「他サイトの情報を引用したいけど、SEOにどんな影響があるのだろう…」とお悩みではありませんか?
Webサイトの記事制作に携わっていると、他サイトの質の高い情報や調査結果を、自分の記事で引用したいと思うこともあるはずです。
しかし、他人の文章や画像を、まるで自分で作成したかのように使ってしまうのは、SEOだけでなく著作権の観点からも問題があります。
そこでこの記事では、正しい引用方法や引用のSEO効果について詳しく解説しました。
- 引用のSEO効果
- SEOの観点から正しい引用方法
- 著作権の観点から正しい引用方法
- ユーザビリティの観点から正しい引用方法
- 引用に関するよくある質問
ルールに則って適切に引用すれば、記事の信ぴょう性を高め、ユーザーの満足度も高めることができます。
サイト・ブログで文章を書いている方は、ぜひこの記事で「引用」の基本ルールを学んでおきましょう。
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目次
引用のSEO効果
結論からお伝えすると、「引用の有無」がダイレクトに順位に影響することはありません。
ただし、引用は「使い方」次第でSEOにプラスにもマイナスにもなりえます。
適切な引用は信頼性を高める
主張の裏付けとしての引用は、情報の信頼性を高め、ユーザーの満足度を高めます。
あなたも記事を読んでいて「これは〇〇だ。」という主張に対して、「どうしてそんなことが言えるの?」と疑問を抱いた経験があるのではないでしょうか?
そんなときに、執筆者個人の意見のみならず、根拠となる客観的なデータや公式情報が掲載されていると、より納得感が増すはずです。
ユーザーを満足させることは、最終的にSEO評価を高めます。
ページを評価するGoogleがユーザーファーストを理念として掲げているためです。
1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。…
また、昨今のGoogleは「E-A-T」を重要視するようになりました。
E-A-Tとは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の3要素のことで、GoogleがWebサイトを評価するときの指標の一つとなっています。
その分野の専門家の発言や、公的機関が発表しているデータを引用し、ソースをしっかりと明示すれば情報の信頼性が高められます。
結果としてSEOにも、良い効果が期待できるわけです。
独自の価値を提供しない引用はマイナス
他人の文章や画像を丸々コピーして、そのまま自分のサイトに掲載することはGoogleのガイドライン違反です。
参照:Google検索セントラル – 無断複製されたコンテンツ
これは「引用」ではなく「無断転載」に該当するので、法律上の問題に発展する恐れもあります。
全ての文章をコピーしていなくても、独自の価値がまったく提供されていないようなページがSEOにプラスに働くことはありません。
質問投稿サイト「reddit」における、GoogleのJohn Mueller氏の発言からも、このことが確認できます。
If it’s just a rehash of someone else’s content (quoting it) with no added value, then that doesn’t really leave a good impression, neither to Google, nor to users.
誰かのコンテンツの焼き直し(引用)で、何の付加価値もないものは、Googleにとっても、ユーザーにとっても、良い印象を与えません。
引用元:reddit – How can I quote content without it being labeled as duplicate
※日本語訳は、Deeple翻訳によるものです。
引用はあくまでも自身の主張をサポートするものとして理解しておくことが重要です。
では、具体的にどのような形式で引用すれば、適切な引用になるのでしょうか?
引用するときには、
- SEO
- 著作権
- ユーザービリティ
の3つの観点で正しい引用方法を覚えておく必要があります。
まずは、SEOの観点から正しい引用方法を解説します。
SEOの観点から正しい引用方法
SEOの観点では、次の2点を守って引用することが重要です。
- 引用タグ(blockquote)を使う
- 引用元のページはアンカーテキストで示す
それぞれ詳しく解説します。
1.引用タグ(blockquote)を使う
引用するときには、引用タグ(blockquote)を使用しましょう。
引用タグはHTMLタグの一つです。
HTMLはコンピュータでも理解できる言葉なので、引用タグを使うことで検索エンジンにも「この部分は引用です」と伝えることができます。
2015年にGoogleのJohn Mueller氏は、Googleが引用タグをシグナルとして使用することを否定していますが、現在どうなっているかはブラックボックスです。
参照元:YouTube – English Google Webmaster Central office-hours hangout
引用タグを使用してもデメリットはないので、SEOに取り組む方は引用タグで記述することをおすすめします。
<blockquote>
<p>引用したい文章を入力</p>
<cite>引用元:<a href="引用元のURLを入力">リンクとして表示したいテキストを入力</a></cite>
</blockquote>
2.引用元のページはアンカーテキストで示す
引用元のページは、アンカーテキストで示しましょう。
アンカーテキストとは、青色のリンクで表示される以下のような文字列をさします(リンクテキストとも呼ばれます)。
引用元を次のようにURLのみで記載してしまう方がいますが、これはNGです。
というのも、URLだけではユーザーも検索エンジンも、リンク先のページの内容を把握しづらいからです。
検索エンジン最適化スターターガイドでも、次のように記載されています。
リンク先のページの内容に関する基本的な情報がわかるアンカー テキストを作成してください。
SEOを意識するなら「わかりやすいテキスト」で引用元のリンクを貼るようにしましょう。
アンカーテキストのSEO効果や作成時のポイントについては、下記の記事で詳しくまとめています。
あわせてご確認ください。
アンカーテキストとは?SEOに与える影響や作成時のポイントを解説 -webma-
次の章では、著作権の観点から正しい引用方法について解説します。
著作権の観点から正しい引用方法
他人の著作物を引用するときには、「著作権法」で定められたルールを守る必要があります。
このルールを守っていなければ、正当な引用としては認められません。
「著作権侵害」として罰則を受ける可能性があります。
文化庁が引用の注意点として、以下の4つの項目をあげているので確認しておきましょう。
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
項目だけ見てもあまりピンとこないと思いますので、それぞれ詳しく解説します。
※この記事の執筆者は法律の専門家ではありません。ご自身でも上記の文化庁のサイトをチェックすることをおすすめします。
1.引用する必然性があること
簡単にいうと、「引用の目的」が正当か、ということです。
たとえば、単に「文章量を増やしたい」「画像がきれいだから使いたい」といった目的で引用をおこなってはいけません。
内容や説明と関係のない引用には、「必然性」はないと見なされます。
少し判断が難しい部分でもありますが、「そもそも引用しなければ説明できないのか」を考えたうえで引用することが重要です。
2.自分の著作物と引用部分とが区別されていること
自身の著作物がどこからどこまでで、他人の著作物はどこからどこまでなのか、ひと目でわかるようにする必要がある、ということです。
引用の境界を示す方法として、引用箇所にはよくカギカッコ(「」)や引用符(””)が用いられます。
先ほど説明したように、Webページではblockquoteタグを使えば、視覚的にも区別されるようになっているので問題ありません。
3.主従関係が明確であること
自身の著作物が「主」、引用は「従」でなければなりません。
ページの半分以上が他サイトからの引用であった場合、それは正当な主従関係とはいえないでしょう。
引用の「量」のみならず「質」(内容)に関しても同様です。
あくまでも自身の主張や考察がメインで、それを裏付ける「サポート役」として引用を用いる必要があります。
4.出所の明示がなされていること
引用元を示さずに引用することは、ルール違反です。
必ず「どこから引用した情報なのか」を示しましょう。
引用元がWebページの場合、ページタイトルやサイト名と一緒にリンクも掲載してください。
以上が、著作権の観点から正しい引用方法でした。
次の章では、ユーザービリティの観点から好ましい引用方法を見ていきます。
ユーザビリティの観点から正しい引用方法
この章でいう「ユーザビリティ」は、ユーザーにとって「有益」であることを意味します。
ユーザビリティの観点から正しい引用方法は、次の2つです。
- 信頼できる情報を引用する
- 1次情報を引用する
それぞれ解説します。
1.信頼できる情報を引用する
引用元の情報が信頼できるものでなければ、引用は効果的とはいえません。
信頼性の低い情報を根拠にしても、ユーザーは納得できないからです。
できるだけ信頼できる情報源を探すようにしましょう。
たとえば、個人のブログよりは企業のブログ、企業のブログよりは政府や公的機関の発表している情報の方が信ぴょう性がありますよね。
また、Webページの情報よりも、書籍や論文として公開されている情報の方が信頼できる、と考える人は多いでしょう。
信頼性の高い調査や論文は、以下のようなサイトを使って調査できます(一例です)。
Web上で論文や資料を探す方法には、Googleで「filetype:pdf キーワード」と入力して検索する方法もあります。
この方法で検索すると、キーワードに関連する「PDF」資料に絞って探せるので、ぜひ活用してみてください。
2.1次情報を引用する
引用するときによくある間違いが、他サイトに「引用」として掲載されている情報をそのまま引用元にしてしまうことです。
このように原典(オリジナル情報)を調べることなく、そのまま引用してしまうことを「孫引き」と呼びます。
他サイトで引用として掲載されている文章は、改変されている可能性があります。
信頼性に欠けるので、必ず原典を確認し、そこから引用するようにしましょう。
そうすることで、ユーザーも1次情報にすぐアクセスできます。
引用に関するよくある質問
この章では、引用に関してよくある4つの質問にお答えします。
- 1記事内で何回までなら引用していい?
- 引用以外の箇所で引用タグを使用してもいい?
- 引用元に許可をとる必要はある?
- 他サイトの情報を参考に自分で文章をまとめた場合はどうすればいい?
1.1記事内で何回までなら引用していい?
「1記事内で引用は〇回まで」という明確な基準は存在しません。
しかし、すでに説明したように、引用が「主」のコンテンツは著作権侵害に当たる可能性があります。
SEOの観点からも、引用ばかりのコンテンツは、オリジナルな要素が不足していると見なされるのでマイナスです。
引用がメインにならないように気をつけましょう。
2.引用以外の箇所で引用タグを使用してもいい?
引用以外の箇所で「引用タグ」を使用するのは、おすすめできません。
引用ではないのに「引用タグ」を使用することで、検索エンジンに「このページはオリジナル要素が少ない」と見なされ、SEOにマイナスに働く可能性もあるからです。
「目立たせるために」引用タグを使っている方がいますが、装飾はCSSなど他の方法で記述するのが適切です。
3.引用元に許可を取る必要はある?
著作権のルールを守った引用であれば、引用元に許可をとる必要はありません。
ただし、「転載」(他サイトに記載されているものを、そのまま別のサイトで公開する。複製。)をおこなう場合には必ず引用元の許可が必要です。
4.他サイトの情報を参考に自分で文章をまとめた場合はどうすればいい?
この場合は、「参照」や「参考」と記載しておくと良いでしょう。
- 引用:他人の文章や図表などの一部を抜粋し、そのまま掲載すること
- 参照:他人の文章や図表、データと照らし合わせること
- 参考:他人の文章や図表などをヒントにして、自分の考えを深めること
引用されるコンテンツはSEOに強い
ここまでに紹介した「引用する」方法も重要ですが、SEOにおいては「引用される」ことも重要です。
SEOでは「被リンク」がページを評価するときの指標の一つとなっているからです。
被リンクとは、他サイトに設置された自サイトへのリンクを指します。
Googleは「良質な論文なら他の論文でも引用される」という学術論文の考え方をベースとしています。
そのため「良いコンテンツであれば、他のサイトでもたくさん引用されるだろう」と考え、被リンクを重視しているのです。
引用される「良質なコンテンツ」を増やせると、順位にも良い影響が期待できるでしょう。
被リンクについては、当サイトの別記事で解説しています。
詳しく知りたい方は、下記のページをお読みください。
被リンクとは?SEOとの関係性と被リンクの増やし方を解説
引用されるような「良質なコンテンツ」の作成方法は、下記の記事で解説しています。
【これで解決】コンテンツSEOとは?検索上位を狙える記事作成のノウハウを大公開。Googleの評価基準も解説
【まとめ】引用は正しくおこなうことが重要
引用は正しくおこなってはじめて、SEOにプラスの効果が期待できます。
今回ご紹介したルールをそれぞれ守ったうえで、他サイトの情報を引用するようにしてください。
- 引用タグ(blockquote)を使う
- 引用元のページはアンカーテキストで示す
- 引用する必然性があること
- 自分の著作物と引用部分とが区別されていること
- 主従関係が明確であること
- 出所の明示がなされていること
- 信頼できる情報を引用する
- 1次情報を引用する