リスティング広告は低予算から始められることから、企業規模を問わず多くの企業で活用されています。
リスティング広告を始められた方の多くは、「どうしたら検索結果画面の上位に自社の広告を表示できるのか」お悩みではないでしょうか。
広告の表示順位は、オークションごとに計算される『広告ランク』で決まります。
つまり『広告ランク』が決まる仕組みの理解が必要です。
結論からいえば、広告ランクは入札単価と品質スコアのかけ算で計算されます。
具体的には入札単価を高くするか、品質スコアを上げることによって、広告ランクを上げることが可能です。
この記事では、次のトピックについて詳しく解説します。
- リスティング広告の概要
- 広告ランクが決まる仕組み
- 掲載順位を上げる方法
- 上位表示の効果と注意点
リスティング広告を任されたWebマーケティング担当者は、上位表示させる方法をしっかりと理解しておきましょう。
目次
リスティング広告(検索連動型広告)とは
調べたいこと、気になることがあるとき、多くのユーザーはGoogle検索やYahoo検索をします。
リスティング広告とは、ユーザーが入力したキーワードをもとに、検索結果画面に広告を表示するサービスです。
リスティング広告は検索連動型広告ともよばれ、次の特徴があります。
たとえばGoogle検索で『リスティング広告 少額』のキーワードを入力した結果を見てみましょう。
表示画面上部の4件に広告が表示され、5件目からは検索エンジンが抽出した記事・ニュース・企業サイトが表示されています。
なお、5件目からの広告以外の表示を『オーガニック検索』または『自然検索』とよびます。
検索連動型広告で有名なサービスには、Google広告・Yahoo!広告があります。
どちらも検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに応じて、広告が表示される仕組みです。
以降、Google広告についての解説をおこないます。
多くの点で同様の仕組みが使われているため、Google広告を理解しておけば、Yahoo!広告の理解が楽になります。
リスティング広告については、当サイトの別記事で詳しく解説しています。
リスティング広告の基礎から学びたい方は、ぜひ参考にしてください。
リスティング広告の上位表示で得られる効果と注意点
リスティング広告で上位表示されるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
結論からいうと、クリック率が高まります。
以下は、検索エンジンマーケティングに関する情報サイト『Search Engine Watch』が2014年に公開した調査結果です。
PPC(Pay Per Click)広告の表示位置とクリック率(CTR:Click-Through Rate)の関係がまとめられています。
出典:Search Engine Watch『PPC Click-Through Rate by Position: Does Rank Matter?』
※出典記事のグラフを一部加工
記事から、PPC広告における掲載順位とクリック率の関係が読み取れます。
- 1番目に表示された広告のクリック率は12.2%
- 2番目に表示された広告のクリック率は1.5%
- 3番目以降は0.2%以下
1番目と2番目でクリック率に大きな差があり、3番目以降はさらに小さくなっているのがわかるでしょう。
つまりリスティング広告において、掲載順位はとても重要だということです。
ただし、検索ページ内の掲載順位が上がってクリック回数が増えると、クリック回数に応じた費用が発生することに留意して予算を確保しておきましょう。
また、クリック率(CTR)が高くても、商品の購入や申込みなどのビジネス上の成果であるCVR(Conversion Rate)が高くならない場合もあります。
CTRが高いがCVRが想定より低い場合、キーワード、ターゲットの見直しやランディングページの改善等を検討します。
リスティング広告の運用中は、CTR・CVRの分析で改善点を抽出し、改善対策をしっかり実施しましょう。
では実際にリスティング広告の掲載順位はどのように決まるのでしょうか?
次の章では、リスティング広告の掲載順位が決まる仕組みについて、重要な要素を2つ挙げて解説しています。
実際にリスティング広告の掲載順位を上げるためにも、理解しておく必要があるのでぜひ参考にしてください。
リスティング広告の掲載順位が決まる仕組み
ユーザーが検索をおこなうと、そのキーワードに関連した広告ごとの『広告ランク』が瞬時に計算され、広告ランクの高い広告が上位に表示されます。
なお、広告ランクで決まるのは広告の表示順番であり、表示場所(検索画面上部、下部)ではありません。
これはそもそも上部に広告枠がないキーワードもあるからです。
つまり表示順位が1位の場合、広告枠全体で1番上に表示されるということなので、下部に表示されている場合もあると覚えておきましょう。
ではここから、広告の掲載順位を決める『広告ランク』について詳しく見ていきましょう。
広告ランクの計算式は『入札価格』『品質スコア』のかけ算です。
この広告ランクの数値で掲載順位が確定します。
具体的な例をあげる前に、入札単価と品質スコアについて学んでおきましょう。
入札単価について
リスティング広告を出稿するには、入札単価を設定しておく必要があります。
入札単価とは、広告1クリックに対して支払い可能な最大の金額のことです。
「いくらまでなら払える」という上限額であるため、上限(クリック)単価ともよばれます。
実際のクリック単価が入札単価(=上限単価)を超えることはありません。
多くの場合、実際に支払うのは設定した入札単価より低い金額になります。
入札単価の設定方法は、『個別単価設定』と『自動入札』の2つです。
個別単価設定では、キーワードごとの入札単価を自身で設定することができます。
一方、自動入札機能を利用する場合は、Googleのシステムが目標に応じて自動で入札単価を調整します。
たとえばコンバージョンが目標の場合、コンバージョンが多くなるようにキーワードの単価が引き上げられるということです。
そのため自動入札では、クリック単価が高騰する可能性があります。
品質スコアについて
品質スコアとは、広告の全般的な品質を表す指標です。
品質スコアは、入札しているキーワードごとにGoogleが決定する仕組みになっています。
1〜10の10段階評価となっており、『10』が最も良い数値です。
Googleによる品質スコアについての說明を見てみましょう。
品質スコアは、広告やキーワード、ランディングページの品質を表す指標です。品質スコアが高くなるほど、入札単価を低くおさえつつ、広告掲載順位を上げることができます。
出典:Google広告のヘルプ『品質スコア』
ポイントは、「品質スコアが高い場合には、入札単価を高く設定しなくても広告掲載順位が上がる可能性がある」ということです。
では、現在出稿している広告の品質スコアはどのように確認できるのでしょうか?
以下の手順に沿って、確認してみてください。
Google広告の場合、管理画面のメニューから次の操作をおこないます。
1.メニューより『キーワード』『検索キーワード』をクリックし表の右上にある『表示項目アイコン』をクリック
2.品質スコアの欄を開く8つの項目にチェックを入れて『適用』をクリック
品質スコアに関する次の8項目にチェックを入れて、それぞれの項目を表形式で表示させることができます。
品質スコアに関する8項目 | |
品質スコア | キーワードを入力したユーザーと『広告、キーワード、ランディングページ』との関連性を示す推定値です。 |
品質スコア(履歴) | 品質スコアは日々変化します。 レポート期間で最後に確認された品質スコアを表示します。 |
推定クリック率 | 広告が表示されたときにクリックされる可能性を示す指標であり、過去の実績により算出されます。 推定クリック率は品質スコアを決める要素の1つです。 |
推定クリック率(履歴) | 推定クリック率は日々変化します。 レポート期間で最後に確認された品質スコアを表示します。 |
ランディング ページの利便性 | 『ユーザー』と『広告をクリックして表示されるランディングページ』との関連性を示す指標です。 具体的には、『リンク先のランディングページのコンテンツ』と『ユーザーの入力したキーワード』との関連性、『ランディングページの操作性』が評価されます。 ランディング ページの利便性は品質スコアを決める要素の1つです。 |
ランディング ページの利便性(履歴) | ランディングページの利便性は日々変化します。 レポート期間で最後に確認された品質スコアを表示します。 |
広告の関連性 | 『キーワード』と『広告に含まれるメッセージ』との関連性の高さを表す指標です。 広告が一般的すぎる、もしくは具体的すぎると判断された場合、評価は低くなります。 広告の関連性は品質スコアを決める要素の1つです。 |
広告の関連性(履歴) | 広告の関連性は日々変化します。 レポート期間で最後に確認された品質スコアを表示します。 |
すでに説明したとおり、品質スコアを上げると、広告費を抑えながら上位表示が狙えます。
このことをより具体的にイメージできるよう、次の章では実際の数字を使って広告ランク・掲載順位が決まる流れを解説します。
数字でわかる!広告ランクが決まる仕組み
さて、具体的な数字を用いて、広告ランクが決まる仕組みを理解しましょう。
繰り返しになりますが、広告ランクは入札単価と品質スコアの掛け算で求められます。
広告ランク = 入札単価 × 品質スコア
ユーザーが検索した場合、検索エンジンはキーワードに紐づけられた広告をリストアップします。
広告主 | 入札単価 | 品質スコア |
広告A | 250 | 3 |
広告B | 170 | 8 |
広告C | 100 | 5 |
リストアップ後、瞬時に広告ランクが計算され、順位が決定します。
広告主 | 入札単価 | 品質スコア | 広告ランク | 順位 |
広告A | 250 | 3 | 750 = 250 × 3 | 2 |
広告B | 170 | 8 | 1360 = 170 × | 1 |
広告C | 100 | 5 | 500 = 100 × 5 | 3 |
同時にクリック単価も計算されます。
クリック単価の計算式は次のとおりです。
クリック単価 = 次の順位の広告ランク ÷ 広告主の品質スコア +1
広告主 | 入札単価 | 品質スコア | 広告ランク | 順位 | クリック単価 |
広告A | 250 | 3 | 750 = 250 × 3 | 2 | 168 ≒ 500 ÷ 3 +1 |
広告B | 170 | 8 | 1360 = 170 × | 1 | 95 ≒ 750 ÷ 8 +1 |
広告C | 100 | 5 | 500 = 100 × 5 | 3 | 最小クリック単価 |
ここで掲載順位で並べ替えます。
順位 | 広告主 | 入札単価 | 品質スコア | クリック単価 |
1 | 広告B | 170 | 8 | 94 |
2 | 広告A | 250 | 3 | 167 |
3 | 広告C | 100 | 5 | 最小クリック単価 |
広告Aの入札単価が一番高額ですが、品質ランクが低いために掲載順位(=広告ランク)は2位に下がっています。
一方、広告Bは品質スコアが高いため、掲載順位は1位になっています。広告Aの入札単価が一番高額ですが、品質ランクが低いために掲載順位(=広告ランク)は2位に下がっています。
さらに注目すべきはクリック単価です。
広告主Bは掲載順位が1位にも関わらず、クリック単価は2位の広告Aより低いのです。
品質スコアが高いと、掲載順位が上がるだけでなく、クリック単価を低くできる可能性があります。
つまり、少ない予算で多くのユーザーを獲得できる効率の良い広告運用を実現できるのです。
次の章では、リスティング広告の掲載順位を上げる具体的な方法ついて解説します。
リスティング広告の掲載順位を上げる2つの方法
次に広告ランクを上げ、掲載順位を上げるための2つの方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
- 入札単価を上げる
- 品質スコアを上げる
リスティング広告の掲載順位を上げる方法1. 入札単価を上げる
広告ランクの計算の仕組みからわかるとおり、入札単価を高く設定すれば、広告ランクを高められる可能性があります。
しかし入札単価を上げるということは、それに見合った予算が必要になるということです。
「どれくらい入札単価を上げるか」についても、広告予算にもとづいて慎重に判断しなければなりません。
ただし、あなたが設定した入札価格が『最低入札価格』を下回っている場合、そもそも広告が表示されないので、この点には注意が必要です。
リスティング広告では、検索ボリュームが大きいキーワードに対して最低入札価格が設定されており、最低入札価格は検索ボリュームが大きいほど高く設定される傾向にあります。
なお、検索ボリュームの小さいキーワードには最低入札価格が設定されていません。
また、広告ランクの決定には次に説明する品質スコアが大きく影響します。
入札単価がいくら高くても、品質スコアが低ければ掲載順位は上がらないことを忘れてはいけません。
リスティング広告の掲載順位を上げる方法2. 品質スコアを上げる
広告費をおさえつつリスティング広告の掲載順位を上げたいなら、品質スコアを改善しましょう。
品質スコアは主に次の3要素から構成されています。
- 推定クリック率
- 広告の関連性
- ランディングページの利便性
そのため、それぞれの要素を改善していくことで、品質スコアを上げることができるでしょう。
3要素ともGoogleの提唱する『ユーザーファースト』のポリシー(ユーザーにとってどれほど有益か?)と関連しており、Google広告を運用するために理解しておくべき要素です。
それでは、品質スコアを決める3つの要素について説明します。
品質スコアの要素1. 推定クリック率
推定クリック率とは、広告と紐づけたキーワードに対して表示された広告がクリックされる程度を示す指標です。
%(パーセント)による指標ではなく、『平均より上』『平均的』『平均より下』の3段階で表示されます。
『平均的』または『平均より上』であれば、大きな問題はありませんが『平均より下』の場合は、キーワードを入力したユーザーが広告に反応していない、もしくは反応が少ないことを意味します。
推定クリック率を改善するには、広告のタイトルにキーワードを含める、広告グループのキーワードリストの見直しなどをおこないましょう。
品質スコアの要素2. 広告の関連性
広告の関連性とは、ユーザーが入力したキーワードとその広告内にあるメッセージの関連度です。
広告の関連性が高ければ、ユーザーにとってキーワードと広告に関連があると認識されている状態を意味します。
『平均より上』『平均値』『平均より下』の3段階で表示されます。
広告内のメッセージにキーワードを含めると、広告の関連性を高めることが可能です。
また、広告グループに設定しているキーワードが多すぎると広告の関連性が下がるため、キーワードを絞る対策も有効です。
品質スコアの要素3. ランディングページの利便性
広告をクリックしたときに表示されるランディングページが、ユーザーにどの程度有益なのかを示す指標です。
『平均より上』『平均値』『平均より下』の3段階で表示されます。
下記のようなランディングページなら、ユーザーに満足してもらえると判断され、ランディングページの利便性が高く評価されます。
- キーワード・広告内のメッセージと関連性が高く、有益なコンテンツである
- パソコンはもちろん、スマートフォンなどのモバイル環境での操作性が良い
- ランディングページの読み込み時間が短い
もし評価が『平均より下』の場合、上記3つの観点でランディングページを改善しましょう。
【まとめ】リスティング広告の上位表示には、広告ランクのUPが必要
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンに入力するキーワードに対応した広告を出すサービスのことです。
キーワードを利用することにより、ユーザーの関心事に関連した広告を配信できるため、ユーザーに広告をクリックしてもらい、ランディングページへ誘導することができます。
なお、検索画面の上位に表示されるほどクリック率が高まることが明らかですので、リスティング広告ではいかに上位させるかが大切です。
さらにいえば、低い広告費でできるだけ上位表示される工夫が重要であり、Google広告の場合、品質スコアの向上に努めなければなりません。
広告のタイトル・メッセージ・ランディングページ、さらには広告グループのキーワードリストを工夫し、ユーザーへの有益性を高めることによって、品質スコアを向上させます。
具体的な施策を実施して改善を繰り返すことによって、広告ランクを上げるノウハウを積み上げましょう。
この記事で紹介した方法で、リスティング広告を上位表示させられなかった場合は、広告代理店への依頼を検討してみてもよいでしょう。
リスティング広告は年々さまざまな機能がアップデートされたり、規則の変更がおこなわれており、広告ランクを最適化する難易度も上がっています。
そのため、代理店や専任の広告担当がいない中小企業では、広告運用に対応することが難しくなっているのです。
代理店に依頼することで、自社のリソースを割くことなく、今までよりも効率良い広告運用を実現できます。
弊社はお客様にかわり、費用対効果の高い広告運用をおこない、お客様の集客から売上改善までプロの広告運用担当者が専任でサポートしています。
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