こんにちは!Webma 編集部の鈴木です。
当サイトでは毎月1回、SEO担当者向けのニュースをピックアップしてご紹介しています。
今回は、2022年8月の重要なSEOニュースをお届けします。
- Google、「Helpful Content Update」をロールアウト
- Google、強調スニペットなど検索結果の3つの品質改善を実施
- Google Search Console のレポート分類がよりわかりやすく
- Google Search Console の「ウェブに関する主な指標」レポートにURLレベルのデータが追加
さっそく見ていきましょう。
目次
Google、「Helpful Content Update」をロールアウト
Googleは、英語検索を対象に「Helpful Content Update(ヘルプフルコンテンツアップデート)」と名付けた検索アルゴリズムのアップデートを展開しています。
8月19日にアップデート実施の予告があり、8月25日に実際に展開が開始されました。
2022 年8 月 25日
2022 年 8 月 の Helpful Content Update をリリースしました。ロールアウトが完了するまでに最大 2 週間かかる場合があります。引用元:Google Search Ranking Updates | Google Search Central
※翻訳した内容を掲載しています。
Next week, we will launch the “helpful content update” to better ensure people see more original, helpful content written by people, for people, rather than content made primarily for search engine traffic. Learn more & advice creators should consider: https://t.co/fgf2TPNIqD pic.twitter.com/xOuX2iVk2d
— Google Search Central (@googlesearchc) August 18, 2022
Helpful Content Update は、ユーザーの役に立つことを第一に考えて作成されたコンテンツを高く評価し、検索エンジンからのトラフィック獲得を主な目的として作成されたコンテンツの評価を下げるアップデートです。
このアップデートにより、独自の情報を含まない低品質なコンテンツを多く持つサイトでは、検索順位が下がる可能性があります。
アップデートの概要は以下のとおりです。
- 対象プロダクト:Google検索(Google Discoverは対象外)
- ロールアウト日:2022年8月25日
- 展開完了までの期間:最大2週間
- 対象言語:英語のみ(将来的には他言語にも拡大予定)
- 対象地域:グローバル
- 評価単位:サイト全体
9月1日現在までに、まだ全体として大きな変動は観測されていませんが、展開期間は最大2週間とのことなので、今後目立った変動が起きる可能性はあります。
参考:Helpful Content Updateのロールアウトは依然として進行中、アップデートは大きな変動を起こすとは限らない – 海外SEO情報ブログ
Googleがこれまでに提供している情報を中心に、Helpful Content Update についてざっくりと解説します。
Helpful Content Update とは?
Helpful Content Update は、「人々を助けたり情報を提供したりするためではなく、主に検索エンジンでの上位表示を目的に作成されたと思われるコンテンツ」に対処するためのアップデートだとGoogleは説明しています。
これは以前からGoogleがおこなってきた、ユーザーファーストのオリジナルコンテンツを検索結果に表示しようという取り組みの一環です。
公式ブログでは、以下のような例を用いて説明されています。
たとえば、新しい映画に関する情報を検索したとき、他サイトで得られる情報以上の新たな視点を加えずに、レビューを集めただけの記事を見たことがあるかもしれません。何か新しいものを期待している場合、これはHelpfulではありません。今回のアップデートにより、ユニークで信頼できる情報を含む結果の表示が増えるため、これまでに見たことのないものを読める可能性が高くなりました。
引用元:More content by people, for people in Search – Google The Keyword
※翻訳した内容を掲載しています。
検索セントラルブログにおいては、「訪問者が満足のいく経験をしたと感じるコンテンツに、より良い評価を与える」とも説明されています。
参考:What creators should know about Google’s helpful content update | Google Search Central Blog
特に影響が大きいコンテンツの種類
今回のアップデートは、特定のジャンルのコンテンツを対象としたものではありません。
しかしGoogleによると、以下の4つのジャンルは特に影響を受ける可能性があるとのことです。
- オンライン学習教材
- 芸術およびエンターテイメント
- ショッピング
- テクノロジー関連
買い物をするために何か商品について検索したとき、独自の考察などを含まない、情報を切り貼りしただけのサイトが、上位を占めていたという経験のある方は多いはずです。
上記の4領域では、特にこういったコンテンツが多いということでしょう。
日本語検索での展開は?
Helpful Content Update はグローバルに展開されていますが、現時点で対象となっているのは英語検索のみです。
したがって、日本語検索には影響がありません。
ただし将来的には他言語にも展開予定とのことなので、いずれ日本語検索にも適用されることが見込まれます。
日本語に導入されるのはまだ先と考えられますが、SEOに関わる方は、今のうちに Helpful Content Update について理解を深めておくと良いと思います。
評価はサイト単位
Helpful Content Update で導入されたアルゴリズムは、ページ単位ではなく、サイト単位で適用されます。
つまり、「役に立たないコンテンツが比較的多い」とGoogleが判断したサイトでは、役に立たないコンテンツそのものだけでなく、サイト全体が影響を受けるということです。
そのためGoogleは、サイトに役に立たない低品質なコンテンツが多い場合には、「削除」することを推奨しています。
削除することで、サイトの各コンテンツの順位が上がる可能性があります。
ただし、コンテンツの削除はやり方や判断を間違うと、サイトパフォーマンスに大きな悪影響をもたらす可能性があるので注意してください。
価値あるコンテンツを削除してしまわないよう、その判断は慎重におこなわなければなりません。
個人の勝手な基準で判断せず、Googleの基準に合わせて検討する必要があります。
アップデートに向けた準備
Googleが考える「人を第一に考えた役立つコンテンツ」と「検索エンジンファーストの役に立たないコンテンツ」を理解しておきましょう。
Googleセントラルブログに、上記の2つを確かめるための質問が掲載されています。
「人を第一に考えた役立つコンテンツ(people-first )」に関する質問で「はい」と答えられれば、正しい方向に進んでいると考えてOKです。
一方で、「検索エンジンファーストの役に立たないコンテンツ(search engine-first)」で当てはまる項目があれば、一度コンテンツの作成について見直す必要があります。
以下の資料でチェックできるので目を通しておきましょう。
What creators should know about Google’s helpful content update | Google Search Central Blog
以下のブログでは日本語で詳しい情報が解説されているので、こちらも目を通しておくことをおすすめします。
Google、検索アルゴリズムの更新「Helpful Content Update」を実施 検索エンジンファーストで作成されたコンテンツを標的 – SEMリサーチ
Google、強調スニペットなど検索結果の3つの品質改善を実施
8月11日、Googleは公式ブログの中で、検索結果に関する3つの機能改善を発表しました。
New ways we’re helping you find high-quality information – Google The Keyword
具体的には以下の3つです。
- 強調スニペットの品質改善
- About this result の多言語展開
- Content Advisories の拡大
それぞれ解説します。
強調スニペットの品質改善:MUMが使用されるように
検索結果の上部に表示される「強調スニペット」が、最新のAIモデル「MUM」によって強化されました。
MUMは「Multitask Unified Model」の略語で、Googleが開発した最新のAI(人工知能)です。
強調スニペットにMUMが導入されたことにより、「コールアウト」の品質および有用性が大幅に向上しました。
コールアウトとは、強調スニペットの上部に大きな文字で表示されている単語やフレーズを指します。
出典:New ways we’re helping you find high-quality information – Google The Keyword
画像では、「太陽からの光が地球に届くまでにかかる時間」という検索クエリに対し、「8と1/3分」というコールアウトが表示されています。
このコールアウト部分が、「複数の高品質なソースで同意があるか?(一致しているか)」をしっかりとチェックしたうえで表示されるようになったとのことです。
また、同AIモデルにより、強調スニペットが不要なケースも適切に判断できるようになりました。
たとえば、以前は「スヌーピーがエイブラハム リンカーンを暗殺したのはいつか?」という誤った前提のクエリに対し、実際にリンカーン暗殺の正確な日付を強調するスニペットが提供されていました。
しかし現在では、こうした役に立たない強調スニペットは40%削減されているようです。
About this result が多言語で導入開始予定
「About this result」は、検索ユーザーが結果をクリックする前に、掲載元サイトに関する詳細な情報を確認できる機能です。
2021年に初めて米国の英語検索で導入され、以来改良がおこなわれてきました。
この機能が、今年後半には日本語をはじめとする以下の8言語にも導入される予定です。
- ポルトガル語
- フランス語
- イタリア語
- ドイツ語
- オランダ語
- スペイン語
- 日本語
- インドネシア語
さらに、Googleアプリでも、About this resultが利用できるようになります。
訪問したページを閲覧中に、ページの下部にある「About the source」というタブから、サイトに関する情報を確認できるようになります。
出典:New ways we’re helping you find high-quality information – Google The Keyword
検索結果に関する注意喚起を表示する「Content Advisories」の拡大
「Content Advisories(コンテンツアドバイザリー)」は、Googleが検索結果の品質や信頼性を確信できない場合に、ユーザーに注意喚起をする機能です。
Content Advisories の適用範囲をGoogleは拡大しています。
出典:New ways we’re helping you find high-quality information – Google The Keyword(キャプチャ)
この機能が適用された場合、上の画像のように検索結果の上部に「It looks like there aren’t many great results for this search(この検索にはあまり良い結果がないようです)」と注意喚起が表示されます。
ただし、Content Advisories は「有益な情報がない、あるいは、特定の結果が低品質である」ことを意味するわけではありません。
あくまでもGoogleが検索結果の信頼性を保証できない場合に、表示されます。
たとえば、タイムリーな情報や新たに生まれたトピックに関しては、信頼できる情報がまだオンライン上に十分にない場合があります。
このようなケースで、検索結果に関する注意喚起をおこなうということです。
Googleはユーザーにより信頼性の高い検索結果を提供するために、こういった取り組みを進めており、今後もさらに改良されていくことが見込まれます。
Google Search Console のレポート分類がよりわかりやすく
Google Search Console の「問題」に関するレポートの分類変更が完了しました。
2022年6月から少しずつ適用されていたもので、今回すべてのアカウントに適用されています。
We completed the migration. Read more about all the changes related to Search Console's updated issue categorization, including new changes to the Coverage (Page indexing) report https://t.co/m2CakCmVoe https://t.co/FWHxLcoNfl
— Google Search Central (@googlesearchc) August 15, 2022
具体的には、今まで3つ以上に分かれていた最上位のステータス分類(例: 有効、警告、エラー)が、「有効」か「無効」かの2分類に変更されました。
変更がおこなわれたのは、ユーザーから、「警告」ステータスが URL やアイテムに適用されると混乱するという意見が寄せられた背景があるようです。
なお、この変更は単なるレポート分類の変更であり、クロール・インデックス・ランキングの方法の変更ではありません。
分類ラベルはレポートによって異なりますが、たとえば、カバレッジ(ページのインデックス登録)であれば、「未登録」「登録済み」の2分類。
モバイルユーザビリティであれば、「使用不可」「使用可能」のような2分類になっています。
Googleによると、変更されたレポートは以下のとおりです。
- カバレッジ(ページのインデックス登録)
- ウェブに関する主な指標(「不良」/「改善が必要」/「良好」のカテゴリは従来どおりですが、ページは「良好」と「良好でない」の表にそれぞれ分類されます)
- モバイル ユーザビリティ
- AMP レポート
- リッチリザルト レポート(イベント、ファクト チェック、ロゴなど)
- URL 検査
- Search Console API
現在、新たなレポート分類に関して、管理画面上にガイドが表示されるようになっているので、ぜひ確認してみてください。
今回の変更に関する詳細は、以下のページで確認できます。
Search Console の問題の分類が更新されました – Search Console ヘルプ
Google Search Console の「ウェブに関する主な指標」レポートにURLレベルのデータが追加
Googleは、Search Console の「ウェブに関する主な指標」レポートの改善を実施したことをTwitterでアナウンスしました。
これにより、サンプル表内のURLをクリックすると、URLレベルのデータが確認できるようになっています。
Googleが公開したスクリーンショットは、以下のとおりです。
出典:Google Search Central Twitter
また、今回の改善に関連してサポートページ「ウェブに関する主な指標レポート」の内容にも以下のような情報が追加されています。
問題の詳細ページのサンプル表内で URL をクリックすると、その URL で表されるページグループに関する詳細情報が表示されます。これには、グループ内の他の URL や、それらの URL のスコア(表示できる十分なデータが URL にある場合)が含まれます…(一部抜粋)
「詳細情報」の部分でこの機能に関する詳しい説明があるので、ぜひチェックしてみてください。
最後に
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1988年生まれ。静岡県浜松市出身。
経営者の父親のもとで育ち、名古屋の大学へ進学。
新卒で東証一部上場の大手IT系企業に入社し、2年間広告営業職として従事。
その後、幼い頃から父親の背中を見て育ったため「自分もいずれ経営者になる」という想いが強く、創業メンバーの1人として、2013年4月にエクスコアを設立。
新規開拓のインサイドセールスで自社オリジナルプランの広告営業に従事し、年間約8,000万以上の売上を作り出す。
反響営業・ルート営業を経験した後に事業部を統括する立場に就き、20名以上の組織をマネジメント。5億以上の売上を作り出す。
並行してマーケティング部門を立ち上げ、Web広告・SEO対策・Web制作を基点としたサービスの創出・強化に注力する。
営業・マーケター・エンジニア・デザイナー・動画クリエイターなどの組織を統括。2020年4月取締役に就任し、採用業務全般にも従事。Web解析士/薬事法管理者資格取得。(2024年3月まで在籍)