【Kの成長日記】第7話 書評『イシューからはじめよ』のススメ

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【Kの成長日記】第7話 『イシューからはじめよ』のススメ
加藤
加藤

成長日記は長期企画です。
前回の記事をまだ読まれていない方は、ぜひご一読ください。
【Kの成長日記】第6話 Googleスキルショップが有能だということをお伝えしたい。

成長日記をまとめたアーカイブは以下のリンクからご覧いただけます。
成長日記 アーカイブ – Webma

こんにちは。

駆け出しWebマーケターの加藤です。

第Kの成長日記 第5話から始まった突然の路線変更に驚いた方もいるでしょう。

本日もまた「SLがいまだに走るレトロな大井川鉄道から、最新技術の粋を集めた現在建設中のリニア中央新幹線」なみに、路線を変更してお届けしようと思っています。

本日は「イシューからはじめよ-知的生産のシンプルな本質-」という書籍を紹介します。

ぜひ興味を持ったら、書籍を購入し、読み倒し、使い倒してほしいと思えた書籍です。

さらに、イシューからはじめよを読んだ私なりの解釈と、ビジネス書の読み方について書いていきたいと思います。

◆どんな人におすすめ?

知的労働者全般、特にコンサルタントなどの無形ビジネスを扱っている人。

当然、Webマーケターにもおすすめです。

◆どんなジャンル?

大枠ではビジネススキルジャンルの書籍です。

その中でもロジカルシンキング、課題解決ジャンルに入ると思われます。

◆どんな人が書いているの?

著者は安宅 和人さん。

脳神経科学者、経営コンサルタント、現在は株式会社ヤフーのCSO(チーフストラテジスト)。

また慶應義塾大学 環境情報学部の教授も勤められています。

慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC) 教員プロフィールより抜粋)

◆どんな本なの?

「イシューからはじめよ」には、生産性を向上させる、より大きな価値・成果を生み出すための考え方が示されています。

知的労働の現場で

  • 同じ社会経験でも、出している成果が圧倒的に大きい人
  • とるべき行動指針をズバズバ提示できる人

が、身近にもいると思いますが、そんな人になるための方法論や考え方を学びたいという人にはうってつけです。

ロジカルシンキング、課題解決の本によくある課題解決の手段の提示にとどまらず、

  • そもそも解くべき課題を見極める必要があること
  • 問題の見極めや検証に対して、仮説を持って、逆算して取り組むこと

が示されており、それが本書の大きなテーマになっています。

そして、本書が一部の人から難しいと言われる要因としては

  • 本質的なテーマを扱っているため抽象度が高いから
  • 実践して初めて理解ができるタイプのテーマだから

が、あげられると思います。

本質的で抽象度が高いという点は、正確な表現ではないのですが、たとえるなら

「サッカーのテクニックを伝える知識」よりも「日本人の運動神経全般を向上させ、肉体的・神経系的・精神的な要素を向上させる方法論」の方が、本質的で抽象度が高い、のようなイメージです。

もし、後者の方法論が確立されれば日本のスポーツシーンは大いに盛り上がり、スポーツ教育にも革新が起きますよね。

その意味で本質的であり、同時にサッカーにもバレーボールにもラグビーにも陸上にも当てはまり、抽象度・汎用性の高い内容ともいえると思います。

知的労働のさまざまなシーンで使える本書を、読者が落とし込んで理解するためには、自分自身の頭で考えながら、自身の業務と照らし合わせつつ熟読する必要があります。

そのうえで、実践して「理解する」必要があるでしょう。

イシューからはじめよとは。本書のキーメッセージ。

イシューからはじめよを読むことで得られるメリットは、個人やチームの生産性の向上です。

生産性とは、かける時間に対して生み出した価値の大きさがどれほど大きいのか、という指標のことです。

よって、かける時間を少なく、生み出す価値を大きくすることが生産性を向上させるために必要な要素を学べるといえるでしょう。

その生産性をあげるために以下の2つが紹介されています。

  1. とにかく「イシュー度の高い問題にあたれ」
  2. なにごとも仮説を持って取り組むこと

イシュー度の高い問題にあたる、脱「犬の道」(安宅和人,イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」,英治出版,P27)

イシュー度の高い問題にあたるとは以下の3つの条件を満たすものを言います。

これらを理解し、イシュー度の高い課題を見極める必要があります。

  1. 本質的な選択肢である
  2. 深い仮説がある
  3. 答えを出せる

(安宅和人,イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」,英治出版,P55)

本質的な選択肢というのは、「カギとなる質問のこと」です。

つまり、選択肢に答えを出すことで、次のステップになりうる意思決定や課題解決などに与えるインパクトが、大きいものこそが本質的な選択肢といえます。

深い仮説があるというのは、「スタンスをとった仮説」や「常識を覆すような洞察」「新しい構造」で考えられたものです。

答えを出せるというのは、「自分の持っているリソースで答えが出せない問いに意味がない」ということです。

逆に、今後の意思決定や結果に影響を与えない、ありきたりな、答えの出せない問いはイシュー度の高い問題ではないので避けるべきといえます。

そして世の中の課題、問題の99%以上はイシュー度の低い問題だと筆者は伝えています。

たとえば、Webマーケティングでのリスティング広告の運用でも、CPCの変動を毎日追っても大局観を掴めるわけではないですし、最終的な成果に大きく直結するわけではありません。

「とりあえずやってみる」「とにかく残業」といった「根性論・精神論」ではなく、今解決するべきイシュー度の高い課題はなにかを常に検討することが重要です。

また「とにかくやってみる」に始まる、量をこなすというアプローチの仕方は「犬の道」と名付けられ、もっともさけるべき行動だと言われています。(安宅和人,イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」,英治出版,P27)

加藤解釈


これまで課題をいかに解決するのかという視点で、課題解決について考えてきた私にとって、解くべき課題が何なのかをまず見極める、というアプローチが目から鱗でした。
Webマーケティングの会社に勤めていると、広告運用施策・SEO施策・Googleマイビジネス施策・SNS施策など取り組むべき課題は星の数ほどあります。
しかし、かけられる時間は限られています。
そのなかでイシューを見極めるというアプローチに特化して学べたことは大きな成果でした。

「イシューからはじめる」サイクルを回せ

本書では、イシューを見極めてからの行動フローも詳細に、事例をあげながら示してくれています。

本書に記載されているイシューからはじめるサイクルは以下のような内容です(安宅和人,イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」,英治出版,P34)

STEP1:イシュードリブン

 →今本当に答えを出すべき問題=「イシュー」を見極める

STEP2:仮説ドリブン1.

 →イシューを解けるところまで小さく砕き、それに基づいてストーリーの流れを整理する

STEP3:仮説ドリブン2.

 →ストーリーを検証するために必要なアウトプットのイメージを描き、分析を設計する

STEP4:アウトプットドリブン

 →ストーリーの骨格を踏まえつつ、段取りよく検証する

STEP5:メッセージドリブン

 →論拠と構造を磨きつつ、報告書や論文をまとめる

このサイクルを繰り返すことで完成度を上げていくことが、イシューからはじめるの基本構造となるそうです。

要素を引き出すと以下のような流れでサイクルを回していくイメージになります。

  1. イシューの見極め
  2. イシューの分解
  3. ストーリーラインの構築 *仮説を立て逆算する
  4. 絵コンテ作成
  5. メッセージ作成

通常のやり方であれば、情報を徹底的に収集し、その情報から読み取れる内容からストーリーを紡ぎだすというやり方をとります。

しかし、イシューからはじめるサイクルでは、仮説を立てることでそのステップの生産性を大幅に高めます。

仮説を持って取り組むとは

仮説を持って取り組むというのは、情報を収集してから何かの結論を導くというやり方ではなく、結論が正しいという仮説の検証作業を行うように、情報収集を行なうことです。

通常は、情報収集して結論を導き出すのですが、結論ありきで検証するようにイシューを設定・情報収集・絵コンテを作る、というやり方が生産性を高めることをさします。

その仮説を検証する作業の注意点は、確証バイアスに陥らないことです。

確証バイアスとは、自分の判断や決断を支持する情報ばかり集めてしまう認知の歪みをさします。

結論ありきで検証を行う際にはあくまでもフェアな立場から検証を行うように気を付けましょう。

「まとめ」

今回は、イシューからはじめよを読んでみたということで記事を書きました。

このようなノウハウが詰まった書籍を読むのにあたって、感じた重要なことがあるので記載します。

  1. 何度も読んでインプットをする
  2. 誰かに説明してアウトプットの練習をする
  3. 書かれていることを実践してアウトプットのレベルを引き上げる
  4. アウトプットをしたのちに再度、読み返す

なぜ、これらが重要になるのかと言いますと、この本に書かれていることは、単純な知識ではなく実践することで初めて価値を発揮する知識だからです。

実践というのはアウトプットであり、アウトプットはインプットの中からしか生まれません。

本書の書評を書くにあたり、まずは一読し、記事執筆にあたりましたが、記事にするというレベルのアウトプットすら一読では不可能でした。(当たり前の話ですが)

記事にすらできないのに、実践することはできないと率直に感じたからです。

マーケターとしてまずは広告の運用を覚えるとなった際にも、事業開発のマーケティング責任者に抜擢された際にも、このイシューからはじめるというコンセプトは使用できると感じました。

顧客への価値提供を最大化していくための、ヒントが詰まった素敵な書籍でございました。

加藤
加藤

この記事は「成長日記第7話」です。
成長日記第8話は以下のリンクからご覧いただけます。

【Kの成長日記】第8話 Webライターを始めて半年経った僕がWebライティングで学んだこと