リスティング広告を運用することになったけれど、どんなキーワードで広告を出せばいいのかわからないとお悩みではないでしょうか?
リスティング広告は自由にキーワードを決められて使い勝手が良いですが、いざ決めるとなるとどのキーワードが効果的なのかわからなくなってしまいますよね。
ただしキーワードを適当に選んでしまうと、集客や売上改善が成功しなかったり、費用対効果が悪くなる可能性があります。
つまり、『リスティング広告はキーワード選びが命』と言っても過言ではないのです。
そこでこの記事では、リスティング広告のキーワード選定を中心に、以下のトピックについて解説します。
- リスティング広告で効果の出やすいキーワードの選び方
- キーワード入稿時に設定すべき項目
- 掲載を避けた方が良いキーワード
- キーワード選びにおすすめのツール
この記事を読むことで、効果が出るキーワード選定の基礎がきっと身に付くはずです。
「キーワードの基本的な選定方法」「キーワードを選定する上での注意点」を知りたい方は、ぜひご覧ください。
『そもそもリスティング広告ってなに?』『まずはリスティング広告について知りたい』という方は以下の記事をご覧ください。
リスティング広告の基礎やメリットなど、最初に知っておきたい情報を網羅しています。
目次
リスティング広告におけるキーワードとは?
リスティング広告は「検索連動型広告」といわれるように、ユーザーの検索キーワードに連動して表示される広告です。
ユーザーが検索している言葉のことを『キーワード』と呼び、ユーザーを自社サイトへ誘導する役割があります。
たとえば、あなたが京都で歯医者を経営していたとしましょう。
新規の患者さんを獲得するためにリスティング広告を使う場合は、『京都 歯医者』『京都 歯科』などのキーワードがおすすめです。
なぜなら、京都で歯医者を探しているユーザーは『京都 歯医者』『京都 歯科』などのキーワードを検索すると考えられるからです。
『京都 歯医者』『京都 歯科』で検索したユーザーは、リスティング広告をクリックしてあなたのWebサイトにアクセスし、サービスを利用するかを決めます。
しかしリスティング広告を表示するキーワードによっては、自社の商品・サービスへの興味が弱いユーザーに広告が表示され、効果が望めなくなる可能性もあります。
たとえば京都の歯医者が、商圏を広げたいという理由で『大阪 歯医者』『大阪 歯科』などのキーワードで、リスティング広告を出したとしましょう。
この場合、リスティング広告は表示されますが、ユーザーは『大阪 歯医者』『大阪 歯科』と検索しているため、『大阪にある歯医者を知りたい』と考えている可能性が高いです。
そのため、京都の歯医者が『大阪 歯医者』『大阪 歯科』などのキーワードでリスティング広告を出稿したところで、ユーザーの検索意図に合っていないため集客や売上につながりにくいと考えられます。
リスティング広告では『自社サイトにはどんなユーザーにアクセスしてもらいたいのか?』『そのユーザーはどんなキーワードを検索するのか?』を考え、キーワードを設定することが非常に重要なのです。
リスティング広告のキーワードの選び方
ここからはキーワードの具体的な選定手順について解説します。
リスティング広告のキーワードは闇雲に探すものではありません。
成果が出るキーワードを見極めて、広告を出稿することで広告効果を最大化する必要があります。
そして、成果が出るキーワードを効率的に探すには手順があります。
- サイトのゴールを決める
- ユーザーのペルソナを設定する
- ペルソナをもとにした購買行動を考える
- 決めた購買行動の地点で検索するキーワードを洗い出す
- キーワードのボリュームを調べる
- キーワードをピックアップ
今回はリスティング広告運用のプロである弊社が実際におこなっているキーワード選定手順を、6つのステップでご紹介します。
キーワード選定の手順1.
リスティング広告を出稿する目的を決める
キーワード選定で最初にすべきことは、リスティング広告を出稿する目的(商品販売・認知拡大など)を決めることです。
なぜなら、目的によって選定するキーワード(=ターゲットにするユーザー)が変わるからです。
たとえば、商品購入が目的であれば「〇〇(商品名) 通販」など、購買意欲が高いユーザーが検索するであろうキーワードでリスティング広告を配信しなければ、広告効果を最大化できません。
対して、認知拡大が目的であれば、商品名を含まないキーワードでリスティング広告を出稿することで、広告効果を最大化できます。
一見、どんなキーワードでもキーワードだと考えてしまうかもしれませんが、目的に応じて、適切なキーワード設定・戦略を考えることがリスティング広告で成果をあげるためには非常に重要です。
キーワード選定の手順2.
ユーザーのペルソナを設定する
次は目的を達成させるペルソナを作りましょう。
ペルソナとは商品・サービスを購入する典型的なユーザーを架空の人物をさします。
ペルソナを設定することによって、ユーザーの悩みを明確にすることができたり、社内の共通認識を持つことができます。
まずは自社の商材を購入しているユーザーから、典型的なユーザーをイメージしてペルソナを設定しましょう。
リスティング広告の場合は、ペルソナをできるだけ細かく設定することで、その人が実際に検索しそうなキーワードを想像しやすくなり、費用対効果の良いキーワードを探すときに役立ちます。
以下、ペルソナの例です。
【リスティング広告を運用する目的】 【ペルソナ】
2~30代女性向けアパレルECサイトの商品購入
年齢:25歳
性別:女性
職業:OL
年収:300万円
居住地:都内
世帯構成:一人暮らし
恋人:なし
趣味:カフェ巡り・読書・アイドルの応援
よく使うアプリ:LINE・Instagram・Twitter・メルカリ・ルナルナ・SNOW
生活スタイルなど:Twitterではあまり呟かない本垢と「推しが尊い」ばかり言うオタク垢を使い分ける。シンプル可愛い服を流行に左右されずに着る。基本1人が好きだけど2週間に1回会う友達と過ごす時間も好き。
キーワード選定の手順3.
ペルソナをもとにした購買フェーズを把握する
次に『3C分析』『カスタマージャーニー』などのマーケティングのフレームワークを使って、自社が設定した目的までのペルソナの行動(購買行動)を考えます。
そして、いくつかのフェーズに分かれる購買行動のうち、どのフェーズでリスティング広告を配信するかを決めましょう。
購買行動について考えるのも、フェーズによってリスティング広告を出稿すべきキーワードが変わるからです。
キーワード選定の手順4.
ペルソナが検索するキーワードを洗い出す
いよいよキーワードの洗い出しに移ります。
キーワード選定2で設定したペルソナが、キーワード選定の手順3で把握した購買フェーズにおいて、どのようなキーワードで検索するのかを仮説を立てて、キーワードの候補を探しましょう。
たとえばペルソナが比較検討フェーズに存在する場合は「〇〇 ランキング」で検索して、購入を決めているユーザーは「〇〇 金額」で検索するなどです。
この段階ではキーワードは質よりも量を意識して、抽出しましょう。
キーワードの手順5以降で、リスティング広告を出すべきではないキーワードを洗い出すため、この段階ではキーワード質に関しては意識しなくても特に問題はありません。
効果が出るキーワードをもれなく見つけるためには、少し手間ではありますが段階的にキーワードを抽出することが重要なのです。
キーワード選定の手順5.
キーワードのボリュームを調べる
次にGoogle広告にあるキーワードプランナーを使って、洗い出したキーワードの検索ボリュームを調べます。
次の3つの指標を見て、手順4で立てた仮説が合っているか確認しましょう。
- 検索ボリューム
- クリック単価
- 関連キーワード
検索ボリュームとクリック単価から消化金額を算出し、予算と合っているかも確認してください。
キーワード選定の手順6でキーワードをピックアップする際の参考指標にします。
キーワード選定の手順6.
キーワードをピックアップ
以下の2点に注意し、企業にとって適切なキーワードか否かを判断しながらキーワードをピックアップしましょう。
- クリック単価が高すぎないか
- 検索ボリュームが少なすぎないか
キーワードのクリック単価が高すぎると、決められた予算を少ないクリック数で使い切ってしまう可能性があります。
資金力がある場合は、クリック単価が高いキーワードでリスティング広告を出稿するのも1つの手です。
しかし中小企業やスタートアップ企業など、広告費の予算が潤沢ではない場合はクリック単価が高いキーワードは避けるほうが賢明でしょう。
また検索ボリュームが少なすぎるキーワードも広告の出稿を避けるべきです。
キーワードの検索ボリュームが少ない場合には、検索自体がされないので広告が表示されない可能性や、広告からWebサイトへの流入目標が達成できない可能性があります。
キーワード入稿時に設定すべき項目
キーワードのピックアップまでで、いわゆるキーワード選定の作業は完了です。
しかし、それだけではまだ広告を配信できません。
次の2つをキーワードに対して設定する必要があります。
- マッチタイプ
- 除外キーワード
それぞれ詳しく説明します。
リスティング広告のキーワード設定1.
マッチタイプを指定する
マッチタイプとはユーザーが検索エンジンで検索したキーワードと、広告主が広告上で設定したキーワードの一致度合いに応じて、広告表示の有無を設定できる機能です。
マッチタイプには次の3種類があり、上から順に一致度が高い設定です。
- 完全一致
- フレーズ一致
- 部分一致
「犬」と「いぬ」の表記ゆれ、「男 美容院」と「美容院 男」の逆順などは類似パターンと呼ばれ、マッチタイプに関わらず自動的に表示されるので注意しましょう。
それぞれのマッチタイプについて、例を挙げつつ解説します。
完全一致
名前のとおり、指定したキーワードと完全に一致するキーワード(とその類似パターン)でユーザーが検索した場合のみ、広告が表示されるマッチタイプです。
完全一致を実際に設定する際には、検索キーワードを半角の[]で単語を挟みます。
指定したキーワード | [子供用 自転車] |
表示される検索語句の例 | 子供用 自転車 子ども用 自転車 |
表示されない検索語句の例
| 子供用 自転車 人気 通勤 自転車 |
フレーズ一致
指定したキーワードを含まれる語句(とその類似パターン)でユーザーが検索した場合に、広告が表示されるマッチタイプです。
その語句の順序は関係なく表示の機会が与えられます。
フレーズ一致を実際に設定する際には、半角の””でフレーズを挟みます。
※全角ではフレーズ一致として登録されません。
指定したキーワード | “子供用 自転車” |
表示される検索語句の例
| 子供用 自転車 人気 子供用 おすすめ 自転車 |
表示されない検索語句の例 | 通勤用 自転車 子供用 ヘルメット |
部分一致
指定したキーワードと関連性が高いキーワードでユーザーが検索したときに広告が表示されるマッチタイプです。
時期的なユーザーの検索傾向なども、キーワードの関連性を判断するために利用されます。
指定したキーワード | 子供用 自転車 |
表示される検索語句の例 | 小学生 自転車 キッズ 自転車 |
リスティング広告のキーワード設定2.
除外キーワードを指定する
除外キーワードとは、特定のキーワードで検索したユーザーに広告を表示しないために設定するキーワードです。
除外キーワードはコンバージョンが発生しづらいキーワードでの無駄クリックを排除し、予算を効率的に使うために設定します。
たとえば、子供用自転車のECサイトを、自転車の購入をゴールとしてリスティング広告で運用するとしましょう。
フレーズ一致で”子供用 自転車”と登録すると、「子供用 自転車 レンタル」とユーザーが検索したときにも広告が表示されてしまいます。
しかし「子供用 自転車 レンタル」と検索しているユーザーが子供用の自転車を購入することは考えにくいため、このキーワードは除外設定すべき、という判断ができますよね。
このように自社商材を購入しない可能性が高いユーザーが検索するキーワードは、除外キーワードを設定することで広告が表示されなくなり、予算を効率的に使えるようになるのです。
指定したキーワード | “子供用 自転車” |
表示させたくない検索語句 | 小学生 自転車 レンタル |
除外するキーワード | レンタル |
除外キーワードに設定するべきキーワードは、広告の目的や予算によって変わります。
自社の強みや認知度などを考慮して効果的な訴求を仮定し、その仮定にそぐわないキーワードを除外しましょう。
掲載を避けた方が良いキーワード
リスティング広告では、2種類の”避けるべきキーワード”があります。
- 悪いイメージを付けてしまうキーワード
- 競合のキーワード
それぞれ解説します。
NGキーワード1.
悪いイメージをつけてしまうキーワード
悪いイメージをつけてしまうキーワードとは「〇〇 悪質」「〇〇 まずい」など、「ブランド名(商品名) + 悪評」で構成されるキーワードのことです。
自社に対して、悪いイメージを検索しているユーザーに広告を配信したところで、コンバージョンにはつながりにくく、ただ無駄クリックを発生させることになります。
また、ネガティブなワードで検索しているときに広告を表示させることで、悪いイメージを強くさせてしまう可能性もあるため、除外しておいたほうがいいキーワードです。
NGキーワード2.
他社商標が含まれるキーワード
他社商標が含まれるキーワードもリスティング広告の出稿を避けるべきです。
なぜなら業界の競合他社や検索ユーザーからイメージが悪くなり、ブランディングに悪影響を及ぼすからです。
競合他社の指名キーワードは、効果が悪くなりやすいわけではありません。
むしろ積極的に競合他社の指名キーワードに出稿するようなパターンも見られますが、競合のキーワードに配信するということは、競合他社の顧客を奪い取るということです。
会社同士の関係悪化につながってしまいやすいため、あらかじめ除外設定をしておくほうがベターでしょう。
場合によっては、両社間でお互いの指名キーワードを除外にするよう取り決めることもあります。
リスティング広告のキーワード選定に役立つツール
リスティング広告運用のプロである弊社でも実際に使っている、キーワード選定に役立つツールが3つあります。
以下で1つずつ説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
キーワード選定ツール1.
Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、Googleがキーワードについて調べるために提供しているツールです。
Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できます。
- 入力したキーワードの検索ボリュームを調べることができる
- 入力したキーワードの関連キーワードと、その検索ボリュームも同時に調べることができる
- 都道府県や都市ごとに絞り込み、その地域での検索ボリュームを調べることができる(絞り込みができない都市もあります)
- キーワードごとに推奨入札単価が表示される(広告費を概算する際の目安になる)
キーワードプランナーは以下のリンクから利用できます。
リスティング広告を運用していくうえでは、必須ツールなので広告運用を担当される方は使い方を確認しておくことをおすすめします。
キーワードプランナーの使い方については、当サイトの別記事で詳しく解説しています。
キーワードプランナーの使い方をこれから覚えたいという方は、ぜひご一読ください。
キーワード選定ツール2.
キーワードアドバイスツール
キーワードアドバイスツールは、Yahoo!プロモーション広告が提供しているツールです。
Yahoo!ビジネスアカウントを取得する(無料)ことで利用できるようになります。
- 希望入札単価を入力することで、平均クリック単価の予測値を調べることができる
- Googleキーワードプランナーでは表示されない関連キーワードが表示されることがあり、関連キーワードの比較検討ができる
キーワードアドバイスツールは以下のリンクから利用できます。
キーワード選定ツール3.
ラッコキーワード
キーワードニーズを簡単に把握できるツールです。
誰でも無料で利用でき、無料会員登録をすることで利用回数制限もなくなります。
- Googleサジェスト、Yahoo!知恵袋、教えて!goo、Googleトレンドの情報を一括で取得できる
- サジェストキーワードを、五十音順・アルファベット順に並べ替えて表示してくれるため見やすい
【まとめ】リスティング広告はキーワード選定が命
今回はリスティング広告におけるキーワード選定について解説しました。
改めてまとめると、以下のようになります。
- ペルソナをもとにキーワードを考える
- ツールを使いながらキーワードを吟味する
- マッチタイプで広告が適切に配信されるよう設定する
- 表示させたくないキーワードは除外設定をする
はじめは難しく感じてしまうキーワード選定ですが、リスティング広告の効果を左右する最も大きなポイントです。
キーワード選定をマスターして、より費用対効果良く運用できるリスティング広告運用者になりましょう。
もしあなたがキーワード選定に苦戦していて、リスティング広告で成果を挙げられない状態なのであれば、広告代理店に依頼することも一つの手です。
広告代理店に依頼することで、自社の人材を広告運用に割く必要がないだけでなく、より効果的な広告運用が実現できます。
Web広告は広告業界のなかでも、特にアップデートが激しい分野です。
そのため広告代理店に依頼した方が費用対効果が高いケースも少なくありません。
弊社ではリスティング広告運用をはじめとした、Web広告代理業をおこなっています。
これまでお付き合いさせていただいた企業様は2,000社以上、改善率は98.5%を超え、お客様からもお喜びの声をいただいています。
些細な問題からでも、親身にご対応させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。
弊社への問合せは以下のお問合せからご相談ください。
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問合せ完了後、3営業日以内に担当者からご連絡差し上げます。
どんなに些細なお悩みでも、まずはお気軽にご相談ください。
2017年エクスコアに新卒入社し、Webコンサルタントとして従事。
リスティング広告をメインに各広告媒体の運用を担当。
【保有資格】Google広告、LINE広告、IMA検定、公式LINE運用…など