本日9月15日、Googleがヘルプフルコンテンツアップデートの開始を発表しました。
9月8日までコアアルゴリズムアップデートが実施されていたので、このタイミングでの実施に驚かれた方も多いかもしれません。
この記事では、2023年9月のヘルプフルコンテンツアップデートの概要をお届けします。
- ホスト貸しへの対応
- サイトをフレッシュに見せるためだけの日付変更やコンテンツ削除への対応
- 生成AIコンテンツへの対応緩和
目次
【September 2023 helpful content update】2023年9月のヘルプフルコンテンツアップデートが開始
Googleは9月15日の午前5時20分(日本時間)にヘルプフルコンテンツアップデートの実施を発表しました。
Google Search Central のXアカウントで以下のようにポストしています。
2023 年 9 月のヘルプフルコンテンツアップデートでは、分類子が改善され、公開されます。完了までには2週間程度かかります。展開が完了したら、ランキングのリリース履歴ページを更新します。https://status.search.google.com/products/rGHU1u87FJnkP6W2GwMi/history
展開完了までは2週間程度かかるとのこと。
なお、ヘルプフルコンテンツアップデートはすでに過去2回実施されてきました。
初回は英語のみが対象でしたが、前回から全言語でグローバルに展開され、日本語も対象となりました。
- 2022年8月(英語のみ)
- 2022年12月(全言語でグローバル展開。日本語も対象に)
ヘルプフルコンテンツシステムとは
ヘルプフルコンテンツシステムは、ユーザーの役に立つオリジナルなコンテンツを高く評価し、検索結果で見つけやすくするためのランキングシステムです。
一方で、人間のためではなく検索順位の獲得のために作成された、役に立たないコンテンツや満足度の低いコンテンツの評価を下げるように調整します。
ヘルプフルコンテンツシステムはサイト全体を評価するシステムなので、低品質コンテンツを多く所有するサイトでは個々のコンテンツの順位にも悪影響が及ぶ可能性があります。
Googleは5月に予告していた
実は、Googleは今年の5月にヘルプフルコンテンツアップデートを数ヶ月以内に実施することを公式ブログで発表していました。
その際には以下のポストにも含まれるように、「隠れた宝石」を検索で見つけやすくすると表現されていました。
また、検索結果全体のランク付け方法も改善しています。ヘルプフルな情報は、フォーラムのスレッドのコメント、あまり知られていないブログの投稿、またはトピックに関する独自の専門知識を含む記事など、予期せぬ場所や見つけにくい場所に存在することがよくあります。我々 のヘルプフル コンテンツ ランキング システムでは、間もなく、特に検索結果の向上につながると考えられるこれらの「隠れた宝石」を検索でさらに表示するようになります。 https://blog.google/products/search/google-search-perspectives/ #GoogelO #Google
「隠れた宝石」というのは、「有益ですばらしいコンテンツなのに、検索結果であまり表示されていなかった、埋もれていたコンテンツ」といったニュアンスです。
現時点では、どのような傾向になるかまだわかりませんが、個人ブログの1記事や掲示板のスレッドなども有益(ヘルプフル)と判断されれば、上位表示されやすくなるかもしれません。
9月のヘルプフルコンテンツアップデートの注目ポイント
今回のヘルプフルコンテンツアップデートのタイミングで、Googleは各公式ドキュメントに大きく3つの変更を加えました。
※日本語版のドキュメントにはまだ反映されていません。
- ホスト貸しへの対応
- サイトをフレッシュに見せるためだけの日付変更やコンテンツ削除への対応
- 生成AIコンテンツへの対応緩和
それぞれ簡単に解説します。
1.ホスト貸しへの対応
「Google 検索のヘルプフル コンテンツ システムとウェブサイト(英語版)」のドキュメントに、ホスト貸しに対する注意喚起が追加されました。
以前から業界内ではホスト貸し・寄生サイトが問題視されていました。
下記のような文言が追加されています。
メイン サイトまたはサブドメインでサードパーティのコンテンツをホストしている場合は、コンテンツの有用性など、当社が生成するサイト全体のシグナルにそのようなコンテンツが含まれる可能性があることを理解してください。このため、そのコンテンツがメイン サイトの目的から大きく独立している場合、または厳密な監督やプライマリ サイトの関与なしに作成された場合は、 Google によるインデックス登録をブロックすることをお勧めします。
簡単にまとめると、
- 第三者へホスト貸しをしている場合、メインサイトの評価にも影響する
- メインサイトとコンテンツの目的や関連性が異なるなら、ブロックを推奨する
ということですね。
このホスト貸しの件については、Googleの Gary Illyes 氏もLinkedInにてコメントを公開しているので、こちらも要チェックです。
※9月21日追記
今回のヘルプフルコンテンツアップデートではまだホスト貸し・寄生サイトの対策シグナルは未導入とのこと。とはいえ、今後組み込まれる可能性があります。以下、鈴木謙一氏のポスト。
💀寄生サイト対策のシグナルは HCU にはまだ組み込まれていないとのこと。したがって、順位が下がってもいない。
ドキュメントには純粋に、検索エンジンファーストのコンテンツだとして追加されただけ。ゆくゆくは組み込まれるので、事前警告の目的もある。
とにかく寄生サイトは、まだそのまま https://t.co/wyrGhiBp23
— Kenichi Suzuki💫鈴木謙一 (@suzukik) September 21, 2023
2.サイトをフレッシュに見せるためだけの日付変更やコンテンツ削除への対応
「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成(英語版)」では、日付の変更やコンテンツの大量追加・削除に対する項目が追加されました。
- コンテンツが実質的に変更されていない場合でも、ページを新鮮に見せるためにページの日付を変更していますか?
- 新しいコンテンツを大量に追加していますか、それとも古いコンテンツを大量に削除していますか?主な理由は、サイトを何らかの形で「新鮮」に見せることで全体の検索ランキングが向上すると信じているからですか? (いいえ、そんなことはありません)
要は「サイトを表面上フレッシュに見せることによって、検索ランキングを操作しようとする行為は避けましょう」ということですね。
サイトをフレッシュに見せるために、実質的な変更のない日付更新や、コンテンツの大量追加・削除をするのは、本質的にユーザーの役に立つ改善ではないからです。
3.生成AIコンテンツへの対応緩和
「Google 検索のヘルプフル コンテンツ システムとウェブサイト(英語版)」では、「人間による(by people)」という言葉が削除されました。
コンテンツ作成者が人間であるかどうかは評価に関係ないことが再度示された形です。
引用元:Google September 2023 helpful content system update rolling out – Search Engine Land
最新の英語版(2枚目)では、「人間のために(for people)」という表現だけになりました。
日本語版では過去のバージョンがまだ残っているので、「人間が」という言葉がまだ残っているのが確認できます。
Googleはこれまでにも生成AIに対する考え方として、どのような作成方法かを問わず、その品質に重点を置いて評価する方針を示してきました。
ランキングの操作を目的としていればガイドライン違反になりますが、ユーザーファーストのコンテンツ作成であればAIを使用しても問題ありません。
もしヘルプフルコンテンツアップデートの影響を受けたら?
このアップデートによる影響の有無は、完全に展開が完了する2週間後まで待ってから判断しなければなりません。
もしヘルプフルコンテンツアップデートで全体的に順位が大きく下がったサイトは、コンテンツの作成方法を見直す必要があります。
Googleの公式ドキュメント「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」の各項目と照らし合わせてコンテンツ改善に取り組みましょう。
まとめ
9月のヘルプフルコンテンツアップデートに関する速報をお届けしました。
日頃からユーザーファーストのコンテンツを作成しているサイトにとっては、良い影響も期待できるかもしれません。
今回のドキュメントに追加されたポイントからも、Googleは直近の動向を踏まえて、適宜対応を進めていることが読み取れます。
今後のGoogleの動きにも注目しておきましょう。
株式会社エクスコアのコンテンツディレクター・ライター。
1996年生まれ。大学で言語学専攻を卒業したのち、エクスコアに入社。2020年からオウンドメディア「Webma」の運営に従事し、コンテンツ制作・編集・SEO業務に携わる。累計100記事以上を執筆し、PV数・CV数400%超成長に貢献。