代理店があえて断念すべき案件とは?受注した場合の対処法と契約前に確認しておくべき内容

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代理店があえて断念すべき案件とは?受注した場合の対処法と契約前に確認しておくべき内容

代理店を続けていると、クライアントを紹介していただくこともしばしばあります。

しかし、この紹介案件、なにも確認せずに即受注していませんか?

実は紹介案件であっても安心できないケースもあるのです。

なぜなら、詳細な内容を確認しなければ受注後にトラブルが発生してしまう可能性があるからです。

この記事を読んでいる方のなかにも、実際に売上意識が強すぎて無理に受注してしまった経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、インターネット広告代理店を事業としている弊社の長年の経験から、代理店であえて断念すべき案件について解説します。

また、すでに受けてしまっている場合の対処法や改善点も紹介しています。

受注業を営む経営者や受注業のアカウントプランナーの方は、ぜひ参考にしてください。

代理店があえて断念すべき案件の2つの特徴

前述したとおり、弊社はインターネット広告代理店を長年続けてきました。

その長年の経験ではさまざまなお客様とお付き合いさせていただきましたが、そのなかにはあえて断念する方がよい案件もあると学びました。

その案件には以下2つの特徴があります。

あえて断念すべき案件の特徴

  • 対応が難しい項目がある
  • 企業姿勢があわない案件

弊社で実際にあった案件だと、広告主の取引先(Web系企業)から「弊社の取引先の広告運用を任せたい」という問合せがあり、トラブルになったケースがあります。

実際に経験した紹介案件での三者間の関係図

取引先の広告運用を任せたいという問合せはよくご相談いただき、広告主と直接契約させていただくことが多いです。

今回の案件に関しても、広告主と直接取引させていただきました。

広告主の取引先Xと弊社は、契約はなく別々のアプローチで広告主に貢献する予定でした。

しかし、Xが広告主と弊社のコミュニケーションや施策に介入してきたため、結果的に広告主との契約を解除するまでに至ったのです。

広告主の取引先から依頼を受ける案件が、すべてトラブルになるわけではありませんが、このようにトラブルになってしまうケースも実際にあります。

代理店があえて断念すべき案件の共通点1.
対応が難しい項目がある

クライアントからの依頼に対応が難しい項目がある場合は、あえて断念することも考えましょう。

もちろん、パートナーの代理店に依頼し対応することもできますが、パートナーの代理店が対応できない場合も視野に入れなければいけません。

たとえば、次の3つのいずれかに該当する場合は、受注を再検討した方がよいでしょう。

対応が難しいと判断できる3つのケース

  • スキル知識不足
  • リソース不足
  • 未経験の業務

また、仮にスキルやリソースに問題がない場合でも、クライアントの要望に対応が難しい項目がある場合も受注を再検討しましょう。

弊社の場合は以下のようなご要望にはお応えすることが難しいです。

具体的に対応が難しい要望

  • 広告アカウントの譲渡
  • 契約先以外へのアカウントの提示
  • 広告費の立替

企業の考え方にもよりますが、基本的にはこのような要求があった場合には契約や取引を見送るほうが賢明でしょう。

代理店があえて断念すべき案件の共通点2.
企業姿勢が合わない

クライアントと企業姿勢が合わない場合も受注をあえて断念することを考えてみましょう。

企業姿勢が合わない場合は、コミュニケーションや施策で齟齬やトラブルが生まれてしまう可能性があるからです。

たとえば、このようなズレや違いがあり、クライアントと揉めてしまう可能性もあります。

企業姿勢が違いの一例

  • 施策の認識のズレ
  • コミュニケーション方法の違い

また、このようなスタンスの違いによって、契約してしまうと他にもこのような影響があることも。

企業姿勢の違いによる影響

  • 長期的に大きなコミュニケーションコストがかかる
  • 担当者のストレスが大きい

企業の働き方や判断は、最終的には理念や方向性などの企業姿勢に影響されます。

そのため、根本的な姿勢が合わない場合は、細かな業務ややりとりでトラブルになってしまうケースも多いのです。

そのため、今後協業やパートナー契約、案件の紹介を受ける場合などは、企業姿勢にも注目して取引の判断をおこなうことをおすすめします。

すでに契約してしまった場合の対応方法

断念をした方が良いとはいえ、本来断念すべき案件にもかかわらず、すでに契約してしまったなんてこともあるでしょう。

そこで、そのようなクライアントとすでに契約してしまった場合には、主に2つの対応を心がけましょう。

すでに系酌してしまった場合の対応方法

  • 形に残るコミュニケーションを増やす
  • できないことはできないと伝える

すでに契約してしまった場合には、全力でその案件に取り組むことはもちろんですが、上記のようにリスクヘッジも兼ねた対応も重要です。

対応方法1.
形に残るコミュニケーションを増やす

1つ目の対応は形に残るコミュニケーションを増やすということです。

クライアントとのコミュニケーションの多くが電話というケースはとても多いですよね。

この記事を読んでいるあなたも業務上の普段のコミュニケーションは電話がほとんどではないでしょうか?

トラブルを避けて、プロジェクトを成功させるためにも形に残るコミュニケーションを増やすとことは非常に重要です。

クライアントとのコミュニケーションを電話でしかとっていない場合には、メールやチャットでのコミュニケーションも合わせて行いましょう。

感情的なコミュニケーションを減らす証拠を残すというリスクヘッジの観点はもちろん、施策の説明や振り返りを行いやすくなるメリットも。

クライアントからしても確認の工数や、問い合わせの数を減らせるため、とても喜んでいただけますよ。

対応方法2.
できないことはできないと伝える

クライアントからの要望を、すべて鵜呑みにするのではなく、できないことはできないと断ることも重要です。

『契約してしまっている以上、クライアントからの要望にはすべて応えなくてはいけない!』と考えてしまう方もいらっしゃると思いますが、それは間違いです。

クライアントとの契約には契約内容がありますから、契約内容を守っていれば基本的には問題はありません。

もちろん、クライアントの要望にすべて応えられれば最高ですが、ときには企業として対応できない要求や契約内容を逸脱した要望を受けることもあります。

そのようなときには、はっきりとできないと伝えましょう。

また、取引先が担当するべき業務は「御社が担当してください」と率直に伝えることをおすすめします。

代理店はなんでも屋ではありませんから、自信を持って断るべきものは断りましょう。

契約前に確認しておくべき3つの内容

広告代理業を長年経験している弊社の経験から、契約前には次のような対応を確認しましょう。

契約前に確認しておくねき3つの内容

  • 弊社を選んだ理由や経緯をヒアリングする
  • 3社間の役割を明確にして個々の会社が何をするか定義する
  • 最初から全部提示しておく

それぞれ詳しく解説します。

契約前に確認しておくべき内容1.
弊社を選んだ理由や経緯をヒアリングする

1つ目は問合せをいただいた企業に、弊社を選んだ理由や経緯をより詳細にヒアリングするという対応です。

代理店に依頼した経験がある場合には、代理店とのトラブルで乗り換えるケースも珍しくありません。

代理店とどんなトラブルがあったのかを伺い、どちらに問題があったのかを客観視し、問合せをいただいた企業に問題がないかを判断しましょう。

あわせて、なぜ弊社を選んだのかという理由を聞くことで、情報に整合性があるかを確認しましょう。

契約前に確認しておくべき内容2
自社の
役割を明確にする

自社の役割を契約前に明確にすることも非常に重要です。

役割なんてもともと決まっていると感じている方もいらっしゃるでしょうが、契約ごとに確認しておかないと、プロジェクトが進んだときに揉めてしまうケースもあります。

自社にとっては役割が明確でも、クライアントには明確になっていないことでトラブルになってしまうなんてことは、代理店業界ではよく耳にする話です。

また、自社の役割とクライアントが考える代理店の役割にギャップがあることもよくあります。

契約後のトラブルを生まないためにも、契約前に各社の役割を確認しておきましょう。

これは、協業や紹介など、関わる企業が増える案件ではさらに入念に行なっておきたい項目です。

なるべく言語化・見える化して形に残る方法で、自社の役割を明確にすることをおすすめします。

契約前に確認しておくべき内容3
工数やスケジュールを
最初から全部提示しておく

役割を明確にすると同様に、工数やスケジュールを最初から提示しておくことも重要です。

工数やスケジュールを明確にすることで、クライアントとのスピード感や工程などの前提情報を増やすことができます。

クライアントにとってスピード感や工程などの情報は業務効率の観点から重要だと考えられていますが、この情報を契約前に明確に提示している代理店は少ないですし、確認されるクライアントも少ないです。

そのため、代理店側から工数やスケジュール感を明確にすると、クライアントから喜ばれることも多いです。

また、代理店としても

  • どこにどれくらいの工数がかかっているのか
  • 問題が起きた時にはどこで起きているのか
  • クライアントの確認はどこで発生するのか

など、業務フローを見える化できるため、管理をおこないやすくなるというメリットもあります。

取引先も協力的になるケースもありますし自社の対応も早くなるため、契約前には工数やスケジュールはクライアントに必ず明示しておきましょう。

【まとめ】代理店でも断る勇気を持って企業イメージを保とう

代理店は受注業のため、どんな案件でもとにかく受けて売上を伸ばそうと考えている企業も少なくありません。

しかし、中にはあえて断念した方が良い案件もあるです。

今回はインターネット広告代理業を長年続ける弊社の経験から、あえて断念するべき案件の特徴と対処法、契約前に確認するべき内容をお伝えしました。

断る勇気を持って、はっきりと断ることで企業イメージがよくなり、ブランディングにつながります。

今回のように事例付きでこのような情報が表に出ているケースは、珍しいかもしれませんね。

しかし、弊社としても全国の代理店のお力になれればとも考え、記事を公開しました。

依頼を断ることは決して悪いことではないので、きちんと精査した上で受注する選択肢も持っておきましょう。