三社間取引でコミュニケーションがおろそかになりやすい5つのポイントと改善点

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三社間取引でコミュニケーションがおろそかになりやすい5つのポイントと改善点

広告代理店の案件には『広告主から直接依頼を受けるケース』『代理店から依頼を受けるケース』の2つにわけられます。

広告主から直接依頼を受ける場合には、自社で施策のスピードやコミュニケーションをコントロールしやすいです。

反対に、代理店から依頼を受ける場合には自社でコントロールすることが難しくなります。

代理店から依頼を受ける場合には、自社・クライアントである代理店・エンドクライアントの三社間での取引をおこないます。

そのため、自社で施策のスピードやクライアントとのコミュニケーションをコントロールしづらくなり、齟齬やすれ違いが起きてしまう可能性もあります。

最悪の場合、トラブルにもなりかねません。

弊社もインターネット広告代理業を長年続けており、さまざまな経験を積んできました。

この記事では、弊社の経験から、パートナー様とお仕事させていただいたなかでの課題点改善点をお伝えします。

中小企業の場合は、協業や三者間での取引を行ったことがあるケースも少ない場合も多いのではないでしょうか。

そこで、まだ協業経験がない企業や、協業がうまくいかない企業の担当者の方に対して、弊社の経験が少しでも役立てば幸いです。

※本記事で紹介する事例は事実ですが、関係各所の特定を防ぐため情報を一部変更しています。

三社間取引でコミュニケーションがおろそかになる5つのケース

代理店の三社間取引で多い体制は、エンドクライアントから代理店Aへ発注した依頼が、代理店Aからさらに代理店Bへ発注されるケースです。

このケースは広告運用以外に、Web制作なども当てはまるでしょう。

このような場合になるべく早く整備しておきたい点が、コミュニケーション体制です。

弊社で実際にあった事例だと、弊社は以下の画像でいう代理店Bの立場でした。

協業が上手くいきづらい関係性

代理店Aからご発注をいただいたのですが、この関係性だとコミュニケーション体制は一方通行です。

弊社としては、この関係性であっても契約自体には問題はありませんし、エンドクライアントが代理店Bに直接発注することを避けたいという代理店Aの気持ちがあることも理解できます。

しかし、この関係性ではコミュニケーションがおろそかになりやすく、その影響でエンドクライアントの目的達成への貢献度を最大化しにくくなってしまいます。

ただ、弊社以外の代理店でも実際には、この体制での契約が多いことも事実。

そこで、このような関係性の契約でトラブルを事前に防ぐためにも、三社間取引でコミュニケーションが特におろそかになるケースを把握することが重要です。

特に以下、5つのケースには十分に注意しましょう。

三社間取引でコミュニケーションがおろそかになりやすい5つのケース

  • 事前打ち合わせ
  • レポートの報告
  • 修正依頼
  • 施策の提案
  • 緊急性の高い業務

それぞれ詳しく解説します。

コミュニケーションがおろそかになるケース1.事前打ち合わせ

事前の打ち合わせでは意外にも齟齬や伝達漏れが生まれてしまうことが多いです。

たとえば、『ターゲットが20〜30代の男性と聞いていたにもかかわらず、施策を進めている途中で実はターゲット層が40〜50代だったと判明した』といったことはよくあります。

この記事を読んでいる方の中にも、『打ち合わせで聞いていた話と全然違う!』『こちらの思っていたものと違う!』といった経験がある方は多いのではないでしょうか?

事前打ち合わせの段階で齟齬や伝達漏れがあると、エンドクライアントの広告掲載の遅延・代理店のイメージダウン・契約解除など、取り返しのつかないトラブルに発展してしまう可能性も十分に考えられます。

事前打ち合わせでは、諸々のすり合わせはもちろん、場合によっては提案をしてみるのもエンドクライアントに貢献する一つの手です。

コミュニケーションがおろそかになるケース2.レポートの報告

レポートの報告はコミュニケーションが一方通行の場合、伝達がうまくいかないことがもっとも多いケースです。

このケースでコミュニケーションがおろそかになってしまう要因は、以下のいずれかに該当することがほとんどです

レポート報告でコミュニケーションがおろそかになる要因

  • 代理店Aの知識不足
  • 代理店Aの伝え方が悪い
  • 代理店Bの知識不足
  • 代理店Bの伝え方が悪い

主にこのいずれかのケースに該当します。

代理店が知識不足なことはほとんどないので、伝え方が悪い場合が齟齬をうむ原因の多くを占めているでしょう。

資料で解説したとしても、ニュアンスで伝える部分や詳細な情報は、伝言ゲームのようになってしまいがちです。

代理店Bが代理店Aに伝えた内容がエンドクライアントには、全く違う解釈で伝わっているなんてことはよくある話です。

この問題を解決するためにもレポート報告に関しては、エンドクライアントを意識したレポート作成をおこないましょう。

また、口頭の説明だけでなくテキストベースでの説明をおこない、形に残すこともコミュニケーションをおろそかにしないためのポイントです。

コミュニケーションがおろそかになるケース3.修正依頼

修正依頼は言語化することが難しい場合もあるため、齟齬が生まれやすいケースの一つです。

たとえば、バナーの修正ですね。

この記事を読んでいるあなたも、『修正指示と全然違う内容で帰ってきた経験』があるのではないでしょうか?

修正依頼は、業種や職種によっては修正自体がほとんどないも場合あります。

そのため、『そもそも修正指示の可能性がある』という情報から伝えなければいけません。

それを伝えた上で、なるべく言語化して修正指示をおこなうことが、トラブルを生まないためには重要でしょう。

コミュニケーションがおろそかになるケース4.施策の提案

プロジェクトが進み、新たな施策を提案するときもコミュニケーションがおろそかになりやすいポイントです。

弊社の場合だと、広告の効果が出てきた段階で「次月は新たな施策で動きたい」と代理店Aに提案することがあります。

もちろんエンドクライアントへの確認は必要なので、代理店Aを通じてエンドクライアントに確認していただくと、こちらの意図が伝わっていないことがあります。

このケースも伝言ゲームになってしまったことが原因でしょう。

エンドクライアントを意識した資料作成と、形に残るコミュニケーションを心がけることで改善できます。

コミュニケーションがおろそかになるケース5.緊急性の高い依頼

プロジェクト中に緊急性の高い依頼がある場合にも、コミュニケーションがおろそかになりやすいです。

緊急性が高い依頼は予期せぬタイミングで発生し、なおかつ短時間での対応が求められるためです。

たとえば、予算変更や目標変更など、エンドクライアントからすればできるだけ早く対応してほしい依頼ですね。

このような場合こそ、先方への報告・連絡・相談を徹底しましょう。

コミュニケーションが一方通行になりやすい関係性だと、さらに齟齬が生まれやすくなるので、緊急性が高いときほど緻密なコミュニケーションをとる必要があります。

コミュニケーションをおろそかにしないために持っておきたい3つの意識

弊社では今回の件、コミュニケーションをおろそかにしないために以下3つの意識を持ち対応しました。

コミュニケーションをおろそかにしないために持っておきたい3つの意識

  • すべての業務をとにかく前倒しで対応する
  • 三社の工数やリソースを意識したスケジューリング
  • 代理店Aだけでなくエンドを意識した資料作り・説明

どの対応も、基本的なことではありますが、いざというときに実行できなければ意味がありません。

三社間取引では、ぜひこの2つの意識を持って対応してみてください。

すべての業務をとにかく前倒しで対応する

まずはすべての業務を前倒しで対応しました。

この対応によって、予期せぬトラブルにも余裕を持って対応し、当初の期日が遅れることを防げました。

先方からノンターゲットで施策を打ちたいと相談を受け、時間を考慮して、運用担当と相談して先回りして施策を考えていました。

先方の確認なども考慮して、バナー作成や施策の提案を早めにしたことによって、希望の広告掲載日に間に合い結果的に評価にもつながったのです。

自社でコントロールしづらい関係性だからこそ、自社でコントロールできる点を見つけて早めに行動することが結果につながったと言えるでしょう。

三社の工数やリソースを意識したスケジューリング

前倒しに動くことと似ていますが、三社の工数やリソースを意識してスケジューリングを組むことは重要です。

掲載時期の変化やデータ蓄積の進捗、特定のタイミングで発生するタスクや、定期的な報告などは、弊社の広告運用担当者と営業が相談し、エンドクライアントにとってベストなタイミングで施策を実施できるようにスケジューリングしました。

代理店Aやクライアントの工数やリソースを意識すると、弊社のリソースも圧迫されることが少なくなり、他案件も含めて効率的に業務を進められます。

代理店だけでなくエンドを意識した資料・説明

三社間でのプロジェクトを効率的に進めたい場合には、提案資料や説明の際に、エンドクライアントを意識することがとても重要です。

エンドクライアントと直接やりとりできない場合には、協業先の伝え方次第では弊社の意図が伝わらない可能性もあります。

さらに、エンドクライアントから提案や質問がある場合、直接連絡できないため、質問と回答だけでも、工数と時間がかかってしまうのです。

これでは、弊社だけではなくエンドクライアント、協業先である代理店Aの三社にストレスがかかってしまいますよね。

そこで、弊社からの提案時にエンドクライアントにも伝わりやすいように、噛み砕いた説明や理由づけをシンプルにせずに納得していただけるように用意しました。

その結果、エンドクライアントからの質問が減り、コミュニケーションコストの削減を実現しました。

三社間取引でうまく対応するには?

弊社のこれまでの経験を活かして、以下の3点に関してはさらに改善していこうと考えています。

三社間取引をうまく進めるための3つの改善点

  • 協業案件を以前よりも厳しく精査する
  • 協業先とのコミュニケーションを意図的に増やす
  • エンドクライアントとコミュニケーションを直接取れるように相談する

弊社としては、今後の協業では、上記3つの点を実行していこうと考えています。

三社間取引の場合は精査する

これまでの経験から、弊社はエンドクライアントとの接点がない場合には、代理店様からのご依頼をお断りすることもあります。

 協業の理想の関係性

なぜなら、三者間取引でエンドクライアントと直接やりとりできない場合には、弊社がジョインすることがエンドクライアントの効果を最大化することに結びつかないケースが多いからです。

この記事でもお伝えしている通り、コミュニケーションが一方通行の場合、齟齬やトラブルからエンドクライアントに実害を与えてしまう可能性もあるでしょう。

協業先とのコミュニケーションを意図的に増やす

協業先やエンドクライアントから回答や行動を前倒しで対応してもらうためにも、コミュニケーションの量は意図的に増やす必要があります。

コミュニケーションコストの増加はもちろんありますが、ご契約させていただいた場合には、お客様の目標達成のため、全力でサポートさせていただきます。

意図的にコミュニケーションを増やすことによって、クライアントの担当者の不安をなくして、信頼関係を築くことができ、スピード感を持って対応してくださることが多いです。

エンドクライアントとコミュニケーションを直接取れるように相談する

もう一点意識したいことは協業案件では、協業先・エンドクライアントも含め、三社間でコミュニケーションが取れるように相談することです。

今回紹介した事例で、工数やコストがかかってしまった要因として、コミュニケーションが一方通行であることが大きかったです。

仮にこれが三社間でコミュニケーションが取れる体制であれば、もっとスムーズに進んでいただろうと思う瞬間がいくつもありました。

もし弊社から、事前に施策を提案できていれば、さらにお力になれたでしょう。

そのため、今後の案件では提案ベースで、協業先とエンドクライアントとのコミュニケーションに参加させてもらえないかをアクションしていきます。

【まとめ】三者間取引の成功はコミュニケーションにかかっている!

今回紹介した通り、協業や紹介などの三社間取引が行われる場合、コミュニケーションがおろそかになってしまうと、トラブルが発生してしまう可能性があります。

特に以下の5つのケースではコミュニケーションがおろそかになってしまうことが多いため、トラブルも起きやすいです。

三社間取引でコミュニケーションがおろそかになりやすい5つのケース

  • 事前打ち合わせ
  • レポートの報告
  • 修正依頼
  • 施策の提案
  • 緊急性の高い業務

本記事では弊社が経験したトラブルを事例として挙げましたが、このようなシチュエーションはどの会社でもよくあるのではないでしょうか。

三者間の取引経験が豊富ではない場合には、上記5つのケースでトラブルが生まれないように注意しましょう。

具体的には以下の対応を心がけると良いでしょう。

三社間取引をうまく進めるための6つのポイント

  • すべての業務をとにかく前倒しで対応する
  • 三社の工数やリソースを意識したスケジューリング
  • 代理店Aだけでなくエンドを意識した資料作り・説明
  • 協業案件を以前よりも厳しく精査する
  • 協業先とのコミュニケーションを意図的に増やす
  • エンドクライアントとコミュニケーションを直接取れるように相談する

また、今回は受注側の目線でお伝えしましたが、発注側に回った時でも、上記の点でコミュニケーションやマナーがおろそかにならないように心がけていきたいですね。