リスティング広告は、さまざまな業種のWeb集客に効果的です。
しかし、実はリスティング広告にも不向きな業種があることをご存知ですか?
もしあなたが「自社の事業にリスティング広告が向いているか」を知らずにリスティング広告を利用しようとしているのなら、広告を出す前にこの記事をご一読ください。
あなたの会社の事業がリスティング広告に向いていない場合は、広告費が無駄になってしまうかもしれません。
また、業種によってはリスティング広告を利用できない場合もあります。
そこで、この記事では以下3点について詳しく解説します。
- リスティング広告が向いている業種
- リスティング広告が不向きな業種
- そもそもリスティング広告を利用できない業種
さらに、リスティング広告に不向きな業種や、利用できない業種におすすめな広告も紹介しています。
Webからの集客を成功させたいWeb担当の方は、ぜひ参考にしてください。
リスティング広告については当サイトの別記事で詳しく解説しています。
リスティング広告を基礎から理解したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
リスティング広告がおすすめな業種の3つの特徴
リスティング広告がおすすめな業種には3つの特徴があります。
あなたの会社が該当するか、一度確認してみましょう。
- 競合が少ない
- 特殊でニッチ・緊急性が高い
- SEOでの上位表示が難しい
このような業種の場合は、リスティング広告がおすすめです。
3つの特徴について詳しく解説します。
リスティング広告がおすすめな業種1.
競合が少ない
リスティング広告を運用している競合他社が少ない業種は、CPC(クリック単価)が安くなりやすいためリスティング広告がおすすめです。
リスティング広告はオークション形式でCPCが決まる広告です。
そのため、競合の多い業種はリスティング広告のCPCが高くなる傾向があります。
たとえば、競合がとても多いクレジットカード業のキーワードであれば、クリック単価が3,000円以上になることもあるのです。
反対に『競合が少ない業種』『リスティング広告に参入している競合が少ない業種』はCPCが安くなる傾向があります。
下記のような業種は競合が少なく、クレジットカードと比べるとクリック単価が安くなりやすいです。
- 不動産(250〜270円)
- 歯科医(127〜137円)
- ブライダル(152〜219円)
- 美容整形(193〜397円)
とはいえ、リスティング広告に参入している競合が増えると、CPCも高くなる可能性があることは覚えておきましょう。
判断基準としては、「商材の価格や利益率との兼ね合いでクリック単価が安いと判断できるか」です。
このような場合には、リスティング広告が効果的です。
リスティング広告がおすすめな業種2.
特殊でニッチ・緊急性が高い
ニッチな業種や緊急性が高い業種はCVR(成約率)が高くなりやすい傾向があるため、リスティング広告がおすすめです。
これは、顕在ユーザーに対して訴求できるリスティング広告と、緊急性が高い業種の相性が良いからです。
この記事を読んでいるあなたも、このような経験があるのではないでしょうか?
「自宅の前で自宅の鍵を無くしていることに気づいた」
「深夜に自宅の水道が急に漏れ始めた」
このような状態のユーザーは「鍵 なくした」「水漏れ 24時間」などのキーワードで検索し、リスティング広告をクリックしてサービスを利用するケースが非常に多いです。
なぜなら、リスティング広告は検索エンジンに表示されるため、ユーザーは「検索キーワード」をすでに知っている状態であり、今すぐサービスを求めているユーザーに対して訴求ができるからです。
特殊な業界やニッチな業界は検索ユーザーが少ないですが、検索ユーザーは検索キーワードに関するサービスや商品を求めている顕在ユーザーです。
そのため、CVRが高くなりやすいのです。
特殊な業種やニッチな業種、緊急性の高い業種には、次のような業種が当てはまります。
- 縫製工場
- 特殊清掃
- 船舶免許
- キャンピングカーレンタル
- 鍵修理
- 水道修理
- 害虫駆除
- その他
もしあなたの業種が『ニッチ』『特殊』『緊急性が高い』のいずれかに当てはまる場合は、リスティング広告で効果を得られやすいです。
リスティング広告がおすすめな業種3.
SEOでの上位表示が難しい業種
SEOで上位表示が難しい業種にも、リスティング広告はおすすめです。
理由は2つあります。
- リスティング広告はSEOコンテンツよりも表示位置をコントロールしやすい
- SEOでの上位表示が難しい業種では莫大なコストがかかる可能性がある
SEO対策はキーワードや業種によっては、大手企業のSEOコンテンツが上位を占めており、上位表示が絶望的なケースもあります。
しかし、リスティング広告を利用すると、SEOコンテンツが表示される枠よりも上部の枠に広告を表示できます。
たとえば、健康食品や金融などの業種は、大手企業のWebページがSEOの上位を占めており、新規参入してもSEOでの上位表示は難しいです。
仮に健康食品や金融など、SEOの競争が激しい業種でSEOでの上位表示にチャレンジしても、莫大な時間とコストがかかってしまう可能性があります。
そのコストを考えると、リスティング広告を出稿した方がコストパフォーマンスが良い可能性が高いです。
また、そもそもSEO施策に取り組めない企業にも、リスティング広告はおすすめでしょう。
SEOは長期的な施策なので、ある程度の予算がなければ施策を成功させる前に、予算が尽きてしまう可能性もあります。
対して、リスティング広告は短期的な施策であり、広告の割に費用も安価なので取り組みやすい施策です。
そのため、SEO対策の予算が組めない企業にもリスティング広告がおすすめなのです。
ただし、業種によってはリスティング広告が向いていないため、そもそもリスティング広告を利用しない方が良い業種もあります。
リスティング広告とSEOの違いについては、当サイトの別記事で詳しく解説しています。
リスティング広告とSEOのどちらに取り組むか悩んでいる経営者の方や、自社にどちらの施策が向いているか知りたいWeb担当者の方はぜひ参考にしてください。
リスティング広告とSEOの違いとは?仕組みや特徴、選び方を解説 -webma-
リスティング広告が向いていない業種
リスティング広告は万能ではないため、向いていない業種もあります。
あなたの業種が次の3つの条件にいずれかに当てはまる場合は、リスティング広告の導入をおすすめしません。
- そもそも検索されない業種
- 検索はされるがWeb上でCVが設定できない業種
- 検索もCVされるが客単価と利益率が悪い業種
それぞれ詳しく解説します。
リスティング広告が向いていない業種1.
そもそも検索されない業種
そもそも検索エンジンで検索されない業種はリスティング広告に向いていません。
リスティング広告は検索エンジンを利用するユーザーに表示される広告なので、検索されないと広告を出稿する意味がないのです。
検索されない業種とは、次のようなものが該当します。
- 新しく生まれた業種
- 特定の人しか名乗っていない業種
- 他社と差別化するために名付けたオリジナルの業種
このように、世の中に認知されていない業種は検索することすらできません。
そのため、検索されない業種はリスティング広告は向いていないのです。
もしあなたが「上記の業種に該当するかもしれない」と感じたのであれば、あなたの業種を検索エンジンで検索してみてください。
あなたが運営するWebページ以外に該当するWebページがなければ、その業種はリスティング広告には不向きということです。
ただし、これは認知されている業種でも注意が必要です。
認知されている業種でも、そもそも検索ボリュームが少ないキーワードでリスティング広告を利用しても意味がありません。
さらに、検索ボリュームが少ないキーワードや競合が入札していないキーワードは、広告枠自体がないケースもあります。
そのため、リスティング広告を利用する前には以下の確認をしましょう。
- ご自身の業種が認知されているか
- リスティング広告を出稿しようと考えているキーワードが検索されているか
- 他社がリスティング広告を出稿しているか
リスティング広告はクリック課金型のため、検索されて広告クリックされるまで費用は発生しないため、検索されない場合は費用も発生しません。
しかし、取り組んだ時間や人件費が無駄になってしまう可能性があるため、上記の確認は必ず行いましょう。
というように、そもそも検索されない業種には、リスティング広告は適していません。
リスティング広告が向いていない業種2.
検索はされるがWeb上でCVが設定できない業種
検索はされてもWeb上でCV(成約)が設定できない業種も、リスティング広告には不向きです。
CVが設定できないということは、Web施策のゴールを作ることができません。
Web集客の目的は基本的に見込み客の獲得です。
つまり、リスティング広告を利用して、売上や問い合わせなどのCVにより、見込み客の情報を獲得できない業種はリスティング広告を出稿する意味がないのです。
また、CVがなければ広告効果の測定もできません。
広告効果がわからなければ、リスティング広告への投資が有効だったのか判断できないのです。
リスティング広告をはじめとした、Web広告の最大の強みは広告効果を測定し改善することで、広告効果を最大化できる点です。
つまり、CVを設定できない業種では、広告効果を最大化することができないため、リスティング広告には向いていないのです。
たとえば、通信教育の場合、資料請求がCVであることが一般的でしょう。
対して、ウェブ上で購入ページのないハンバーガーチェーンがリスティング広告を出しても効果的ではありません。
なぜなら、CV地点がなければ効果測定ができず、見込み顧客の流入や購入に至ったユーザーを把握できないからです。
業種によってはWeb上でのCVを設定できず、リスティング広告を使う意味がないケースもあるため、ご自身の業種がWeb上にCVを設定できるか確認しましょう。
リスティング広告が向いていない業種3.
検索もCVもされるが客単価と利益率が悪い業種
検索もCVもされる業種であっても、リスティング広告が向いていない場合があります。
それは、『客単価』もしくは『利益率』が悪い業種です。
客単価と利益率が悪い業種の場合、広告費が利益を上回ってしまいます。
つまり、リスティング広告で商品・サービスが売れたとしても、赤字になってしまう業種はリスティング広告の利用をおすすめしません。
たとえば『分譲マンション』の販売店がリスティング広告を利用する場合。
分譲マンションであれば、客単価・利益率ともに申し分ないでしょう。
客単価は数千万円ほどで、利益率も15%程度だと一般的には言われています。
仮に2,000万円の分譲マンションが購入された場合、2,000万円x0.15で、客単価は300万円です。
この場合は、リスティング広告を利用しても利益は十分にあるでしょう。
対して、『洋菓子』の販売店の場合、リスティング広告を利用して利益を出すことは難しいでしょう。
洋菓子の客単価は高くても数千円、利益率は5%から10%と一般的に言われています。
3,000円のケーキが1つ売れたとし、利益率が10%だとすると利益は300円です。
これではリスティング広告の費用と利益の折り合いをつけるのは難しいでしょう。
仮に利益率が良くても、100円の商品をリスティング広告で売ったとしても、利益を産むことはできません。
つまり、薄利多売の業種とリスティング広告は相性が悪いということです。
もしあなたの業種が客単価と利益率が業種なのであれば、リスティング広告はおすすめできません。
もしリスティング広告との相性が良くないビジネスなら、他のWeb集客施策を考えることが重要です。
下記の記事にてSEOとMEOそれぞれに向いている業種についてもご紹介していますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
SEOに合う業種・合わない業種とは?特徴や成功させるポイントを紹介 -webma-
MEOが向いている業種8選|判断基準についても解説 -webma-
【注意】そもそもリスティング広告が掲載できない業種もある
また、そもそもリスティング広告を掲載できない業種もあります。
表現や商品が不適切ではないと判断される場合は、広告の利用ができないからです。
日本の検索エンジンシェアはGoogleとYahoo!が90%以上を占めています。
(引用:StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share Japan)
そのため、Google広告とYahoo!広告の利用規約から、リスティング広告を利用できない業種を紹介します。
Google広告で掲載できない業種
Google広告で掲載できない業種は、『Googleの広告掲載ポリシー』に定められています。
具体的には、以下のようなものを取り扱っている業種は、Google広告を利用できません。
- 偽造品(偽のブランドバッグやレプリカなど)
- 危険な商品やサービス(エアソフトガンやドラッグ、刃物やたばこなど)
- 不正行為を可能にする商品やサービス(偽造文書作成や受験代行、代筆や通信傍受)
- 不適切なコンテンツ(集団や個人を差別している、暴力的であるなど)
というように、反社会的な活動につながるものは掲載できないようになっています。
その他詳しくは、Google広告ポリシーヘルプを参照してください。
Yahoo!広告で掲載できない業種
Yahoo!にも、掲載できないものがあります。
『Yahoo!広告掲載基準』によって定められています。
たとえば以下のようなものが、『掲載できない広告』とされています。
- 性的な商品、サービス
- 児童ポルノを連想させるもの
- 売春や援助交際のあっせんを正当化、推奨するもの
- 国内で承認されていない医薬品
- 脱法ドラッグ、合法ハーブなどと称されるもの
- 偽ブランド品など、ブランド商品の模倣品、偽造品
- 銃弾や弾薬、刀剣や催涙スプレーなど、武器として使われるもの
- 無限連鎖講(ねずみ講)へ勧誘、紹介するもの
- 連鎖販売取引(マルチレベルマーケティング)へ勧誘、紹介するもの
- 超小型カメラなど、違法な盗聴、盗撮を目的とするもの
- クレジットカードのショッピング枠現金化サービス
- たばこ、電子たばこ
やはりGoogle広告と同じく、反社会的なものは基本的に『掲載できない広告』として扱われています。
詳しくは「Yahoo!広告ヘルプ:広告掲載基準」を参照してください。
【まとめ】自社に合った施策で売上を改善しよう
リスティング広告は、Web集客における定番であり、効果の高い人気の施策です。
しかし、全業種において有効なわけではありません。
リスティング広告にもおすすめな業種・おすすめできない業種が存在します。
リスティング広告と相性の良い業種であれば、他の広告と比べて低予算で広告効果を得られる可能性もあります。
しかし、リスティング広告との相性が悪い業種の場合、費用対効果は合わず利益を得ることは難しいでしょう。
とはいえ、リスティング広告はあくまでもWeb集客の1つの手法にすぎません。
自社の商材・戦略・ビジネスモデルに合わせて適切な施策を選び、取り組むことがもっとも大切です。
仮にリスティング広告が向いていない場合でも、他の手法でWeb集客を成功させ、売上を改善することは可能です。
まずはWeb集客の手法を知って、自社にあった施策を選択できるようにしましょう。