「人間の頭でWeb広告のデータを分析し、運用をするのは限界を感じる。」
「広告運用以外の仕事にも手をつけたい。」
とお考えではないでしょうか?
ユーザーの行動パターンが多様化する中、人の頭でデータを分析し、効率よく運用をおこなうのには限界があります。
そのため、これからのWeb広告では機械学習による運用の自動化が必要です。
今回の記事では,
Web広告を効率良く、かつ成果を出すために必要な機械学習について解説いたします。
- 機械学習とは何か
- 機械学習の仕組み
- 機械学習をしやすい構造
- 機械学習の注意点
Web広告運用者は必見の内容です。ぜひ、最後までご覧ください。
目次
機械学習とは?
機械学習とは、その名のとおり機械が情報を読み取り、学習することを指します。
広告運用においては、ユーザーの情報を集めて、機械が広告運用をおこなうための最適なアクションをとることを意味しています。
以下は、広告の機械学習で主に利用されている機能です。
- 自動入札
→入札単価を自動的に決めてくれる機能。成果の見込みが高いターゲティングやセグメントでの配信を強化してくれる。 - 配信する広告の決定
→作成した複数の広告から、配信に最適な広告を選んでくれる。
人間が、ユーザー行動のすべてを把握して運用することは難しいもの。
ですが機械学習に任せれば、ユーザーのデータを収集したうえで、最適なアクションを起こしてくれます。
業務の効率化に繋げたい方にはおすすめの機能です。
機械学習の仕組み
機械学習は、集めたユーザーの行動データから「パターン・法則」を読み取ります。
そして、機械がユーザーの行動を学習したのち、最適なアクションを起こします。
機械学習の精度を高くするには、「ユーザーの行動データ」がたくさん必要です。
たとえば、以下の内容が挙げられます。
- 「ユーザーが検索した地域」
- 「ユーザーが検索したキーワード」
- 「検索に使ったデバイス」
- 「ユーザーが検索した時間帯」
データが集まれば集まるほど、機械はユーザーに合わせた最適なアクションを起こします。
データを効率良く集めるには、 アカウントの環境を整えてあげることが大切です。
次の章から、機械が学習しやすいアカウント構造を紹介します。
まずは、リスティング広告の基本的な構造から理解してみましょう。
リスティング広告のアカウント構造
機械が学習しやすい構造を学ぶ前に、まずはリスティング広告の構造について理解しておきましょう。
リスティング広告は画像のように、
- キャンペーン
「キャンペーンの配信日時」「1日の広告予算」「配信する地域」の設定が可能。 - 広告グループ
キャンペーンの中に広告グループを設定できる。「入札単価の調整」「広告文の設定」が可能。 - キーワード
ユーザーが検索しそうなキーワードを設定できる。キーワードには「マッチタイプ」「入札価格」「カスタムURL」の設定が可能。 - 広告
ユーザーに表示させる広告を設定できる。「広告のタイトル」「広告の説明文」「リンク先のURL」の設定が可能。
の4つで構成されています。
キャンペーンの中に広告グループがあり、広告グループの中にはキーワードと広告文を複数入れられます。
機械学習されやすいアカウント構造
機械学習されやすいアカウントにするには、以下のポイントを押さえた構造にする必要があります。
構造1.キャンペーンと広告グループの数を抑える
機械学習がしやすいアカウントにするには、キャンペーンや広告グループの数を抑えることが大切です。
理由は、機械学習に必要なデータ量とバリエーションの蓄積をするためです。
キャンペーンや広告グループの数を多くすることで、 データが分散されてしまいます。
データが分散されると、1つの広告グループのデータ量が少なくなり、データを集めるのに時間がかかります。
そのため、キャンペーンや広告グループの数を増やすのではなく、数を抑えることが重要です。
キャンペーンと広告グループは、それぞれ以下の内容で設定するのがおすすめです。
キャンペーンと広告グループの設定基準 | |
キャンペーン | 広告グループ |
|
|
特別な理由がない限り、なるべく上記以外の内容でキャンペーンを作らないようにしましょう。
構造2.1つの広告グループにつき最適な広告数を設定する
1つの広告グループにつき、適切な数の広告を設定しましょう。
昔は、1つの広告グループに複数の広告を設定することが主流でした。
ですが、今では機械学習が進み、広告グループ内をシンプルに設定することが成果獲得への近道となっています。
現在、GoogleとYahoo!が推奨している広告数は以下のとおりです。
1つの広告グループにつき適切な広告数 | |
レスポンシブ広告 | 拡張テキスト広告 |
1件 ※「見出し」「広告文」を複数設定しておく | 1〜3件 ※成果につながりやすい広告を1〜3件設定しておく |
レスポンシブ広告とは、複数の見出しと広告文を設定し、ユーザーの検索状況に最適な広告を自動的に作成・表示させる配信方法です。
広告主が設定しておいた複数の広告文と見出しを使い、効果を期待できる内容で広告を作成するため、よりユーザーに訴求できる広告の表示が可能です。
レスポンシブ広告を1広告グループにつき複数設定すると、ユーザーのデータが分散されてしまうため、1件のみに絞りましょう。
また、定期的に見出しや広告文の追加・修正をおこないましょう。
構造3.部分一致のキーワードを追加する
マッチタイプが「部分一致」のキーワードも、広告グループに含めるようにしましょう。
マッチタイプとは、ユーザーの検索したキーワードと、広告で設定したキーワードの一致度を決める機能です。
部分一致は、指定したキーワードだけではなく、関連語句も含むさまざまなキーワードで広告が配信されます。
幅広いキーワードで広告表示が可能なため、より早く機械学習に必要なデータを蓄積できます。
データを収集するには、広告に設定したキーワードの一致度を拡げていくことが重要です。
機械学習の設定事例
弊社でおこなったアカウントの設定事例をご紹介します。
弊社では以下の2点をおこない、コンバージョン率(CVR)の向上を成功させました。
- キャンペーンの数を最低限の個数で作成
- 獲得見込みのCV数が最適化に必要なCV数に満たないアカウントのみに「マイクロCV」を追加
施策をおこなったことで、以下の成果を出せました。
アカウント改善によって出た成果 | |
運用において改善された点 |
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アカウント改善前後のCVR比較 | 【例1】 CVR 3.2%→8.3%(月の広告予算:数十万円) |
【例2】 CVR 4.1%→12.9%(月の広告費予算:数百万円) |
機械学習の注意点
広告運用で機械学習の機能を取り入れることは便利ですが、機械学習に頼りきりになるのは避けましょう。
なぜなら、機械はプログラミングされたとおりにしか動かないからです。
広告運用者が考えている運用方法を、機械が完璧に理解しているわけではありません。
そのため、運用者の意図に沿わないアクションをおこなう場合があります。
広告運用者は機械学習に任せるだけではなく、自身が考えている運用になっているか常に確認が必要です。
もし、意図していない運用になっていた場合は、手動入札も併用するなどの対策をとれるようにしておきましょう。
【まとめ】機械が学習しやすい構造を作って広告運用の効率化を図ろう
今回の記事では、広告を効率よく運用するために必要な機械学習について解説いたしました。
広告運用における機械学習とは、コンピューターがユーザーの情報を読み取り、成果につながりやすいアクションをおこなうことを指します。
機械が学習するためには、広告のアカウント構造を整える必要があります。
アカウント構造を整えるには、以下のポイントが重要です。
そのため、すべてを機械に頼り切りにするのではなく、常に広告が成果を上げているか確認が必要です。
そうは言っても、アカウント構造を整えるのにも時間はかかるし、機械学習に最適なアカウントを作れているかわかりにくいですよね。
弊社では、広告運用もおこなっております。
前述の設定事例でも紹介しましたが、アカウントを整えたことで成果に繋げた実績がございます。
もし気になるようでしたら、以下のお問い合わせから弊社にご相談ください。
2017年エクスコアに新卒入社し、Webコンサルタントとして従事。
リスティング広告をメインに各広告媒体の運用を担当。
【保有資格】Google広告、LINE広告、IMA検定、公式LINE運用…など