お店を選ぶとき、実に86%もの人が口コミを参考にしていることをご存知でしょうか?
今や広告以上に、実際に利用したお客さまの「生の声」こそが、次のお客さまを呼び込むための強力な決め手となっています。
しかしその一方で
「サービスの質には自信があるのに、なぜか口コミが増えない…」
「たった1件の悪い口コミがずっと残っていて困る…」
このような悩みは尽きません。
ライバル店にたくさんの高評価レビューが並んでいるのを見ると、焦ってしまい「特典を渡して口コミを書いてもらう」といった、少し強引な方法に頼りたくなる気持ちも分かります。
しかし、こうした行為はGoogleの規約違反であり、口コミが削除されたり、お店のアカウントが停止されたりする深刻なリスクが伴います。
だからこそ、お店の信頼を地道に積み重ねる「正攻法」で口コミを増やすことが重要になるのです。
この記事では、次の内容について詳しくご紹介します。
- なぜGoogleマップの口コミを集める必要があるのか?
- 【注意】違反行為で口コミを集めるリスクは大きい
- 口コミを正攻法で増やす10のアプローチ
- やってはいけない口コミの集め方
今日からすぐに実践できる具体的な方法も満載です。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
なぜGoogleマップの口コミを集める必要があるのか?
先ほど、お客さまの86%が口コミを参考にお店を選んでいる、とお伝えしました。
口コミが増えればお客さまに選ばれやすくなる、という点はもちろんですが、口コミを集めるべき理由はそれだけではありません。
ここでは、さらに別の角度から口コミを集める必要性について見ていきましょう。
- 理由1. 口コミは自発的に増えにくいから
- 理由2. Googleマップで上位に表示されやすくなるから
- 理由3. お店がもっと良くなるヒントがもらえるから
それぞれ詳しく解説します。
理由1. 口コミは自発的に増えにくいから
素晴らしいサービスを提供したとしても、お客さまが自ら「口コミを書こう」と思ってくれることは、残念ながらあまり多くありません。
反対に、少しでも不快なことがあると、その内容は投稿されやすい傾向にあり、強い不満を抱いたお客さまの声だけが目立ってしまうこともあります。
だからこそ、お店側から積極的にお声がけをする姿勢が、お店の正当な評価を得るために求められるのです。
理由2. Googleマップで上位に表示されやすくなるから
Googleは口コミの数と評価の質を、検索順位を決めるうえでの重要な要素として公表しています。
クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。
引用元:Googleビジネスプロフィールヘルプ
つまり、良い口コミが増えれば、Googleマップでお店の情報が上位に表示されやすくなるということです。
上位に表示されれば、お店を探している人の目に留まる機会がぐっと増えます。
その結果、新しいお客さまが増え、さらに口コミも集まりやすくなる、というビジネスにとっての好循環が生まれるのです。
理由3. お店がもっと良くなるヒントがもらえるから
口コミは、お客さまから直接いただける、貴重なフィードバックの機会でもあります。
たとえば、スタッフだけでは気づけなかったサービスの改善点や、お客さまがとくに喜んでくれている意外なポイントなど、お店をより良くするためのヒントがたくさん隠されています。
お客さまの率直なご意見に真摯に耳を傾ける姿勢が、長く愛されるお店作りの基礎となるのです。
【注意】違反行為で口コミを集めるリスクは大きい
「手っ取り早く口コミを増やしたい」という気持ちから、Googleのガイドラインに反する方法に手を出してしまうお店は少なくありません。
周りのお店がグレーな方法で口コミを集めているのを見ると、つい真似したくなることもあるでしょう。
しかし、不正な口コミ集めは長期的に見てリスクがあまりにも大きい行為です。
ここでは、違反行為のリスクと低評価に対しての考え方について、解説します。
※どんな方法がルール違反になるのか、具体的な例は後ほど「やってはいけない口コミの集め方」で詳しく解説します。
違反行為のリスク
「良い評価だけが欲しい」と安易な方法に頼ってしまうと、逆にお店の評判を大きく損なう可能性があります。
近年、”サクラ”や”やらせ”といったステルスマーケティングへの社会的な目は非常に厳しくなっており、もちろんGoogleも対策を強化しています。
とくに注意したいのが、Googleが導入を進めている「アラート機能」です。
これは、Googleが不正な口コミを発見して削除した際に、「Googleによって口コミが削除されました」といった通知が、一般のユーザーにも表示される仕組みです。
もし不正が発覚すれば、これまでコツコツ築き上げてきたお店の信頼は一瞬で崩れ去る危険性があります。
その後の店舗運営においても、ネガティブな印象がいつまでもついて回る深刻な事態を招くかもしれません。
さらに、ペナルティとしてGoogleビジネスプロフィール自体が停止されたり、最悪の場合は削除されたりするリスクもあります。
低評価=悪いのもの、とは限らない
口コミを増やす対策をすると「低評価も多く付くかもしれない」と心配になるものです。
しかし、実際には低評価の口コミがあったほうが、口コミ全体の信頼性が高まります。
Capterraの調査によれば、本物のレビューを見分けるポイントとして、消費者の43%が「ネガティブなレビューもあること」を挙げています。
参考:キャプテラ2022「オンラインカスタマーレビューに関する調査」
高評価ばかりが並んでいる状態は、かえって「何か裏があるのでは」と、ユーザーに不自然な印象を与えてしまう可能性があるのです。
また、低評価の口コミに書かれている内容は、サービスの質をさらに高めるための「貴重な改善のヒント」になります。
お客さまからの改善のヒントと捉え、前向きに活用していく姿勢が大切です。
口コミを正攻法で増やす10のアプローチ
ここまで、口コミの重要性やルール違反のリスクについて解説してきました。
では、いよいよ具体的に、口コミを正攻法で増やすためのアプローチを見ていきましょう。
ここでは、弊社が実際にお客さまにご提案し、効果のあった方法を中心に10個のアプローチをご紹介します。
口コミを正攻法で増やすアプローチ | 難易度 | 影響範囲 |
1.QRコードを発行し店内に設置する | ★★☆ | ★★☆ |
2.会計時に利用者に直接声をかける | ★☆☆ | ★☆☆ |
3.チラシの掲載・カードの配布 | ★★☆ | ★★☆ |
4.サンクスメールで投稿を依頼する | ★☆☆ | ★★☆ |
5.投稿のハードルを下げる | ★☆☆ | ★☆☆ |
6.ホームページのフッター・公式LINEのメニューにリンクを追加する | ★★★ | ★★★ |
7.既存の口コミがあれば返信する | ★☆☆ | ★★☆ |
8.店舗やサービスの売りを明確して情報発信する | ★★☆ | ★★★ |
9.Googleビジネスプロフィールを充実させる | ★★☆ | ★★★ |
10.サービスの質を向上させる | ★★★ | ★★★ |
それぞれの手法に「難易度(どのくらい手間がかかるか)」と「影響範囲(どのくらい多くの人に届くか)」を★で示しました。
「今日からすぐにできることから試したい!」といった方は、難易度★1つのものがおすすめです。
ご自身の状況に合わせて、取り組みやすいものから選んでみてください。
1.QRコードを発行し店内に設置する
難易度:★★☆ 影響範囲:★★☆
お店のレジ横やテーブルに口コミ投稿用QRコードを設置して、口コミを書いてもらう方法です。
QRコードを読み取ってもらうと、Googleマップの口コミ投稿画面に直接アクセスできます。
お客さまにとっては、わざわざGoogleマップでお店を検索する手間が省けるため、投稿のハードルが下がり、口コミを書いてもらいやすくなるでしょう。
QRコードの発行方法は次のとおりです。
1.Googleビジネスプロフィールの管理画面を開き「クチコミを読む」をクリック
2.クチコミを増やすをクリック
3.表示されるQRコードを右クリックで保存する
QRコードを保存できたら、印刷してお客様の目に止まる場所に設置しましょう。
2.会計時に利用者に直接声をかける
難易度:★☆☆ 影響範囲:★☆☆
お客さまが会計を終えるタイミングで、直接口コミ投稿をお願いする方法もおすすめです。
ただし、伝え方を間違えるとルール違反になる可能性もあるため、以下のOK例・NG例をご覧ください。
◎「本日はありがとうございました。もしよろしければ、今後のサービス向上のためにGoogleマップの口コミ投稿にご協力いただけますと幸いです。」
◎「本日のサービスはいかがでしたか?お客さまの率直なご意見を、ぜひGoogleマップの口コミでお聞かせいただけるとうれしいです。」
×「★5をつけて、口コミ投稿をお願いします。」
×「良い口コミを書いていただけるとうれしいです。」
星の数を指定したり、高評価を促したりして獲得した口コミは、公平な意見ではないと判断されるため、Googleの規約違反となります。
あくまでも、口コミ投稿をお願いする際は、お客さまの自由な意思に任せることが重要です。
3.チラシの掲載・カードの配布
難易度:★★☆ 影響範囲:★★☆
弊社作成のチラシ例
口コミのお願いを記載したチラシや、名刺サイズのカードをお客さまにお渡しする方法です。
お客さまが持ち帰ってあとから見返せるため、投稿を思い出すきっかけになります。
とくに、帰宅後にゆっくりと感想を書きたいと考えているお客さまには有効な施策です。
先ほどご紹介したQRコードを印刷して、レジ横やテーブルに置いておくだけでも良いでしょう。
たとえば飲食店なら、食事が終わったあとすぐにスマートフォンで読み取って投稿してもらいやすくなります。
4.サンクスメールで投稿を依頼する
難易度:★☆☆ 影響範囲:★★☆
商品購入後やサービス利用後に送るお礼のメール(サンクスメール)に、口コミ投稿のお願いを添える方法です。
来店時には忙しくて頼めなかったお客さまにも、改めて丁寧にお願いできます。
「この度は当店をご利用いただき、誠にありがとうございました。差し支えなければ、今後のサービス改善のため、Googleマップに率直なご感想をお聞かせいただけますと幸いです。」
このような丁寧な文章に、口コミ投稿ページのリンクを添えて送りましょう。
口コミ投稿ページのリンクは、先ほど「QRコードを店内に設置する」でご紹介した手順で取得できます。
5.投稿のハードルを下げる
難易度:★☆☆ 影響範囲:★☆☆
口コミをためらう理由の一つに、「何を書けばいいか分からない」「文章を考えるのが面倒」というものがあります。
そんなお客さまの心理的なハードルを下げるために、なぜ口コミをお願いしたいのか「目的」を伝え、具体的なアクションを提案してあげるのが効果的です。
- 「今後のサービス改善の参考にさせていただきたいので、どんな些細なことでもご意見いただけるとうれしいです。」
- 「もし文章を考えるのが大変でしたら、星評価だけでも大歓迎です。」
このように一言添えるだけで、お客さまは「それなら…」と、気軽に投稿しやすくなります。
6.ホームページのフッター・公式LINEのメニューにリンクを追加する
難易度:★★★ 影響範囲:★★★
お店の公式ホームページやLINE公式アカウントを訪れる人は、あなたのお店に強い興味を持っている可能性が高いお客さまです。
こうした「ファン」が集まる場所に口コミ投稿への入り口を用意しておくことで、質の高い口コミにつながる可能性があります。
とくにLINE公式アカウントでは、トーク画面の下に常に表示される「リッチメニュー」に、「当店の感想をお願いします」といったボタンを設置するのがおすすめです。
リッチメニューとは
「リッチメニュー」は、トーク画面下部(キーボードエリア)に固定で表示されるタイル状のメニューです。リッチメニューには、クーポンやショップカードなどのLINE公式アカウントの機能のほか、ECサイトや予約サイトなど、外部サイトへのリンクを設定できます。
7.既存の口コミがあれば返信する
難易度:★☆☆ 影響範囲:★★☆
お店に入った口コミにまだ返信していない場合は、ぜひ今日から返信をしてみましょう。
お店が一つひとつの口コミに丁寧に返信しているのを見ると、それを見た他の人は「このお店は、お客さまの声を大切にしているんだな」と感じます。
それが「自分も意見を伝えてみよう」という投稿のきっかけになるのです。
ポイントは、コピペの定型文ではなく、その口コミの内容に合わせた個別のメッセージを送ることです。
「しっかり読んでくれている」という気持ちが伝わり、お店への信頼感が高まります。
- 「〇〇についてのご意見ありがとうございます。」
- 「〇〇の点に、ご満足いただけたようでうれしいです。」
なお、口コミへの返信機能を使うには、Googleビジネスプロフィールのオーナー確認(無料)が必要です。
お済みでない方は、まずオーナー確認を済ませましょう。
※オーナー確認の方法について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
7.店舗やサービスの売りを明確して情報発信する
難易度:★★☆ 影響範囲:★★★
良い口コミは、お客さまがお店やサービスの魅力に「共感」したときに生まれます。
そのためにも、ホームページやSNSで「うちのお店のこだわりはここ」「他とはここが違う」という強みを、積極的に発信しましょう。
お客さまがお店の魅力を再認識することが、口コミ投稿の強い動機になります。
また「ここがすごい」というポイントを明確に伝えておくことで、口コミの内容が具体的になり、他のお客さまへの説得力も増します。
- (1) 商品のこだわり
「当店のコーヒー豆は、〇〇農園から直接仕入れた希少な豆を、店内で丁寧に自家焙煎しています。フルーティーな香りとすっきりとした後味が自慢です。」
- (2)技術や資格
「当店の整体師は、国家資格である〇〇の免許を保有しています。お客さま一人ひとりの体の悩みに合わせた施術で、根本的な改善を目指します。」
- (3)創業からのストーリー
「創業以来、地元の食材を活かした料理を提供することにこだわってきました。地域の〇〇農家さんと提携し、新鮮な旬の野菜をたっぷり使ったメニューを日々開発しています。」
- (4)お客さまへの想い
「当店は、お子さま連れのお客さまにも安心してくつろいでいただきたいという想いから、キッズスペースや授乳室を完備しています。ご家族で楽しい時間を過ごしていただけたらうれしいです。」
9.Googleビジネスプロフィールを充実させる
難易度:★★☆ 影響範囲:★★★
Googleビジネスプロフィールとは、Google検索やGoogleマップ上のお店の情報を管理できる無料の公式ツールです。
プロフィール内の情報を隅々まで充実させると、Googleマップ検索で上位に表示されやすくなります。(これが、MEOと呼ばれるものです。)
お店が多くの人の目に触れることで、知名度が上がり、口コミ投稿の機会も自然と増加するでしょう。
そして、口コミが増えると、Googleに評価されてさらに上位に表示されやすくなるという好循環が生まれるのです。
具体的には、お店の基本情報・写真・最新の営業時間・メニュー・サービスの内容といった項目をできる限り詳しく埋めていきましょう。
Googleマップで上位表示させる方法については、下記でも解説しています。
もし「更新する時間がない」「頑張っているのに上位に表示されない」といった悩みがあれば、MEOを専門とする会社に相談するのも手段の1つです。
自社業界の特性を理解したプロに任せることで、より効果的な対策が期待できます。
エクスコアでは、2000社以上の多様な業界のお客さまのMEO対策を支援してきた実績がございます。
お気軽にご相談ください。
10.サービスの質を向上させる
難易度:★★★ 影響範囲:★★★
ご紹介した方法の中でも、この方法は地道な努力が必要で最も難しい取り組みかもしれません。
しかし、良い口コミを得るための本質的な方法でもあります。
たとえば、飲食店なら料理の味はもちろん、店員の接客態度やお店の清潔さにも気を配る必要があるでしょう。
期待を超えるような心地よいサービスは、お客さまの心に深く残り、「このお店を他の人にも勧めたい」「感謝を伝えたい」という動機につながるものです。
日々の改善を積み重ねてサービス全体の質を向上させることが、結果として口コミを増やし、長期的に多くの人から愛されるビジネスへと成長する鍵となります。
やってはいけない口コミの集め方
口コミを早く、たくさん増やしたいという気持ちから、つい手を出したくなるような方法が存在します。
しかし、これからご紹介する方法は、Googleのルールに違反する可能性が極めて高く、最悪の場合、お店のGoogleビジネスプロフィールが停止・削除されるといった深刻なペナルティにつながります。
- プレゼントの見返りとして口コミ投稿を依頼する
- 口コミ投稿を条件に商品を割り引く
- 口コミ代行業者に投稿を依頼する
- プレゼントキャンペーンの応募条件を高評価の口コミに設定する
- 口コミの内容を指定する
- 良い評価の口コミだけを誘導するツールを使う(レビューゲーティング)
- 自作自演で口コミを投稿する
- 従業員にインセンティブを渡して口コミ獲得数を競わせる
「知らず知らずのうちにやっていた」というリスクを避けるためにも、どのような集め方が不適切なのかを正しく理解しておきましょう。
1.プレゼントの見返りとして口コミ投稿を依頼する
「Googleの口コミを投稿してくれたら、ドリンク一杯プレゼント」といったキャンペーンは、お客さまにも喜んでもらえそうで、ついやりたくなってしまいますよね。
しかし、このような見返り(インセンティブ)を渡して口コミをお願いする行為は、Googleの規約で明確に禁止されています。
- 企業が提供するインセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)が誘因となって投稿されているコンテンツ。
Googleは、口コミが「正直で、偏りのない意見」であることを非常に重視しています。
なぜなら、それが他のユーザーがお店を選ぶ際の、信頼できる情報になるからです。
もし特典がもらえるとなると、純粋な感想ではなく「特典をもらうため」に口コミが書かれてしまい、情報の信頼性が損なわれる、とGoogleは考えているのです。
2.口コミ投稿を条件に商品を割り引く
口コミの投稿を条件として、商品やサービスを割り引くことも不適切な方法となります。
「★5評価の画面を見せてくれたら、お会計から10%OFF」というような案内が、これに該当します。
実際に2024年、消費者庁は「高評価の口コミの見返りとしてサービス割引」を実施した企業に対して、景品表示法違反(ステルスマーケティング)として初の行政処分をおこないました。
参考:「値引きするから」と口コミ「星5」を荒稼ぎしたクリニック「ステマ天国」日本、やらせ規制はまだユルい:東京新聞デジタル
このように、お金や割引で良い評価を意図的に作らせる行為は、Googleからだけでなく、国の機関からも処分を受ける対象になることを、知っておく必要があります。
3.口コミ代行業者に依頼する
「口コミ代行業者」に依頼し、お金を払って口コミを書いてもらうすることも避けるべきです。
たとえば、インターネットで「高評価のGoogle口コミを50件保証します」といった宣伝文句で、営業している業者を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。
実は、こうした業者はお店を利用したことのない人に嘘の口コミを書かせたり、複数のアカウントを不正に作成したりして、口コミを増やしている可能性があるのです。
これはGoogleのポリシーが禁じる「虚偽のエンゲージメント」や「なりすまし」に該当する行為といえます。
虚偽のエンゲージメント
- 実体験に基づいておらず、対象の場所や商品を正確に表現していないコンテンツ。
…
なりすまし
Google マップを利用して他のユーザーを欺く行為は、世界のあらゆる場所を探索するユーザーに有益な情報を提供するという Google の理念に反します。Google マップを使って他人、他のグループや組織のなりすましを行わないでください。
これには以下が該当します。
- 他人、グループ、組織になりすまして投稿または共有されるコンテンツ。
- 確認済みの信頼できる情報源になりすましているコンテンツ。
個人または組織の別名を含むコンテンツは、他者を欺く意図がない場合に限り認められます。
偽りの評価は、他のユーザーやGoogleのシステムからも見抜かれることが多く、発覚した際にはお店の信頼を大きく損なう結果を招きます。
4.プレゼントキャンペーンの応募条件を高評価の口コミに設定する
「★5の口コミを投稿してくれた方の中から抽選でプレゼント」といったキャンペーンは、ガイドライン違反となります。
なぜなら、プレゼントをちらつかせることで、ユーザーに高評価を「半ば強制している」と見なされるためです。
Googleは、すべてのユーザーが体験に基づいた正直な感想を、自由に表現できることを重視しています。
応募条件に評価の基準を設けることは、この自由な意見表明を妨げてしまう可能性があります。
5.口コミを良い内容で書くように誘導する
お店に都合の良い内容を書くよう誘導するのはルール違反です。
たとえば、次のような声かけはNGな例です。
- 「スタッフの対応が親切だった」と入れていただけるとうれしいです。
- 当店の〇〇(商品名)の良さについて、ぜひ書いてください。
- 「新商品の〇〇がとくに美味しかった」と感想をいただけませんか?
- 今回はとくに効果を実感いただけたと思うので、「1回で変化がわかった」と書いてください。
これらの声かけで書いてもらった口コミは、お客さまの「正直な感想」ではないとみなされる可能性があるのです。
お店側が伝えたい魅力は、口コミで依頼するのではなく、自社のウェブサイトやGoogleビジネスプロフィールの「投稿機能」で発信すると良いでしょう。
6.良い評価の口コミだけを誘導するツールを使う(レビューゲーティング)
お店にとって都合の良い、高い評価の口コミだけを集めようとする行為は「レビューゲーティング」と呼ばれ、Googleの規約で禁止されています。
【レビューゲーティングの典型的な手法】
1. まず、お客さまに「サービスに満足しましたか?」といった簡単なアンケートに答えてもらう
2. 「満足した」と答えたお客さまだけを、Googleの口コミ投稿ページへ案内する
3. 一方、「不満だった」と答えたお客さまには、口コミ投稿ページへ案内せず、お店独自の意見フォームに誘導する
このように、不満の声が表に出ないようにして、満足したお客さまの声だけを集めるのは、口コミの公平性を損なう行為とされ、ペナルティの対象となる可能性があるのです。
レビューゲーティングについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
7.自作自演で口コミを投稿する
ご自身で良い評価の口コミを投稿することも、避けましょう。
なぜなら、Googleのポリシーで禁止されている「なりすまし」に該当する行為となるためです。
「匿名だからバレないのでは?」と考えがちですが、Googleはアカウントの活動履歴や投稿場所(IPアドレスや位置情報)などを分析しているため、不自然な投稿は検知され、発覚する可能性が高いです。
また、オーナー様自身だけでなく、お店の従業員に口コミ投稿をお願いすることも、利害関係者からの投稿と見なされるためNGです。
8.従業員にインセンティブを渡して口コミ獲得数を競わせる
スタッフのやる気を引き出すために、「口コミを1件獲得したら〇〇円」といった報酬(インセンティブ)制度の導入を考える方もいるかもしれません。
この行為自体は、Googleのポリシーで直接的に禁止されているわけではありませんが、避けるべきでしょう。
なぜなら、報酬が目的となってしまうことで、従業員がお客さまへ過度なプレッシャーを与えてしまう恐れがあるからです。
お客さまが「口コミの投稿を強く求められた」と感じてしまえば、それはお店への不快感につながるでしょう。
目指すべきは、素晴らしいサービスを体験したお客さまが、自然と「このお店を応援したい」と思って口コミを書いてくれる状態です。
従業員への評価は、口コミの数ではなく、お客さまへの真摯な対応といった本質的な部分でおこなうのが良いでしょう。
【まとめ】正攻法で口コミを集めることが長期的な利益になる
本記事では、Googleマップの口コミを増やすための具体的な10のアプローチと、やってはいけないNGな集め方について詳しく解説しました。
口コミを正攻法で増やすアプローチ | 難易度 | 影響範囲 |
1.QRコードを発行し店内に設置する | ★★☆ | ★★☆ |
2.会計時に利用者に直接声をかける | ★☆☆ | ★☆☆ |
3.チラシの掲載・カードの配布 | ★★☆ | ★★☆ |
4.サンクスメールで投稿を依頼する | ★☆☆ | ★★☆ |
5.投稿のハードルを下げる | ★☆☆ | ★☆☆ |
6.ホームページのフッター・公式LINEのメニューにリンクを追加する | ★★★ | ★★★ |
7.既存の口コミがあれば返信する | ★☆☆ | ★★☆ |
8.店舗やサービスの売りを明確して情報発信する | ★★☆ | ★★★ |
9.Googleビジネスプロフィールを充実させる | ★★☆ | ★★★ |
10.サービスの質を向上させる | ★★★ | ★★★ |
口コミが思うように増えないと、つい「特典と引き換えに口コミをお願いする」「自作自演で口コミを投稿する」といった近道を選びたくなるかもしれません。
しかし、そうした方法はペナルティやお客さまからの信頼失墜という大きなリスクを伴い、長期的にはお店の価値を大きく損なうことがおわかりいただけたと思います。
地道に見えるかもしれませんが、お客さまとの信頼を一つひとつ積み重ねていく「正攻法」こそが、長く愛されるお店になるための、確実な道です。
まずは最も始めやすいと感じたアプローチを一つ選んで、今日から実践してみましょう。

2023年新卒でエクスコアへ入社。1年目はMEOの運用やインターン生の教育に従事。2024年度より、オウンドメディア webmaのコンテンツ制作に携わる。