Googleマップの口コミは、店舗の第一印象を決定づける大きな要素です。
多くの経営者にとって、「悪い口コミが目立つとお客様が離れてしまうのではないか」といった不安を抱える場面もあるでしょう。
その結果として、「評価の良い口コミだけを掲載したい」と考えることは、ごく自然な考えといえるかもしれません。
ただし、口コミの集め方によってはGoogleのポリシーに違反し、かえって店舗の信頼性を損なうリスクがあります。
なかでも注意すべき行為のひとつが「レビューゲーティング」です。
「レビューゲーティング」とは、良いレビューだけを公開し、悪い評価を意図的に排除する行為のことです。
今回はレビューゲーティングについて、下記の流れでわかりやすく解説します。
この記事を読めば「レビューゲーティングとはなにか」「どんなリスクがあるのか」「どうすれば正当な方法で口コミを増やせるのか」といった疑問が解決されるはずです。
低評価の口コミに対して不安がある経営者の方や、レビューゲーティングについて詳しく知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
レビューゲーティングとは?
レビューゲーティングとは、口コミを投稿する顧客を選別し、高評価のみを意図的に集める行為のことを指します。
英語のReview Gatingから来ている用語で、言葉の由来としては「ゲート(門)」を通して特定の人だけを選別するという意味合いがあるのです。
レビューゲーティングが近年とくに注目されている背景には、Googleや消費者庁による口コミ不正対策の強化があります。
実際に、2024年には消費者庁がステルスマーケティング規制に基づき、高評価の口コミの見返りとしてサービス割引を実施した企業に対して、初の行政処分をおこなった事例も報道されました。
参考:「値引きするから」と口コミ「星5」を荒稼ぎしたクリニック「ステマ天国」日本、やらせ規制はまだユルい:東京新聞デジタル
このように、インターネット上の口コミの信頼性を損なう行為に対して、社会全体で厳しく取り締まる動きが加速しています。
事業者としては、「知らずに違反していた」という事態を避けるためにも、正しい知識をもとに対応を見直すことが求められるでしょう。
レビューゲーティングの例
実際におこなわれているレビューゲーティングの例として、QRコードを使ったアンケート形式の仕組みがあります。
簡単に図でまとめたのでご覧ください。
まず、来店後に「アンケートにご協力ください」と案内し、顧客がQRコードを読み込むと、簡単な満足度調査の画面が表示されます。
このとき「非常に満足」や「満足」などの良い評価を選んだ場合のみ、Googleの口コミ投稿画面に誘導されるようになっているのです。
一方で、「やや不満」や「不満」といった否定的な評価を選んだ場合には、Googleの画面には移らず、自社独自のフィードバックフォームへ移動する仕組みになっています。
表向きはアンケートのように見えますが、実際には「高評価の声だけをGoogleに投稿させる構造」となっています。
Googleの規約違反となる?
レビューゲーティングは一見すると賢い工夫のように思えますが、Googleのガイドラインで明確に「禁止事項」として定められています。
なぜなら、Googleはユーザーに正しく信頼性のある情報を提供することを重要視しているためです。
具体的にお伝えすると、レビューゲーティングは違反行為の1つである「虚偽のエンゲージメント」に該当します。
販売者が次の行為を行うことは許可されません。
- 顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為。
違反が発覚した場合、次のような措置を受ける可能性があります。
(1)Googleビジネスプロフィールの一時停止または削除
(2)不正に得られた口コミの削除
(3)一定期間、ビジネスプロフィールで新しいクチコミを受けれない
(4)一定期間、ビジネスプロフィールの既存のクチコミや評価が非公開になる
(5)虚偽のクチコミが削除されたことを消費者に知らせる警告がビジネスプロフィールに表示される
参考:停止または無効化されたプロフィールを修正する – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
ポリシー違反によるビジネス プロフィールの制限 – Google ビジネスプロフィールヘルプ
レビューゲーティングは一時的な評価の向上になりますが、結果的にビジネスの信頼を損なう行為につながりかねないのです。
短期的な評価に目を奪われず、長期的な信頼構築のために、正当な方法で口コミを獲得することが大切になります。
法律に違反する?
「Googleの規約違反なのは理解できたけど、法律的にはどうなの?」という疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
結論をお伝えすると、レビューゲーティングは優良誤認や有利誤認などの、景品表示法に違反する恐れがあります。
景品表示法に違反する恐れがあるもの | |
優良誤認 | 商品やサービスの品質や性能について、実際は違うにも関わらず「すごく良いものだ」「他の会社のよりずっと優れている」と大げさに偽って、消費者を誤解させることです。 |
有利誤認 | 商品やサービスの値段や買うときの条件について、実際は違うにも関わらず「すごくお得だ」「他の会社のよりずっと安い」と大げさに偽って、消費者を誤解させることです。 |
優良誤認や有利誤認があったと認められた場合、消費者庁から行政指導や処分を受ける恐れもあるのです。
つまり、レビューゲーティングはGoogle上だけの問題にとどまらず、法的リスクもともなう行為といえるでしょう。
レビューゲーティング以外にもNGな口コミ施策
レビューゲーティングのほかにも、Googleが禁止している行為はいくつか存在します。
知らず知らずのうちに、やってしまわないように知っておきましょう。
たとえば、次のような施策はすべて違反行為とされています。
- 口コミ投稿と引き換えに割引や金品を提供する
- 実際の利用者でない人に、口コミを書いてもらう
- 自社のスタッフが、一般ユーザーを装って高評価を投稿する
これらはすべて「レビューの操作」に該当し、見つかった場合には厳しく対処されます。
仮に一時的に評価が向上したとしても、その口コミが削除されたり、ビジネスプロフィール自体が停止したりすれば意味がありません。
むしろ、顧客の信頼を失う結果になる危険性があります。
低評価の口コミが入ることは悪いことではない
ここまでで、レビューゲーティングの概要やリスクについてお話ししました。
とはいえ、経営者としてはどうしても低評価の口コミが気になるものです。
ただ、低評価の口コミが入ること自体は、必ずしも悪いことではないということを知っておくと良いでしょう。
なぜなら、消費者は「完璧すぎる評価」に不信感を抱く傾向があるためです。
Capterraの調査によれば、本物のレビューを見分けるポイントとして、「長所と短所がバランス良く評価されていること」「ネガティブなレビューもあること」を挙げる消費者が多いといいます。
低評価は「レビューが本物だ」と判断されやすい要素になるだけでなく、真摯に返信すれば、それをみた見込み顧客に誠実な印象を与える機会にもなります。
あなたも、不自然な高評価ばかりのお店より、多少の低評価があってもそれに真摯に対応しようとしているお店の方が魅力的に感じるのではないでしょうか。
「低評価=悪」と捉えるのではなく、顧客の声を受け止め、ビジネスの改善や成長につなげていく姿勢こそ、長期的な信頼関係を築くための鍵だといえるでしょう。
どうすれば正当な方法で口コミを増やせる?
「レビューゲーティングがダメなのはわかったけど、どんな方法で口コミを増やせば良いかわからない….」
この記事をここまで読んでくださったあなたは、きっとそんな疑問を抱えていると思います。
そこで以下では、口コミを増やすための正当な方法をご紹介します。
- 方法1. サービス利用後に口コミ投稿をお願いする
- 方法2. 口コミ投稿用のQRコードを設置
- 方法3. 寄せられた口コミに返信をする
- 方法4. MEO対策をする
方法1. サービス利用後に口コミ投稿をお願いする
口コミを増やすための直接的な方法は、サービスを利用されたお客様に口コミ投稿をお願いすることです。
サービスの利用後や商品購入後に、「もしよろしければ、感想をお聞かせください」「今後の参考にしたいので、レビューを書いていただけるとうれしいです」といったかたちで、お願いすると良いでしょう。
方法2. 口コミ投稿用のQRコードを設置
お客様が手軽に口コミを投稿できるように、Googleの口コミ投稿ページへ直接アクセスできる「QRコード」を用意するのもおすすめの方法です。
QRコードは、Googleビジネスプロフィールの管理画面から簡単に取得できます。
作成したQRコードは、店内のテーブルや壁、レジ周りといった場所に掲示すると、お客様の目に留まりやすいでしょう。
詳しいQRコードの発行方法については、下記をご覧ください。
参考:Google ユーザーのクチコミを増やすためのヒント – Google ビジネスプロフィールヘルプ
方法3. 寄せられた口コミに返信をする
Googleビジネスプロフィールに寄せられた口コミへ、丁寧に返信することも非常に大切です。
良い口コミにも、改善点を含む口コミにも、真摯に返信することで「しっかりと顧客の声を聞いている店舗」と感じられ、口コミを投稿しやすい環境が整います。
また、自分の意見がお店に届くと感じられれば、口コミを書こうと考える方も増えるでしょう。
方法4. MEO対策をする
MEOとは「Map Engine Optimization(マップ検索最適化)」の略で、「Googleマップ」や「Google検索結果ページの地図」で自社のビジネスを上位表示させるための施策です。
MEO対策をおこなうと、Googleマップでの検索結果に上位表示されやすくなり、店舗の認知度が高まります。
その結果、来店者が増え、口コミを書いてもらえるチャンスも自然と増えていきます。
口コミが増えることでGoogleからの評価が高まり、再び検索順位が上がる、さらに来店者が増える——このような正のスパイラルが形成され、長期的に安定した集客が可能になるのです。
MEOを依頼するならガイドライン違反のない会社へ
自社での運用が難しいと感じ、MEO対策会社への依頼を検討する方もいらっしゃるでしょう。
ただ、残念ながらMEO対策会社のなかには、レビューゲーティングツールの使用や偽の口コミの投稿といった、Googleのガイドラインに違反する手法を用いる会社が存在します。
そうした会社に依頼してしまうと、たとえ一時的に効果が出ても、Googleからペナルティを受けたり、ビジネスプロフィールが停止されたりといった大きなリスクを負うことになります。
もちろん、すべてのMEO対策会社が不正な行為をおこなっているわけではありません。
Googleのガイドラインを遵守し、正当な方法で店舗の露出を高めるためのノウハウを持つ会社も数多く存在します。
そうした信頼できる会社にMEOを任せることは、自社のリソースを他の業務に集中させたり、専門的な知見に基づいた効果的な施策を実行したりできるメリットにつながります。
適切なMEO対策は、地域での信頼性を高め、長期的な集客の基盤を築くことにつながるといえるでしょう。
私たちエクスコアでは、Googleのガイドラインを厳守した、お客様に安心して任せていただけるMEOサービスを提供しております。
レビューゲーティングをはじめとする不適切な手法は一切おこないません。
これまでに2,000社以上のWebマーケティング支援をしてきた経験とノウハウをもとに、お客様の売上を最大化するためのMEO対策をご支援いたします。
MEOについてお悩みでしたら、エクスコアにぜひご相談ください。
無料相談はこちら>>
【まとめ】正当な方法での口コミ集めが長期的な利益になる
レビューゲーティングは、顧客からの口コミを意図的に選別し、高評価のみを集める行為です。
Googleはこのような行為を禁止しており、規約違反が発覚した場合には、ビジネスプロフィールの一時停止や削除、不正に得られた口コミの削除など厳しい措置が取られる可能性があります。
また、景品表示法にも違反する恐れがあり、行政指導や処分を受けることもあるのです。
信頼される企業づくりに大切なことは、高評価ばかりを集めることではなく、以下のような正当な方法で顧客の声を積み重ねることです。
- 方法1. サービス利用後に口コミ投稿をお願いする
- 方法2. 口コミ投稿用のQRコードを設置
- 方法3. 寄せられた口コミに返信をする
- 方法4. MEO対策をする
「正当な方法で口コミを増やしたい」「手間をかけずに集客をしたい」という経営者のかたは、エクスコアへご相談ください。
エクスコアでは、MEOはもちろん、SEOやWeb広告など、幅広いサポートを提供しています。
二人三脚であなたのビジネスが「選ばれる理由」を作り上げるお手伝いをいたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

2023年新卒でエクスコアへ入社。1年目はMEOの運用やインターン生の教育に従事。2024年度より、オウンドメディア webmaのコンテンツ制作に携わる。