTAを設定する
上記のKGI・KPIが決定したらCTAを設定しましょう。
CTA(Call To Actionの略)とは、Webサイトを見にきた訪問者に、とってもらいたい行動を促すことです。
日本語では行動喚起と呼ばれます。
CTAを設定することで、オウンドメディアを見たユーザーが次にどのような行動を起こせば良いのかを把握でき、行動を想起するため、次のアクションを起こしてもらいやすくなるのです。
たとえば、Webサイトから問合せを獲得したい場合には、Webサイト上に『お問合せはこちら』『ご相談はこちら』などの文言が入ったボタンがCTAです。
チラシの場合だと『電話番号はこちら』と電話を促す文言、CMの場合だと『続きはWebから』と検索を促す文言などですね。
明確なCTAがなければ、ユーザーが次にどう行動すればいいかわからず、問合せ率や購入率が下がってしまいます。
CTAを設定してユーザーに起こしてもらいたい行動を明確にしましょう。
オウンドメディアの作り方7.スケジュールを組む
オウンドメディアの記事を継続して更新するために、スケジュールを組みましょう。
スケジュールを組むことで、オウンドメディアのリリースに向けた納期を決められたり、読者の生活リズムの一部になれたりするメリットがあります。
具体的に決めておきたいスケジュールは、次の3つです。
オウンドメディアは媒体を問わず、メディアの制作が必須なのでリリースしたい日時から逆算して、制作スケジュールを立てましょう。
また、メディアの改善も必須です。
チラシや記事が効果的でなかった場合には、メディアを改善する必要があるため、いつからいつまで効果測定をしてどのタイミングで改善するのか、定期的な期間を決めておきましょう。
また、Webメディアで記事を定期的に更新している場合には、更新スケジュールも必要です。
定期的な更新ができれば、読者の生活リズムの一部としてオウンドメディアの取り入れられる可能性もあるため、余裕があれば更新頻度とスケジュールも決めておくことをおすすめします。
手間がかかってしまう点もありますが、このような手順でオウンドメディアを作るとより効果的で、施策と改善を回しやすくなります。
正しいユーザーに適切な情報を届けて、売上を向上させるためにもぜひ参考にして、オウンドメディア設計に挑戦してみてください。
オウンドメディア運用で重要な3つの考え
次にオウンドメディアを運用するうえで重要な3つの考えを紹介します。
オウンドメディアは自社で管理・運用するものなので、作成側の考え方が現れやすいです。
間違った考えを持ってオウンドメディアを運用してしまうと、効果が出なかったり効果が出る前に施策を断念してしまうことにつながりかねません。
これから紹介する考えをぜひ参考にしてください。
オウンドメディア運用で重要な考え方1.短期間で成果を求めない
オウンドメディアを運用する際は短期間で成果を求めないようにしましょう。
なぜなら、オウンドメディアは効果検証と改善を繰り返し、徐々に効果を高めていくものだからです。
また、ユーザーの消費行動には段階があります。
まずは認知され、そのあと比較検討してもらったうえで、購買にいたるなどの段階を踏まなければ、効果を最大化することは難しいです。
つまり効果を最大化するまでに、ある程度の期間が必要なので短期的な成果を求めてはいけないのです。
オウンドメディアを運用する際は、長期的な視点をもって運用するようにしましょう。
オウンドメディア運用で重要な考え方2.ユーザーが知りたいことを発信する
オウンドメディアを運用する際には、ユーザーの知りたいことを主に発信するようにしましょう。
ユーザーは基本的には自身が持っている悩み・欲求を解決するために、商品・サービスを利用します。
オウンドメディアはそんな悩み・欲求を持ったユーザー(見込み客)に対して、解決策を提示するための施策です。
そのため、まずはユーザーの悩み・欲求を解決できる情報、ユーザーが知りたい情報を発信する必要があるのです。
反対にユーザーが知りたい情報を発信できていなければ、ユーザーから『自分の悩みはこの商品では解決できそうにない』『自分の欲求を満たしてくれる商品ではない』など、商材や企業にとってよくないイメージを持ってしまいます。
ユーザーは何を求めて自社のサイトを訪問するのか、どのような情報を求めているのか考えながら発信することを心がけましょう。
オウンドメディア運用で重要な考え方3.一貫したテーマがあるコンテンツを作る
運用しているオウンドメディアの記事が、テーマから外れていないか気にしておくようにしましょう。
なぜなら、ユーザーは正確で内容の濃い情報を求めやすいからです。
たとえば、カレーが好きな人は「専門性のないサイト」より「カレーの専門サイト」を見ます。専門サイトはより深い知識や信頼性があるため、情報を求める人に刺さるからです。
オウンドメディアを立ち上げるとき、「自社の強み」「ユーザーに何を伝えるか」を定めて、軸からぶれないように運用することが大切です。
オウンドメディアでマネタイズする2つの方法
オウンドメディアの管理費や人件費を補い、長期的に運用するために「マネタイズ」をおすすめします。
マネタイズとは「収益化」という意味です。
オウンドメディアを収益化することで、新規ユーザーの開拓、認知度を高めることに繋がりやすくなります。
あくまで一例ですが、将来的にはこのようなマネタイズも検討してみましょう。
マネタイズの方法1.広告収入
オウンドメディアのマネタイズ化で一般的な方法が「広告収入」です。
広告収入とはメディアに広告枠を設け、広告を表示させ対価として報酬をもらうマネタイズ手法です。
より多くの人がオウンドメディアを見るようになれば、その一部に広告枠を設けることで広告収入を発生させられるかもしれません。
たとえばWebメディアの場合、トップページのサイドバーに広告枠を設けたり、記事コンテンツとして記事広告を設けることで、広告収入を得られます。
決して簡単な手法ではありませんが、オウンドメディアを見る人が増えてきた場合には、広告収入を検討みましょう。
マネタイズの方法2.自社商品・サービスの直接販売
オウンドメディアでは自社商材を販売することも可能です。
コンテンツを通じて、ユーザーの悩みを解決できる情報や、自社商材の魅力を発信することで、商品・サービスを購入してもらえる可能性が高くなります。
また、自社商材の販売は利益率が高いため、オウンドメディアを運用する企業の最終目標は自社商材を販売としているケースも非常に多いです。
自社商材を販売できれば、広告収入を設ける際の実績にもなるため、まずは自社商材の販売でのマネタイズを目標にオウンドメディアを運用すると良いでしょう。
【まとめ】基礎を理解して、自社のメディアを育てましょう
オウンドメディアとは「自社で所有するメディア」のことであり、運営するうえでの目的が3つありました。
1つ目は製品・サービスをより多くの人に知ってもらうこと
2つ目は製品・サービス・会社のファンを増やすこと
3つ目は売上を増やすこと
です。
オウンドメディアは「資産の蓄積ができる」ことや「ファンを増やせる」といったメリットがありますが、反対に初心者には運営面で難しいデメリットもあります。
運営を成功させるためにも、ペルソナや目標を細かく決めることで計画的に運用させていく必要があります。
また長期間運営するためにも、収益化するといいでしょう。
管理費や人件費を補うことで安定して運営できます。
オウンドメディアの運営は難しくも、たくさんのメリットを持ったメディアです。
ぜひ会社にあった運営方法を考え、活かしていただけると幸いです。
最後まで見ていただき、ありがとうございました。