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PEST分析とは
PEST分析とは環境分析の一つで特にマクロ環境分析で使われるフレームワークの一種です。
「Political Environment:政治法律」「Economic Environment:経済」「Social Environment:社会」「Technological Envionment:技術」の4つの頭文字をとっています。
環境分析はマクロ環境分析と、ミクロ環境分析に分かれ、企業をとりまく環境で、企業ではコントロールできないもので、かつ企業活動に影響を及ぼすものを指します。
マーケティングの視点では、外部から内部に分析を進めていく手法が一般的なため、PEST分析はマーケティングプロセスにおける最上流で用いられることが多いフレームワークになります。
Political Environment:政治法律
政治的環境は、法律、政府機関、政治的環境、圧力団体などにマーケティングの決定事項は左右されます。
例えば、法規制の緩和により新製品の開発が着手できることもあれば、規制が強まることで断念せざるを得ないこともありえます。
Economic Environment:経済
消費者の購買力や行動モデルは、時代とともに変化しています。
また各国の経済成長率や、為替相場、エンゲル係数、物価なども調査の対象となります。
Social Environment:社会
人口動態環境や、宗教、教育、言語、人口構成などをさします。
少子高齢化が進む日本と、平均年齢が30歳に満たない国では当然、マーケティング環境が異なります。
Technological Environment:技術
新製品や市場機会を創出することになる新しい技術を生み出す環境要因のことをさします。
例えばミュージックプレーヤーの市場は、AppleのIPodの出現によって大きくマクロ環境が変化しました。
技術革新により新しい技術や古い技術に取って代わり、新たな市場を創出し続けています。
マクロ環境分析とミクロ環境分析
マーケティングで重要な思考は、外部から内部へ考え方を絞っていくことです。
よって、マクロ環境からより企業の活動に近いミクロ環境へ分析を絞り込んでいくと良いでしょう。
マクロ環境についてはPEST分析と重複することになりますが「人口動態」「経済」「政治」「文化」「技術」など、企業がコントロールできない環境を分析するものになっています。
またミクロ環境とは企業と密接に関係し、企業が顧客に応える能力に影響を及ぼす環境要因のことです。
例えば「企業」「供給業者」「仲介業者」「顧客」「競合他社」「その他ステークホルダー」などです。
ミクロ環境においては「3C分析」や「ファイブフォース」分析を用いることがあります。
3C分析は「Consumer:顧客」「Competitors:競合」「Company:自社」の3点から事業の成功要因であるKSF(Key Success Factor: 主要成功要因)を探す際に用いられます。
またファイブフォース分析はマイケル・ポーターが「競争の戦論」の中で提唱した「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」という業界を取り巻くミクロ環境要因で、その業界の収益性を決定づける5つの脅威についてまとめたフレームワークです。
SWOT分析
PEST分析とあわせて利用されやすいのがSWOT分析です。
SWOT分析は外部と内部において好ましい傾向と好ましくない傾向に分けて分析を行うものです。
PEST分析や3C分析では、業界やその環境要因の事実ベースの事柄を収集することになります。
それらに「好ましい」か「好ましくない」かの解釈を加えていくものがSWOT分析となります。
「PEST分析」から「3C分析」で「SWOT分析」の順で行なっていくことが分析の手順としてはスタンダードになります。