歯科広告を出す前に把握したい医療広告ガイドラインの内容や規制を解説

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  • 歯科広告を検討するにあたり、歯科医師のみなさんは医療広告ガイドラインに抵触しないよう注意が必要です。

    ただ、医療広告ガイドラインの内容は幅広く、厚生労働省が開示している内容も難しいため、なかなか理解が進まず、やきもき されている方も多いのではないでしょうか。

    この記事では厚生労働省が開示している情報をもとに、歯科広告を掲載するうえで注意すべき医療広告ガイドラインについて、できる限りわかりやすく解説しています。

    この記事を読むことで、出稿を検討している広告の改善点や避けるべき表現、判断に迷った際の相談先についても把握できるでしょう。

    歯科広告を出稿する前の方や医療広告ガイドラインについて理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

    歯科の広告における医療広告ガイドラインの重要性

    医療広告ガイドラインは、正式には「医業若しくは歯科医業または病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」といいます。

    こうした規定がなかった頃は、虚偽や誇大広告が多く、主に美容医療に関するトラブルが相次いだため、医療機関に向けての広告規制として策定されました

    歯科医院が医療広告ガイドラインを重要視しなければいけない理由は、大きく分けて二つあります。

    歯科の広告において医療広告ガイドラインが重要な理由

    • 理由1.患者さんに正確な情報を得てもらえるようにするため
    • 理由2.歯科医院の信頼を維持するため

    それぞれ解説します。

    理由1.患者さんに正確な情報を得てもらえるようにするため

    医療機関を選ぶ際の情報に誇大表現や虚偽があり、患者さんに間違った情報が伝わってしまった場合、生命や身体・健康に及ぶ被害リスクが他の分野よりも高くなってしまいます。

    医療広告ガイドラインを重視して対策をすれば、患者さんに間違った情報が伝わらないよう自然に配慮ができます

    正確な情報を発信して、歯科医院や治療内容を選んでもらえるよう、医療広告ガイドラインを重要視して対策をしましょう。

    理由2.歯科医院の信頼を維持するため

    医療広告ガイドラインに違反した広告を掲載し、修正すべきという指導があったにも関わらず従わなかった場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課されます。

    このような状況に陥った場合、医療機関として・歯科医院としての信頼が損なわれてしまうかもしれません。

    また、間違った情報が患者さんに伝わってしまった結果、歯科医院に対するクレームや悪評につながってしまうケースも考えられます。

    歯科医院の信頼を維持するためにも、医療広告ガイドラインを重要視して対策をしましょう。

    医療広告ガイドラインの対象範囲

    厚生労働省は医療広告ガイドラインの広告定義として、下記3つを公表しています。

    ①患者の受診等を誘引する意図があること(誘因性)

    ②医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)

    ③一般人が認知できる状態にあること (認知性)

    引用元:医療法における広告規制の現状について 広告規制の趣旨. 02資料2医療法現状  p.2.

    ①〜③のどれか一つでも要件を満たす場合、広告に該当すると判断されるのです。

    具体的に広告と判断されるものは、下記が挙げられます。

    広告と判断されるもの

    チラシ、パンフレット、ダイレクトメール、ファクシミリ、ポスター、看板、インターネット上の広告、Eメール、ホームページ、新聞紙、雑誌、その他出版物、不特定多数を対象にした説明会、動画など

    上記に該当するものでの集客を検討している場合、医療広告ガイドラインで禁止されている内容に該当しないよう配慮が必要です。

    また費用が発生しない、あるいは、自らが広告と認識していない場合でも、医療広告ガイドラインの対象に当てはまります。

    これは、歯科医院のホームページにも該当するため、要注意です

    「広告ではない」と認識して対策していたとしても、医療広告ガイドラインの対象になるので注意しましょう。

    歯科医院の広告掲載可能な内容

    広告掲載可能な内容は、具体的には下記です。

    歯科医院の広告掲載可能な内容

    • 歯科医師であること・歯科医師名
    • 診療科名
    • 歯科医師の経歴/挨拶文
    • 歯科医院の名称
    • 電話番号/住所/診療日時/診療時間
    • 予約の有無
    • 検査/手術/その他の治療方法や具体的な治療内容
    • 治療方針
    • セカンドオピニオンの有無

    上記のように、掲載する情報を限定して広告をしたとしても、医療広告ガイドラインに抵触してしまうケースが多いです。

    抵触しないようにするためには、広告掲載を禁止されている内容も把握しなければなりません。

    広告掲載を禁止されている内容と具体例

    医療広告ガイドラインでは、具体的にどのような内容が広告掲載を禁止されているのでしょうか。

    具体例として、下記のような内容が挙げられます。

    広告掲載を禁止されている内容

    1. 比較優良広告
    2. 誇大広告
    3. 虚偽広告
    4. 広告が可能とされていない事項
    5. 主観に基づく記述や体験談
    6. 誤解を招く恐れのある術前術後の写真
    7. 公序良俗に反する内容
    8. その他

    それぞれ具体的な事例とともに解説をします。

    禁止内容1.比較優良広告

    比較表現を用い、他よりも優良であると誤認を与える可能性がある場合、比較優良広告に該当します。

    具体例として、下記のような内容が挙げられます。

    比較優良広告の例

    • 最上級の比較表現
    • 著名人の関連性を強調
    • 他の医療機関との比較

    それぞれ解説します。

    最上級の比較表現

    • 「都内で一番の手術実績」
    • 「最高の治療を提供」

    上記のような最上級の表現を使用した場合、たとえ事実であったとしても禁止される表現に該当します。

    著名人の関連性を強調

    • 「アイドルの◎◎さんも当院に通っています」
    • 「芸能人の◎◎さんも効果実感」

    上記のような表現は、著名人との関連性を強調して表現することで、他の医院より優れていると誤認を与える可能性があります。

    このようなケースもたとえ事実であったとしても禁止される表現に該当します。

    他の医療機関との比較

    • 「A歯科医院やB歯科医院よりも、当院のほうが手術成功率が高いです」
    • 「他の医療機関と比較しても、短期間で矯正治療が可能です」

    上記のような特定の医療機関・不特定の医療機関と比較し、自らの医療機関が優れていると記載する旨は、医療広告において認められない表現です。

    禁止内容2.誇大広告

    虚偽の情報ではなかったとしても、医院の設備や人員配置・提供する医療の内容などを不当に誇張して表現し、誤認を与えるもの誇大広告です。

    具体例として、下記のような内容が挙げられます。

    誇大広告の例

    • 施設名の誤認につながりそうな表記
    • 科学的根拠が乏しい
    • 医療広告ガイドラインを遵守している旨の強調

    それぞれ解説します。

    施設名の誤認につながりそうな表記

    医療機関の名称代わりに、または医療機関の名称と併せて「○○インプラントセンター」などと表記することは、一部条件に該当しない限り誇大広告に該当します。

    ※一部条件については、後ほど「広告可能事項の限定解除要件」の項目で解説します。

    科学的根拠が乏しい

    • 「ストレスを抱えている人は歯周病が重症化しやすいので当院で治療を受けましょう」
    • 「歯列矯正はダイエットになる!体型が気になる方は矯正歯科を受けましょう」

    上記のような科学的根拠が乏しい情報にも関わらず、特定の医療機関受診や症状に対する治療の有効性を強調し、医療機関受診や治療を促す表現は誇大広告に該当します。

    医療広告ガイドラインを遵守している旨の強調

    • 医療広告ガイドラインを遵守している旨について、文字の大きさや色の変更で強調している
    • 厚生労働省が定めた医療広告ガイドラインを遵守し認証を受けているといった強調をしている

    上記のようなケースは、誇大広告に該当します。

    医療広告ガイドラインを遵守することは強調すべきことではなく、行政機関が認証しているといった表現も認められていないためです。

    禁止内容3.虚偽広告

    内容が虚偽にわたる・医学上ありえない表現は、虚偽広告に該当します。

    具体例として、下記のような内容が挙げられます。

    虚偽広告の例

    • 治療期間や内容の虚偽
    • データの根拠が明確でない

    それぞれ解説します。

    治療期間や内容の虚偽

    • 「当院の治療は絶対に安全です」
    • 「難しい症例でも当院で手術すれば成功します」

    上記は、医学上ありえない表現と認識されます。

    • 「インプラント治療が最短一日ですべて完了」

    インプラント治療は手術後もメンテナンスの必要があるにも関わらず、一日ですべて終了するといった実態と反する記載も虚偽広告に該当します。

    データの根拠が明確でない

    • 「顧客満足度99%」
    • 「当院の手術成功率は98%」

    といったデータの根拠が明確にされていない情報も虚偽広告に該当します。

    禁止内容4.広告が可能とされていない事項

    広告が可能とされていない事項としては、具体例として下記のような内容が挙げられます。

    広告が可能とされていない事項

    • 専門外来
    • 死亡率・術後生存率
    • 未承認医薬品による治療内容
    • データの内訳が示されていない手術件数

    それぞれ解説します。

    専門外来

    専門外来という表現は、広告が可能な診療科名と誤って伝わるおそれがあるため、広告で使うことはできません。

    • 例:インプラント専門外来

    死亡率・術後生存率

    死亡率・術後生存率は、一人一人の対象となった患者の症状によって確率が変わります。

    また、医療機関を選ぶ際の適切な情報に値すると評価できない状況にあることから、広告が禁止されています。

    未承認医薬品による治療内容

    海外の医薬品であったり、健康食品が該当します。

    治療方法は、保険診療であるものや法律で承認された医薬品によるものが広告可能に限定されているため、未承認医薬品による治療内容は広告できません。

    データの内訳が示されていない手術件数

    手術がいつからいつまでの間に何件おこなわれたのか、具体的な期間やデータの内訳が示されていない手術件数の記載は広告として認められていません。

    具体的には、「手術の件数だけを記載する」「長期間の手術件数を記載する」が挙げられます。

    禁止内容5.主観に基づく記述や体験談

    主観に基づく記述や体験談は、客観的にみて事実であることを証明できないため、医療広告ガイドラインでは禁止事項に当てはまります。

    具体例として、下記のような内容が挙げられます。

    主観に基づく記述や体験談

    • 患者やその家族の主観に基づく体験談
    • 医療機関スタッフによる体験談
    • 口コミサイトからの転載や抜粋

    1つ目と2つ目に関してはまさに主観で、人によって感想は異なる可能性があるため、たとえ事実でも医療機関への誘引につながるような表現は、誤認を与えるリスクがあるので禁止されています。

    3つ目については、特定の口コミサイトから自らの医院に対する口コミを転載したり、一部良い口コミを抜粋することを指します。

    特に一部良い口コミを抜粋し掲載して強調することは、虚偽・誇大広告にも該当するため認められていません。

    禁止内容6.誤解を招く恐れのある術前術後の写真

    • 術前術後の写真のみ掲載され説明がない
    • 術前術後の写真とともに説明はあるが不十分である

    上記のようなケースでは、医療に関する広告として認められません。

    理由は、患者自身の症状や治療の結果はそれぞれ異なるものであることに加え、写真のみや説明が不十分である場合、誤認させるリスクがあるためです。

    説明が不十分であると判断されるケースとしては、下記に記載する情報のいずれかが抜けている状態を指します。

    • 通常必要となる治療内容
    • リスク
    • 治療期間
    • 費用
    • 治療回数
    • 副作用

    さらに、術前術後の写真を加工したり修正したりして掲載した場合、効果があるように加工・修正したと判断され、虚偽広告として取り扱われる可能性があるのでやめましょう。

    禁止内容7.公序良俗に反する内容

    「わいせつである」「残虐であるような図や絵」「差別を助長する表現」など、公序良俗に反すると判断される内容は、広告として認められません。

    禁止内容8.その他

    品位を損ねるような内容であったり、他法令・他法令に関連する広告ガイドラインで禁止されていることは、医療に関する広告として適切でない可能性が高く、慎むべきとされています。

    品位を損ねるような内容の具体例としては、

    • 「今だけ○円ホワイトニングキャンペーン実施中」
    • 「インプラント一本¥500,000→¥400,000」

    といった費用を強調した広告が当てはまります。

    他法令・他法令に関連する広告ガイドラインで禁止されていることの具体例としては、下記です。

    基本的に、広告は医療機関が自ら出稿の意思を持って掲載します。

    このような前提があるうえで、医薬品や医療機器の会社から金銭の授与をともなうような依頼を受け、医療機関が特定の疾患に対し治療できる旨を広告することは慎むべきといわれています。

    広告可能事項の限定解除要件

    広告可能事項の限定解除要件とは、本来広告できない情報を掲載する場合に、特定の要件を満たしていれば広告可能になる要件のことです。

    限定解除の要件は、下記の4つが公表されています。

    広告可能事項の限定解除要件

    1. 患者が自ら求めて入手する情報であること
    2. 連絡先を明記すること(患者が照会可能なもの)
    3. 費用を明記すること
    4. リスク、副作用を明記すること

    上記を満たすことで、自由診療であるインプラント治療や矯正歯科、審美治療といった表現の広告が可能となります。

    広告の限定解除要件も考慮すると、歯科広告に掲載できる情報が増え、集患もより効果的におこなえるようになるでしょう。

    歯科広告を掲載する前に確認しておくと安心なポイント

    これから歯科広告の掲載を検討している方は、事前に下記ポイントを確認しておくと良いでしょう。

    歯科広告を掲載する前に確認しておくと安心なポイント

    • 不安なことがあれば保健所へ確認
    • 広告掲載を任せる会社が知識のあるWeb会社かどうか確認

    それぞれ解説いたします。

    不安なことがあれば保健所へ確認

    医療広告ガイドラインを遵守できているか不安があれば、各地域の保健所に確認してみるのがおすすめです。

    仮に医療広告ガイドラインに違反する箇所があったとしても、どのように修正したら良いかまでアドバイスをもらえることもあります。

    また、医療広告ガイドラインとは別で各地域ごとに定められた広告掲載のルールもあるため、この点も確認できるのはメリットでしょう。

    全国_各都道府県/市区町村の保健所一覧|保健所管轄区域案内|厚生労働省

    広告掲載を任せる会社が知識のあるWeb会社かどうか確認

    本業が忙しいために、専門の会社にWeb広告をお任せしようとする歯科医師の方も多いでしょう。

    「専門の会社に任せれば安心」と思いがちですが、会社によって医療広告ガイドラインに対する知識には差があるため注意が必要です。

    なかには、医療広告ガイドラインについてほとんど知らない業者もいるので、事前に広告掲載を任せる会社が正しい知識をもった会社か確認しておくといいでしょう。

    その際に、医療広告ガイドラインに配慮した歯科広告の事例であったり、どのようなことに特に配慮していたりするのか、具体的に質問・確認してみることをおすすめします。

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    医療広告ガイドラインに配慮した歯科広告を依頼できる業者をお探しの際は、お気軽にエクスコアへお問い合わせください。
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    【まとめ】医療広告ガイドラインを正しく理解し適切な広告を掲載しよう

    医療広告ガイドラインを遵守することは、患者さんに正しい情報を伝える・歯科医院の信頼を保つうえで非常に重要です

    ただ、医療広告ガイドラインの内容は複雑で、適宜改正もおこなわれるため、常に把握して対策し続けるのは難しいとお考えの方も多いでしょう。

    そのような場合、医療広告ガイドラインを遵守し、歯科広告の運用実績が豊富な信頼できる会社にWeb広告を任せてみるのも良いでしょう。

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