「SEOを成功させるには良質なコンテンツが必要だ」
よく聞くフレーズですが、「良質なコンテンツ」が具体的に何を指すのか、わからない方も多いのではないでしょうか?
検索エンジン(Google)の性能が向上するにつれ、SEOでは「コンテンツの質」に重きが置かれるようになりました。
2021年現在では、「サイトの順位が上がらないのはコンテンツの質が低いからだ。良質なコンテンツを作ろう!」と結論づけられるケースも多くあります。
しかし「良質なコンテンツ」というのは、かなり曖昧な表現です。
そこで今回は、SEOにおける「良質なコンテンツ」がどのようなものなのか、Googleの記述を中心にまとめました。
- そもそもコンテンツとは
- なぜSEOでは「良質なコンテンツ」が求められるのか
- Googleが定義する「良質なコンテンツ」とは
- 著名人・著名サイトによる「良質なコンテンツ」の定義
- 「良質なコンテンツ」を作るためのSEOライティング
この記事を読めば、良質なコンテンツを作るためのヒントが得られるはずです。
「サイトを上位表示したい」とお考えの方はぜひ参考にしてください。
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目次
そもそもコンテンツとは
「コンテンツ」という言葉を聞くと、「記事」をイメージする方が多いかもしれません。
しかし「コンテンツ」が指す内容は、もっと広いものです。
コンテンツは本来、「中身」「内容」を意味する言葉。
SEOという文脈を考慮しなければ、Twitterの投稿やYouTubeの動画、さらにはマンガや音楽もコンテンツの一つです。
SEOにおいては、Webページ上で表示されている、あらゆる要素が「コンテンツ」になりえます。
Webページ上のコンテンツは、Googleの定義では以下の3種類に分類できます。
- メインコンテンツ(MC)
ページのメインとなるコンテンツ。
例として、テキストや画像、動画、電卓機能、ゲーム、ユーザーが作成したレビューなどが挙げられます。
メインコンテンツの品質は、ページの評価に大きな影響を与えます。
- 補足コンテンツ(SC)
より良いユーザー体験を実現するための、補足的なコンテンツ。
例として「ナビゲーションリンク(ユーザーがサイト内の別ページに遷移するためリンク)」が挙げられます。
- 広告・マネタイズ(Ads)
ページを収益化することを目的としたコンテンツ。
ただし、広告の有無が評価に影響するわけではありません。
参考:Google検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)- 10ページ
つまりGoogleは、テキストや画像といったメインコンテンツだけでなく、ページ上のリンクや広告も「コンテンツ」と捉えているわけです。
次の章では、「良質なコンテンツ」が必要な理由について解説します。
なぜSEOでは「良質なコンテンツ」が求められるのか
Googleは、ユーザーにとって便利な検索エンジンを作ることを第一に考えています。
ユーザーに焦点を当てることで、たくさんのユーザーにGoogleを利用し続けてもらえるからです。
「わからないことがあって検索したのに、疑問が全然解決しない」
「信頼できない情報や、役に立たない情報ばかり検索結果に並んでいる」
そんな「低品質なコンテンツ」ばかり勧めてくる検索エンジンなら、誰も使いたいとは思わないでしょう。
Googleが存在できるのは、Googleという「Q&Aシステム」でユーザーの疑問に答えてこそ。
「良質なコンテンツ」が提供できれば、ユーザーの疑問を解決し、満足させ、結果的にGoogleの利益も増やすことができます。
だからこそGoogleは、ユーザーファーストを理念に掲げ、良質なコンテンツを上位に表示できるように、アルゴリズムの改善を繰り返してきました。
最近では、Googleの品質基準がより厳しくなり、新規ページがインデックスされない事例も増えているようです。
参考:海外SEO情報ブログ – Googleにインデックスされないのは品質の水準が以前よりも厳しくなったためか?
つまり、コンテンツの質が低ければ、上位表示どころかインデックスすらされず、検索エンジンからサイトへの流入を増やすことはできません。
では、Googleはどのようなコンテンツを「良質」と見なすのでしょうか?
次の章で解説します。
Googleが定義する「良質なコンテンツ」とは
SEOにおいて重要なのは、ページを評価するGoogleが「どのようなコンテンツを良質と見なすのか」です。
とはいえ、「これが良質なコンテンツだ」とGoogleが明確に定めた定義はありません。
そこで、この章ではGoogle社員の発言や、Googleの記述をもとに「良質なコンテンツ」がどのようなものなのか、探っていくことにしましょう。
- 1.John Mueller氏の見解
- 2.検索エンジン最適化スターターガイドにおける記述
- 3.検索品質評価ガイドラインにおける記述
- 4.「質の高いサイトについてのガイダンス」における記述
1.John Mueller氏の見解
まずは、GoogleのスタッフJohn Mueller氏の発言をご紹介します。
2021年10月22日のウェブマスター向けオフィスアワーで、John Mueller氏はコンテンツの質に関して、次のように回答しています。
コンテンツの質に関して言えば、記事の文章だけを意味しているわけではありません。
あなたのウェブサイト全体の質のことです。
これには、レイアウト、デザイン、ページ上での表現方法、画像の統合方法、スピードの調整など、あらゆる要素が含まれます。
ですから、記事のテキストだけを見て、それ以外の要素を無視して「これは質の高いテキストだ」と評価するようなことはありません。
私たちは本当にウェブサイト全体を見たいのです。
引用元:YouTube – English Google SEO office-hours from October 22, 2021
※翻訳は弊社によるもの
この発言からわかるように、Googleから「良質なコンテンツ」と認識してもらうには、ユーザーにとって有益な情報を書くだけでは不十分です。
ユーザーがあなたのWebサイトを利用したときに触れる、あらゆる要素を整える必要があります。
たとえば、記事を作成する場合には、内容や論理だけでなく、視覚的にもわかりやすい必要があります。
また、すぐに情報を取得できるような構成・表示スピードにしなければなりません。
ユーザーがストレスを感じてしまう要因が多ければ、それだけ「良質なコンテンツ」からは遠ざかってしまいます。
2.検索エンジン最適化スターターガイドにおける記述
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイドは、WebサイトをGoogleに最適化するための推奨事項がまとめられた資料です。
このガイドでは「コンテンツを最適化する」方法として、以下の7項目が紹介されています。
- 興味深く有益なサイトにする
- 読者が求めているものを把握して提供する
- ユーザーの信頼を得られるようにサイトを構築する
- 専門性と権威性を明確にする
- テーマに応じた適切な量のコンテンツを提供する
- 気が散る広告を避ける
- リンクを上手に使う
参考:検索エンジン最適化スターターガイド – コンテンツを最適化する
それぞれの項目について、細かなヒントも記載されているので、実際に上記資料に目を通しておくことをおすすめします。
ガイドをよく読んでみると、SEOでよく話題に上がる以下の要素が重要なことが理解できます。
- 検索意図の把握(「読者が求めているものを把握して提供する」を参照)
- E-A-T(「ユーザーの信頼を得られるようにサイトを構築する」「専門性と権威性を明確にする」を参照)
- 独自性(「読者が求めているものを把握して提供する」を参照)
検索意図・E-A-Tに関しては、当サイトの別記事でも詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
SEOで重要な検索意図とは?正確に把握してコンテンツに活かす方法
E-A-Tとは?Googleが重要視する理由と具体的なSEO対策
3.検索品質評価ガイドラインにおける記述
検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)は、Googleが検索の品質を評価することを目的に作成したガイドラインです。
Googleは外部の評価者を採用し、このガイドライン(マニュアル)に沿って検索結果を評価してもらっています。
評価者たちによる評価は、あくまでも検索アルゴリズムの改善に役立てるためのものなので、実際に個々のサイトの順位づけに使われるわけではありません。
とはいえ、良質なサイトを作るためのヒントがたくさん詰まっています。
検索品質評価ガイドラインによると、Googleは主に2つの軸で検索結果の評価をおこなっています。
- Page Quality評価(ページの品質の高さを評価)
- Needs Met評価(ユーザーニーズとの一致度を評価)
Page Quality評価で最高評価(「 Highest Quality Pages :最高品質のページ」)を得るページの特徴は以下のとおり。
最高品質のページとは、有益な目的のために作成され、その目的を非常によく達成しているページです。[中略]
- 非常に高いレベルの専門性、権威性、信頼性(E-A-T)。
- 非常に満足のいく量の高品質または最高品質のMCがあること。
- ページ上のMCに責任を持つウェブサイトに対する非常に肯定的なウェブサイト評価。ウェブサイトと異なる場合は、MCの作成者に対する非常に肯定的な評価。
引用元:検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)- 26ページ
※翻訳は弊社によるもの。MCはメインコンテンツの略です。
目的というのは、たとえば「ニュースサイト」なら「ニュースを伝える」、「通販サイト」なら「製品情報の提供や販売」など、ユーザーの役に立つ目的です。
上記の「高品質または最高品質のMC(メインコンテンツ)」がどのようなものかについては、以下の記述が参考になります(一例として記載されている内容です)。
情報コンテンツの場合: 非常に高品質のMCは、独創的で、正確で、包括的で、明確に伝達され、専門的に提示されており、必要に応じて専門家のコンセンサスを反映する必要があります。さまざまな種類の情報に対する期待は異なる場合があります。たとえば、科学論文には、切手収集などの趣味に関する情報とは異なる一連の基準があります。ただし、すべてのタイプの非常に高品質の情報コンテンツは、トピックまたは分野に適した基準を満たすことに加えて、正確性、包括性、および明確なコミュニケーションという共通の属性を共有しています。
引用元:検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)- 26ページ
※翻訳は弊社によるもの。
一方、Needs Met評価で最高評価(「Fully Meets:完全に満たしている」)を得るページの特徴は以下のとおり。
すべてのまたはほとんどすべてのモバイルユーザーは、その結果にすぐに完全に満足し、そのニーズを満たすために他の結果を見る必要はないでしょう。
引用元:検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)89ページ
※翻訳は弊社によるもの
両方の評価指標を踏まえると、やはり
- E-A-T
- 検索意図を満たす(再検索させない)
が「良質」であるための条件といえるでしょう。
4.「質の高いサイトについてのガイダンス」における記述
質の高いサイトがどのようなものかについて、Googleは2011年にセントラルブログ「質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス」に具体的に記載しています。
これは、コンテンツの質を自己評価するためのチェックリストのようなもので、計23項目がまとめられています。
各項目を自身のコンテンツに当てはめてみることで、本当に「良質」といえるのか判断できるでしょう。
たとえば、以下のような質問です(例として一部抜粋して引用)。
- 記事は、独自のコンテンツや情報、独自のレポート、独自の調査、独自の分析を提供しているか。
- 記事は、特定のトピックに対して包括的または完全な説明を提供しているか。
- 自らブックマークしたり、友人と共有したり、友人にすすめたくなるようなページか。[…]
質問には、ページの内容や専門性に関するものから、表記に関するもの、サイト全体に関するものまで含まれます。
各項目の詳細は、上記のリンク先で確認してみてください。
Googleがどのようなコンテンツを「良質」と見なすか、おおよそ理解できたでしょうか?
次の章では、著名人・著名サイトによる「良質なコンテンツ」の定義を見ていきましょう。
著名人・著名サイトによる「良質なコンテンツ」の定義
ここでは、「良質なコンテンツ」を作るためのヒントになるような、著名人や著名サイトによる発言・記述をご紹介します。
- バズ部さん
- SEOコンサルタントおおきさん
- ベイジ枌谷さん
※弊社なりの解釈を加えています。
1.バズ部さん
「バズ部」は株式会社ルーシーが運営するオウンドメディアです。
SEOやコンテンツマーケティングに関する情報を提供しており、業界内でもよく知られたメディアです。
バズ部さんは、以下の3つの条件を満たすものを「良質なコンテンツ」と定義しています。
- その人が求めているどんぴしゃりの情報を届け、
- その人の潜在的な悩みや願望を完璧に解決させ、
- さらに120%満足してもらえるページ
バズ部さんの定義にもとづけば、ユーザーが求める情報を提供するだけでは「良質なコンテンツ」とはいえません。
ユーザーが求める情報の先にある「潜在ニーズ」まで満たし、ユーザーの願望を叶えてはじめて「良質」になります。
上記のようなコンテンツを作るには、
- 読み手が「誰」なのか
- どのような「悩み」を持っているのか
を明確にイメージすることが重要でしょう。
2.SEOコンサルタントおおきさん
おおきさんは、SEO・マーケティングのコンサルタントをされている方です。
各種SNSでコンテンツ作成や、マーケティングに関して有益な情報を発信しています。
おおきさんは、「良質なコンテンツ」について次のようにツイートしています。
Googleの言う「良質なコンテンツ」とは
×アルゴリズムで判定する
⚪︎ユーザーが「良い」と思ったっぽい動きをしたものを良いと判定する側面が強い。
・長居してくれたか
・誘導した行動を取ったか
・何度も来てくれたか
・シェアやリンクしてくれたか 等読者を動かせるコンテンツを目指したい。
— おおき/SEO (@ossan_mini) April 1, 2021
「読者を動かせるコンテンツ」はSEOの観点だけでなく、自分たちの目的を達成するという意味でも、良質といえるでしょう。
ちなみにGoogleのJohn Mueller氏は、個々のページの評価に「滞在時間」や「直帰率」、「クリック率」などのユーザー行動指標を利用しないと公言しています。
参考:English Google Webmaster Central office-hours hangout
しかし、検索アルゴリズムの評価にはユーザーの行動指標が役立てられているとのこと。
Bingではユーザーの行動指標がランキング要因になっていることを考慮すると、実際にはGoogleもユーザーの行動指標を利用している可能性があります。
参考:Bing Webmaster Guidelines
いずれにせよ、読者が記事をシェアしてくれると、それは「被リンク」や「サイテーション」になり、SEOにも間違いなくプラスに働きます。
「良質」かどうかを考えるうえで、「読者を動かせるかどうか」考えてみるのも大切です。
3.ベイジ枌谷さん
枌谷さんは、ウェブ制作会社ベイジの代表をされている方です。
UIデザインやライティング、SNS運用まで幅広いテーマで情報発信をされている、コンテンツ制作のプロです。
そんな枌谷さんは、「良質なコンテンツ」に関して以下のようにツイートしています。
「良質なコンテンツとは何か?」という問いに対する私の解は、このスライドです。 pic.twitter.com/bDUy5Meov7
— sogitani / baigie inc. (@sogitani_baigie) June 24, 2020
枌谷さんの考え方にもとづけば、「良質なコンテンツ」は「ユーザーの心を動かす」もの。
ポイントは、ユーザーの心を動かした結果として、コンテンツがその人の「記憶に残る」ということです。
ユーザーの記憶に残れば、たとえその場でユーザーがアクションを起こさなかったとしても、長期的に良い関係を築ける可能性があります。
ユーザーの心を動かせるコンテンツを作るには、事前にターゲティングや調査をおこなうことはもちろん、文章構成への配慮や、独自のストーリーを用意するなど手間をかける必要があります。
ここまで、Googleによる説明や著名人・著名サイトによる定義を確認しました。
いずれの考え方にも共通しているのは、「ユーザー」が基準になっていることです。
抽象的にはなってしまいますが、良質なコンテンツは「ユーザーのことを考え抜いたコンテンツ」といえるのではないでしょうか。
「良質なコンテンツ」を作るためのSEOライティング
「良質なコンテンツ」の定義を見てきましたが、「定義がわかっても、その良質なコンテンツが作れないから困っている」という方も多いでしょう。
そんな方は、まず以下の15項目を意識してコンテンツを作成してみましょう。
- 検索意図に応える
- ユーザーが知りたい情報から出す
- 独自性を高める
- E-A-Tを高める
- PREPを意識する
- リード文でユーザーのモチベーションを高める
- 見た目を整える
- ユーザーに次のアクションを促す
- 一文をシンプルにする
- 読みやすい表現を心がける
- タイトルにはキーワードを含める
- ディスクリプションで内容を伝える
- 見出しにはhタグを使う
- 画像はalt属性を記述する
- リンクはアンカーテキストで内容を示す
弊社が「良質なコンテンツ」を作るために実践していることです。
上記の15項目の実践的な内容は、下記のページでご確認ください。
本当に上位表示したい人のためのSEOライティング|15のコツ
【まとめ】良質なコンテンツを作成して検索上位を狙おう
Googleは「良質なコンテンツ」を検索上位に表示できるよう、アルゴリズムの改善を繰り返しています。
今後、検索流入を増やしていきたいなら、良質なコンテンツづくりに注力しましょう。
良質なコンテンツにするには、少なくとも以下の要素を意識すべきです。
- 検索意図
- E-A-T(専門性・権威性・信頼性)
- 独自性
ただし、Googleが考える「良質なコンテンツ」は、サイト(あるいはページ)全体として良質であることを意味します。
ユーザーのことを第一に考え、ユーザーが使いやすく満足できるサイトを作りましょう。
「良質なコンテンツ」をどう定義するか、またGoogleの記述をどう解釈するかについては、さまざまなご意見があると思います。
もし今回の記事内容に関して、「自分はこう考えている」「ここはこんな解釈もできるのでは?」など、ご意見のある方は、SNSで「#Webma」をつけてご意見いただけると幸いです。
SNSへの投稿は、
- PCの場合、画面左のSNSボタンから
- スマートフォンの場合、下記バナーの下に掲載されているSNSボタンから
おこなうことができます。
株式会社エクスコアのコンテンツディレクター・ライター。
1996年生まれ。大学で言語学専攻を卒業したのち、エクスコアに入社。2020年からオウンドメディア「Webma」の運営に従事し、コンテンツ制作・編集・SEO業務に携わる。累計100記事以上を執筆し、PV数・CV数400%超成長に貢献。