「CTRは高いのにCVRがまったく上がらない」という悩みを持つ広告運用担当者は多いのではないでしょうか。
LPへの流入数は増えているのに、肝心のCVが取れないと、
「どこを変更すれば成果を出せるのかな…….」
「予算を増額した方が良いのかな……」
そう思う方は少なくないはずです。
しかし、やみくもな施策をおこなったり、予算の増額をすることはかえって成果を下げることにもなりかねません。
そこで今回は、CVRが低いときによくある原因やCVRを高める方法を解説します。
- 「CTR」と「CVR」の基本
- CTRが高いのにCVRが低い理由
- CVRを改善するための具体例6選
- 成功事例
この記事を読むことで、CVRの効果的な改善の仕方を理解でき、グッとコンバージョン数を増やすことができます。
広告運用においてCVRの改善を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
「CTR」と「CVR」の基本をおさらい
すでにご存じの方が多いと思いますが、最初に「CTR」「CVR」の定義をそれぞれ簡単におさらいしておきます。
CTRとは?
CTRとは「Click Through Rate」の略で、「クリック率」を意味する用語です。
ユーザーに広告が表示された回数のうち、クリックされた回数の割合を示す指標です。
CTRは、「クリック数 ÷ 表示回数(インプレッション数)× 100」で計算できます。
CVRとは?
CVRとは、「Conversion Rate」の略で、「コンバージョン率」を意味する用語です。
広告リンクのクリック総数のうち、何割がCV(商品の購入や資料ダウンロード、お問い合わせ電話などの成果)に至ったかの割合を示す指標です。
CVRは「CV数 ÷ LPの訪問者数 × 100」で計算できます。
CTRが高いのにCVRが低いのはなぜ?
CTRが高いのにCVRが低い理由は、ひとことで言えば、コンバージョンまでの道筋に何か問題が発生しているということです。
具体的には、以下の7つが原因になっている可能性が高いです。
- コンバージョンまでの導線設計が不十分
- 一貫性のあるコンテンツを作れていない
- UIやUXを考えられていない
- LPの表示スピードが遅い
- 広告配信しているターゲットにズレがある
- ユーザーが必要とするコンテンツがない
- コンバージョンのハードルが高すぎる
それぞれ詳しく解説します。
1.コンバージョンまでの導線設計が不十分
コンバージョンまでの導線設計が不十分なサイトでは、CVRが低下することがあるでしょう。
たとえば、広告文では「お風呂のリフォーム」が訴求されているのに、リンク先が会社ホームページのTOPになっているような場合です。
これでは、せっかくユーザーをリンク先に誘導できても、お風呂リフォームの情報がどこにあるかを自分で探してもらわなくてはなりません。
情報を探す際に何度もページを開いたり、閉じたりしなければ求めている情報に辿り着けないLP(ランディングページ)は、離脱率が高まります。
離脱をしたページ、もしくはコンテンツを確認したい場合は、Googleアナリティクスやヒートマップを用いて調査ができます。
離脱した要因を特定し、導線の改善を図ることが大切です。
2.一貫性のあるコンテンツを作れていない
一つ目の導線設計の話と類似しますが、広告と遷移先LPの情報に一貫性がないとユーザーの離脱率は上がります。
仮に広告でユーザーの興味を惹けたとしても、「思っていた内容と違う」「求めていたものじゃなかった」と登録には至らないケースが多くなるでしょう。
たとえば、広告では「期間限定特典」が打ち出されていたのに、実際にLPを見てみたら、そのようなオファーが掲載されていない、というようなケースです。
また、上記では「広告からLPの一貫性」の例を出しましたが、リスティング広告では「キーワードから広告の一貫性」も重要です。
キーワード → 広告 → LPと遷移していくなかで、どこかでユーザーとの認識のズレが生じるとCVRが下がってしまいます。
3.UIやUXを考えられていない
UIはサービスの「見た目」に関わり、ユーザーの目に直接触れる部分になります。
一方でUXは、サービスを利用する際の全体的な「体験」に関わります。
どんなにユーザーにとって魅力的な情報やサービスだったとしても、LPが構造上見にくかったり、機能として扱いづらければCVRは下がるでしょう。
UIの視覚的魅力とUXの機能性を持ち合わせた、ユーザーが扱いやすいLPを意識して作成しましょう。
4.LPの表示スピードが遅い
LPの表示スピードが遅いのもCVRが上がらない要因の1つです。
ユーザーはより早く情報を入手したり、商品やサービスの購入、お問い合わせなどの行動を起こしたいと考えています。
皆さんも一度はサイトの表示が遅く、別のサイトに移ったことはあるのではないでしょうか。
LPの表示スピードは、画像、HTML、CSS、JavaScriptなどの量や記述方法に依存する部分があります。
そのためLPやホームページ内の整理をおこない、画像などが表示スピードを遅くさせていないか確認することを推奨します。
5.広告配信しているターゲットにズレがある
広告配信のターゲットにズレがある場合、商品やサービスにまったく興味関心のないユーザーに対しても、広告が表示されてしまいます。
たとえば、東京都内に店舗を構える整骨院が、福岡在住のユーザーにキャンペーンの広告を配信しても、クリックだけ増えてコンバージョンにつながらないという事態になりかねません。
無駄なクリックや広告表示を最小限に抑えるには、その商品やサービスを求めているユーザーに対して配信をおこなえるようなターゲティングが重要になります。
ターゲットとする層や地域、KWを決定し、対象者に向けて正確に発信できるよう心がけましょう。
6.ユーザーが必要とするコンテンツがない
ユーザーが求めるコンテンツがLPに含めれていないとCVRは下がってしまいます。
料金・利用の流れ・実績など、その商品やサービスを検討する際に大事な情報が欠けていれば、当然ですがコンバージョンには至りません。
出稿しているキーワードや広告文とLPが関連しているか、またそれに対して有益な情報やサービスを発信できているかという観点が必要です。
また、ページに遷移した直後に目に入る「ファーストビュー」が、自分にとって必要か否かを判断する要素となります。
広告文とLPのファーストビューの関連性が低かったり、パッと見て魅力的なページに見えないと離脱されてしまいます。
7.コンバージョンのハードルが高すぎる
コンバージョンのハードルが高すぎる場合もCVRは落ちる傾向にあります。
たとえば、BtoCビジネスにおいて、高額の商品を売ろうとしているケースなどが挙げられるでしょう。
以下のような場合、コンバージョンのハードルが高すぎます。
- 車の購入
- 海外旅行プランの申し込み
- 結婚式プランの申し込み
上記のようにコンバージョンのハードルが高い場合は資料請求や問い合わせ、電話などにコンバージョンを置き換えて、アクションのハードルを下げましょう。
適切なコンバージョンを設定しなければ成果にはつながりませんし、分析や検証の材料も取れなくなってしまいます。
CVRを改善するための具体例6選
CVRを改善するためには、コンバージョンまでの道筋を明確にし、スムーズにCV地点まで到達できるような設計をする必要があります。
具体的には、以下の6つがポイントです。
- CTAボタンを適切に設置する
- LPのペルソナを明確にする
- 入力フォームを改善する
- LPの表示スピードの改善する
- 広告とLPの親和性を高める
- 広告のターゲティング設定をする
それぞれ詳しく解説します。
1.CTAボタンを適切に設置する
ユーザーに取ってほしい行動を明確に示すことで、CVRが改善する可能性があります。
特に重要なのが、CTAボタンの設置です。
CTAボタンとは「Call To Action」の略であり、「行動喚起」の意味を持ちます。
CTAボタンはLP内に複数設置することで、コンバージョンの機会を増やす役割を持っています。
ユーザーのニーズに合わせた関連性の高いCTAボタンを配置することを意識しましょう。
CTAボタンは数・配置場所・文言・色などを変更することで、ABテストをおこなうことが可能です。
また、CTAボタンの配置場所として代表的なのは以下の4つです。
- ヘッダー
- フッター
- ファーストビュー
- コンテンツの中間地点
注意点として、数を増やしすぎるとユーザーの混乱を招いてしまうので、数の増やしすぎはやめましょう。
2.LPのペルソナを明確にする
ペルソナは性格やライフスタイルなどを含めた、一人のユーザー像を指します。
ペルソンを設定することで、具体的な訴求ポイントや必要なコンテンツを検討しやすくなるメリットがあります。
ペルソナ設定では、自社の商材へのニーズを持った顧客はどのような人なのかをまとめることが大切です。
市場調査や顧客分析をおこない、市場の動向による顧客の行動やユーザーの価値観を採り入れることを欠かさないようにしましょう。
3.入力フォームを改善する
コンバージョンに達するまでの使い勝手を向上させる場合、入力フォームの操作がスムーズか否かは、非常に重要なポイントです。
スムーズに入力できなかったり、エラーが頻繁に発生してしまうフォームは、ユーザーに大きなストレスを与える可能性があります。
たとえば、次のようにフォームの設計を改善することで、入力エラーを減らし送信率を高めることが可能です。
- 入力項目は必要最低限にする
- 入力画面はスクロールしなくても見える長さにする
- 必須項目を明記する
- 入力例を入れる
- 半角・全角、ハイフンに対応する
- リセットボタンは送信ボタンから離れた場所に配置する
- 入力欄の文字種に合わせて最適なキーボードに自動切替する
- 必須項目がすべて入力されるまで送信できないようにする
- アイコンを追加する
もしエラーが発生した場合には、その表示のわかりやすさも離脱を左右する要因です。
エラー表示を改善するには、次のような方法があります。
- エラーメッセージを目立たせる
- エラーメッセージを分かりやすくする
- エラーメッセージを入力欄のそばに表示する
- 色を使ってエラーになっている欄と通常の入力欄を区別する
4.LPの表示スピードの改善する
広告LPでは表示スピードの数秒の差で、機会損失が生まれてしまう可能性があります。
ページ表示速度が遅くなる原因として、ブラウザ上で動いているプログラムの動作や外部からのファイルの読み込み、また、画像サイズなどが影響しています。
自社のLPの表示スピードを計測する際は Google PageSpeed Insughts のようなツールを用いて計測可能です。
ページの表示速度を改善するには、下記のような方法が考えられるでしょう。
- 画像のファイルサイズを最適化する
- 動画のファイルサイズを最適化する
- 遅延ロードを実装する
- ブラウザキャッシュを活用する
- フォント読み込みの高速化
5.広告とLPの親和性を高める
広告とLPの関連性は、コンバージョンに大きな影響を与えます。
LPを評価する指標はさまざまありますが、Google広告の品質スコアの評価の1つである「ランディングページの利便性」は有効な指標の1つになるでしょう。
LPの利便性は、ユーザーにとってのページの関連性や操作性の高さを表す指標です。
参考:ランディング ページとは – Google 広告 ヘルプ
LPの利便性を高めるには、以下のような方法があります。
- スマホやタブレットでも操作性が落ちないようにする
- ページのタイトルや見出しに広告と関連性の高いキーワードを入れる
- 関連性の高いオリジナルコンテンツを入れる
6.広告のターゲティング設定をする
広告のターゲティングをおこなう場合、どういったユーザーや媒体に広告を配信するかなどの条件を選択することで、最もコンバージョンに近いユーザーに配信できます。
ターゲティングの条件には、年齢、性別、住所、LPの訪問履歴など、複数のユーザー属性があります。
ターゲティングにおいては、自社の商品やサービスに対して興味・関心を持っているような特定のユーザーに絞って広告配信をすることが可能です。
正確に設定しておくことで、資料請求やお問い合わせ、商品購入といったCVにつながる配信がおこなえるでしょう。
Google広告では、たとえば下記のような条件によるターゲティングが可能です。
- 詳しいユーザー属性
- アフィニティセグメント
- カスタムセグメント
- 購買意向の強いセグメント
- ライフイベント(セグメント)
- データセグメント(旧称リマーケティング)
- トピック
- プレースメント
- コンテンツキーワード
- 曜日・時間帯
- 地域
- デバイス
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【まとめ】CVRを高めるにはターゲティングと質の高いコンテンツが必要
CVRを高めるためには、適切なターゲティングと質の高いLPが必要です。
まずはコンバージョンまでの導線を明確にし、どのような特性を持ったユーザーに向けた広告なのか示す必要があります。
最適な広告を配信できるよう、定期的に広告文やアセット、またLPの見直しをおこなうように心がけましょう。
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ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
2020年に大学を卒業した後、1年半カナダのバンクーバーで語学留学を行う。2022年にエクスコアに新卒として入社。1、2年目はリスティング広告やMEOなどの新規営業に従事。3年目からはWeb広告の運用者として、運用業務に奮闘中。