関連記事とは、言葉どおり、関連性の高い記事コンテンツのことを指します。
ブログ記事やニュース記事の読み終わりに、関連記事が置かれているサイトも多く、気になる記事をついクリックしてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか?
Web担当者が「関連記事を自社サイトに表示させたい」と思ったとき、把握しておきたいのがそのメリットやSEOへの影響、設置方法などです。
そこでこの記事では、関連記事について以下のような内容をまとめました。
- 関連記事とは
- 関連記事のSEO効果
- 関連記事を設置するメリット
- 関連記事の代表的な設置場所
- WordPressで関連記事を表示させる方法
- 関連記事の設置におけるポイント
関連記事セクションを設置することで、サイト訪問者だけでなく、サイト運営者側もさまざまなメリットを得られます。
「関連記事をうまく活用して、訪問者により良い体験を提供したい」という方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。
目次
関連記事とは
関連記事とは、ある記事と関連性の高い記事群のことを指します。
ブログやニュースサイトでは、記事の下部に「関連記事」「あわせて読みたい」「おすすめ記事」などの文言とともに、関連記事セクションが設けられていることが多いです。
当サイト『Webma』でも、以下の画像のように関連記事を設置しています。
関連記事の表示機能は、『Yahoo!ニュース』のような大手ニュースサイトから、企業のオウンドメディアや個人ブログまで、多くの記事型サイトで導入されています。
関連記事の表示はSEOに影響するのか
関連記事セクションは、間接的にSEOに影響する可能性があります。
その理由について、以下の2つの観点からそれぞれ解説します。
- ユーザー行動の改善
- 検索エンジンの理解促進
ユーザー行動の改善
関連記事がある場合とない場合では、サイト内でのユーザー行動が変わってきます。
関連記事がある場合、ユーザーは興味のある記事をかんたんに見つけることができ、1ページだけでなく複数のページを閲覧する可能性が高くなります。
複数記事をスムーズに閲覧できる状態は、利便性が高いというだけではありません。
ユーザーが複数記事を見た結果として、滞在時間が伸びたり、検索行動がサイト内で完了したりするという、SEOにおいて理想的なユーザー行動にも直結しやすいのです。
ユーザー行動が直接ランキングに影響するかについて、Googleは明言していません。
しかし、Googleがユーザー行動データを匿名化し、機械学習を通じて検索結果に反映することは各文書からすでにわかっていることです。
参考:Google検索アルゴリズムの魔法 – ユーザー行動のSEO効果
関連記事を設置したあと、良いユーザー行動が増えれば、間接的にSEOにも良い影響が出る可能性があります。
検索エンジンの理解促進
関連記事を結ぶリンクは、SEOで重要な役割を持つ「内部リンク」の一つです。
内部リンクは、検索エンジンがWeb上で新規ページを発見する経路であると同時に、ページの関連性を検索エンジンに伝える役割を持っています。
つまり、関連する記事同士が適切にリンクでつながっていると、Googleにも記事が互いに関連していることを理解してもらいやすくなるのです。
特定テーマの記事が多いサイトでは、関連記事リンクがあることで、そのテーマへの専門性やコンテンツ充実度も示せるでしょう。
このように、検索エンジンの理解促進という意味でも関連記事は役立ちます。
内部リンクのSEO効果について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【内部リンクの教科書】SEO効果と最適化の5つのポイント -webma-
関連記事セクションを設置すべき?【3つのメリット】
記事型のサイトを運営しているなら、基本的には関連記事セクションを設置するのがおすすめです。
関連記事の設置は、訪問者にとってもサイト運営者にとってもWin-Win な施策だからです。
ここでは具体的な3つのメリットをご紹介します。
- 回遊率が高まり、滞在時間が伸びる
- ユーザーの満足度が高まる
- 他記事のPVが増える
1.回遊率が高まり、滞在時間が伸びる
大きなメリットの一つが、サイト内回遊率が高まり、滞在時間が伸びることです。
関連記事セクションがあることによって、ユーザーは自分の関心のある記事を見つけやすくなり、次々と記事をたどることが可能になります。
実際にAhrefs社の調査では、関連記事セクションがあるほうが、1訪問あたりのPV数が多く、滞在時間も長かったというデータが示されています。
参考:Does Adding a Related Post Section Help Your Blog? We Tested It – ahrefs blog
滞在時間が伸びれば、前述したSEOへの影響はもちろん、認知面やコンバージョンの面でも良い影響が期待できるでしょう。
ユーザーと長く接していることで、会社や商品・サービスを認知してもらえる可能性が上がります。
2.ユーザーの満足度が高まる
ユーザー満足度が高まることも、関連記事を設置するメリットの一つでしょう。
通常、記事のボリューム感や軸をブレさせないという観点から、1記事に全ユーザーが欲しい情報を漏れなくまとめることは不可能です。
そのため、記事を読んでいる最中や読み終わった後に、「この内容についてもっと知りたい」「これって具体的にどういうこと?」といった疑問を抱くユーザーもいます。
こうしたポイントに関連記事があれば、不足している情報を補完できます。
その結果として、テーマに関連した別の疑問を解決できたり、より詳しい情報を得られたりと、ユーザー満足度の向上が見込めるというわけです。
3.他記事のPVが増える
他の記事のPV数(閲覧数)が増える効果も期待できます。
あまり意識していない方も多いと思いますが、関連記事も「記事への入口」の一つです。
過去に作成したコンテンツは時間とともに露出が減ったり、あるいは、競合サイトが強すぎて検索流入がほとんどなかったりすることもしばしばあります。
いくら良い記事だとしても、ユーザーの目に触れる機会が少なければ、拡散されることもコンバージョンにつながることもありません。
こうした記事への流入を一定数確保するという意味でも、関連記事セクションの設置には大きなメリットがあるのです。
関連記事の代表的な設置場所
関連記事の設置によって、ユーザーの利便性を妨げてしまっては本末転倒です。
関連記事は、ユーザーにストレスを感じさせず、自然に興味を持ってもらえる場所に設置する必要があります。
代表的な設置場所は以下の2つです。
- 記事末尾
- 記事本文内
それぞれ解説します。
記事末尾
関連記事の設置場所として最も一般的なのが、記事末尾です。
記事を最後まで読んでくれたユーザーに、「この記事を読んだ人におすすめ」「あわせて読みたい」のような形で関連記事を掲載しておけば、自然な流れで次の記事に誘導できます。
記事末尾に関連記事を表示する場合、サムネイル画像とともに、記事を自動表示させているサイトが多いです。
記事本文内
記事本文内も、関連記事の設置場所の一つです。
記事本文内のリンクは一般的に「内部リンク」とも呼ばれます。
本文内では、内容や文脈に合わせて関連性の高い記事を設置することが重要です。
本文内のリンクは手動での設置になりますが、記事の内容を補完できたり、関連する話題を広げたりできるのでクリックされやすい傾向があります。
WordPressで関連記事を表示させる方法
WordPressで関連記事セクションを表示させる方法には、大きく分けて次の3つの方法があります。
- プラグインで表示させる
- テーマの機能を利用する
- テーマを編集する
それぞれの方法について解説します。
プラグインで表示させる
プラグインを導入すれば、かんたんに関連記事セクションを表示させることが可能です。
関連記事を導入できる無料プラグインには、たとえば以下のようなものがあります。
プラグイン名 | 概要 |
YARPP(Yet Another Related Posts Plugin) | インストール数10万件以上。日本語対応の関連記事投稿用プラグイン。高度な関連性評価アルゴリズムが特徴。 |
Contextual Related Posts | インストール数7万件以上。カスタマイズ性が高く多機能な関連記事投稿用プラグイン。 |
おすすめは、日本語に対応している1つ目の「YARPP」です。
実際に当サイトでも「YARPP」を用いて関連記事を表示しています。
YARPPを使えば、タイトル・内容・カテゴリ・タグなどの要素から関連性スコアを算出し、自動で各投稿と関連性の高い記事をピックアップしてくれます。
「テキスト表示にするか / サムネイル表示にするか」や「関連性の判断にどの要素を重視するか」などについても、自身で設定可能です。
YARPPの使用方法については、下記の記事に詳しい解説がありますので、導入する際にはあわせてご確認ください。
【日本語対応】Yet Another Related Posts Plugin(YARPP)の使い方【WordPress関連記事】 – まーくんのアフィリエイト学校【afb】
ただし、プラグインは使用しているWordPressテーマに影響を与えたり、他のプラグインと干渉を起こしたりする可能性があることに注意しなければなりません。
事前にプラグインとの相性を確認するようにしてください。
テーマの機能を利用する
最近のWordPressテーマには、すでに関連記事機能が備わっているものが多いです。
一例ですが、以下のような人気テーマにも関連記事機能が備わっています。
- Cocoon(無料)
- Lightning(無料)
- Simplicity2(無料)
- SWELL(有料)
- THE THOR(有料)
このようなテーマを利用している場合には、前述のプラグインを導入しなくても、関連記事の設定をすることにより、記事を表示させることが可能です。
テーマを編集する
WordPressテーマを直接編集することで、関連記事セクションを作る方法もあります。
しかしテーマを編集する場合、自身でコードを記述・挿入しなくてはなりません。
社内にエンジニアなど専門知識がある人がいれば良いですが、不慣れな方はプラグインを使うほうが良いでしょう。
また、もしテーマを編集する場合は、作業前にバックアップをとっておくことも重要です。
自社の状況に応じて、適切な表示方法を選択するようにしてください。
関連記事の設置におけるポイント
関連記事を設置する際には、その効果を高めるためにも、以下の4つのポイントを押さえることが重要です。
- 関連性の高い記事を表示させる
- nofollowタグを使用しない
- 新規記事公開時には既存記事をチェックする
- 関連記事セクションの名前をひと工夫する
一つずつ解説します。
1.関連性の高い記事を表示させる
関連記事セクションに表示されるのが関連性の低い記事ばかりなら、ユーザーは記事に興味を持つことなくサイトから出ていってしまうでしょう。
関連記事セクションでは、なるべく関連性の高い記事を表示させなければなりません。
タグやカテゴリ、記事の内容などにもとづいて、適切な関連記事が表示できるようにしましょう。
プラグインで関連記事を表示させる場合は、設定次第でより関連性の高い記事を表示することが可能です。
「ユーザーにとって本当に役に立つ関連記事が表示されているか?」を意識するようにしてください。
2.nofollowタグを設置しない
SEO効果を期待するなら、関連記事リンクにnofollowタグを設置してはいけません。
nofollowタグは、検索エンジンに対して「このリンクを辿らないで」という指示をし、リンク先にSEO評価を渡さないようにするためのタグです。
もし関連記事のリンクにnofollowタグを設置してしまうと、検索エンジンが記事同士の関連性を把握するのも難しくなってしまい、本来得られるはずの効果が得られません。
関連記事に限らず、内部リンクにnofollowタグをつける必要はないということを覚えておきましょう。
nofollowタグについては下記の記事で詳しく解説しています。
nofollow属性とは?正しい記述方法とSEOの関係性も紹介 -webma-
3.新規記事公開時には既存記事をチェックする
新規記事を公開するときには、サイト内に関連性の高い既存記事がないかをチェックしましょう。
サイト内検索をしたり、タグを辿ったりすれば、そのテーマに関連する過去の記事を見つけることが可能です。
手間のかかる作業ではありますが、せっかく関連する記事があるのなら本文内に設置しておき、サイト全体でユーザーをもてなしましょう。
4.関連記事セクションの名前をひと工夫する
関連記事セクションの見出しに当たる部分を「関連記事」ではなく、ひと工夫した名前にすることも検討してみてください。
たとえば、「この記事を読んだあなたにおすすめ」「あわせて読みたい」「もっと知りたい方へ」のような見出しをつけるのです。
これはユーザーに「自分に向けた記事だ」と思わせ、目を止めてもらうための工夫です。
もちろん「関連記事」のようなシンプルな名前でも良いのですが、クリック率を少しでも高めたいなら、名前を工夫するのは効果的と言えます。
関連記事に関してよくある質問
最後に、関連記事に関してよくある質問への回答をまとめました。
1.関連記事はサムネイル付きとアンカーテキストのどちらが良い?
結論、それぞれにメリット・デメリットがあるため、設置場所に応じて使い分けることをおすすめします。
サムネイル付きは視覚的なアピールがしやすい一方で、記事の途中に多数設置されていると、読みにくさや表示速度の低下につながることがあります。
対してアンカーテキストはGoogleにも理解してもらいやすく、自然な形で挿入できるものの、視覚的に魅力をアピールできないところが欠点です。
2.関連記事セクション導入後の効果はどう検証する?
関連記事セクション導入後の効果は、GA4やマイクロソフトクラリティを使って確認できます。
GA4で「ユーザー属性>オーディエンス」から「セッションあたりのページビュー数」を見れば、導入前後でどれくらい変化があったのかが見られます。
「セッションあたりのページビュー数」が増えていれば、ユーザーが1セッションあたりに読んでいる記事の数が増えているということです。
また、マイクロソフトクラリティのヒートマップ機能では、記事ごとに関連記事セクションがクリックされているかどうかを確認できます。
3.関連するテーマで記事を増やすのはSEOに効果的か?
関連性の高い記事をサイト内に増やすのは効果的です。
ある特定のテーマについて「あのサイトを訪問すればすべて解決できる」という状態は、ユーザーにとっても利便性が高く、好ましい状態といえます。
ただし、扱うテーマは見込み客のニーズに合っていて、自社の専門性や独自性を活かせるというのが前提です。
【無料相談受付中】SEOでお困りならエクスコアへ
この記事を読んで、「関連記事や内部リンクを最適化したい」「関連記事を増やしてサイトをもっと充実させたい」と感じた方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、SEOの知識や経験がなかったり、時間や人が足りていないという場合もあると思います。
そんな場合には、専門家を頼るのも一つの手です。
弊社エクスコアでは、低価格・高品質のSEOコンサルティングを提供しております。
内部リンク施策に関するアドバイスから、コンテンツ制作代行まで、お客様の課題に合わせた支援が可能です。
現在、無料相談を実施しておりますので、SEOに関するお悩みがありましたら、ぜひエクスコアにお気軽にご相談ください。
【まとめ】関連記事セクションの設置はユーザーファーストな取り組み
関連記事セクションの設置は、ユーザーにとってもサイト運営者にとってもメリットが大きい施策です。
関連記事を見つけやすいようにしてあげることで、
- ユーザーの回遊率高まり、滞在時間が伸びる
- ユーザーの満足度が高まる
- 他記事のPV数が増える
といったメリットが得られます。
SEOの観点からも、関連記事は「ユーザー行動の改善」や「検索エンジンの理解促進」につながり、間接的にプラスに働く可能性が高いです。
もしサイトにまだ関連記事セクションを設けていないという方は、ぜひこの記事を参考にして設置してみてください。
株式会社エクスコアのコンテンツディレクター・ライター。
1996年生まれ。大学で言語学専攻を卒業したのち、エクスコアに入社。2020年からオウンドメディア「Webma」の運営に従事し、コンテンツ制作・編集・SEO業務に携わる。累計100記事以上を執筆し、PV数・CV数400%超成長に貢献。