記事型メディアのSEOに取り組んでいると、
「記事を投稿し続けているのに、思うようにアクセスが伸びない」
「以前は上位表示できていた記事の順位が、徐々に下がってきた」
といった状況に陥ることがあります。
こうした状況は「リライト」によって解決できることが多いです。
リライトとは、サイト内の既存記事を、より質の高い記事へと改善する作業を指します。
SEOにおいて記事の公開はゴールではなく、その後のコンテンツ改善やメンテナンスも重要な施策の一つです。
しかし「リライトのやり方がわからない」「リライトまで手が回らない」とお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、SEOにおけるリライトの流れやポイントを解説します。
適切なリライトができれば、効率よく順位を上げメディアを成長させることができます。
メディア運営に携わっている方は、ぜひこの記事の内容を参考にして、自サイトの改善に取り組んでみてください。
現在、「検索流入を大幅にアップさせるリライトガイド」を無料提供しています。
興味をお持ちの方は、以下のリンク先よりお気軽にダウンロードしてご活用ください。
SEOノウハウ|SEOリライトガイド -webma-
提供中のSEOサービス
- 「SEOコンサルティング」>> SEO対策全般をお考えの方に
- 「内部施策代行」>> サイト内部を最適化したい方に
- 「外部施策代行」>> 被リンクを獲得したい方に
- 「記事制作代行」>> 記事制作を依頼したい方に
目次
SEOにおける「リライト」とは
リライトとは「書き換え」を意味する言葉で、SEOにおいては「公開済みの記事を改善する作業」を指します。
情報を追加したり、不要な内容を削除したり、あるいはメタタグなどの文言を調整したりすることによって、Googleやユーザーにより高く評価されるコンテンツを目指します。
SEOでは、
- 検索順位の改善
- 検索流入数の最大化
を目的とした記事改善を「リライト」と呼ぶ場合が多いです。
ただし、メディア運営においては「コンバージョン率の改善」を目的にリライトを行うこともあります。
※以降、この記事では「検索順位の改善」や「検索流入数の最大化」を目的としたコンテンツ改善をリライトと呼びます。
リライトが重要な理由
リライトが重要な理由は、公開した記事を放置すると徐々に順位が下がってしまうからです。
株式会社PLAN-Bの調査によると、公開後6ヶ月が経過しても流入数が伸び続ける記事はわずか24%であることがわかっています。
情報の価値は時間とともに下がっていきますし、ユーザーの検索意図も変化するため、メンテナンスをしなければ自然と順位も流入数も落ちていってしまいます。
順位が停滞気味・下落傾向にある記事が増えてきた場合は、リライトを検討しましょう。
また、一度で記事を上位表示するのが難しいことも、リライトが重要な理由の一つです。
上位表示できれば多くのアクセスが見込めますが、渾身のコンテンツを公開しても、すぐに1位を獲得するのは難しいです。
経験豊富なSEO担当者やライターでも、公開後の順位を分析した上でリライトをおこない、上位に押し上げる作業をしています。
リライトする記事の選び方
では、どのような記事からリライトすれば良いのでしょうか。
結論からいうと「少ない工数で大きなインパクトが見込める記事」や「勝ち目のある記事」からリライトすべきです。
全ての記事をリライトできるのが理想ではありますが、リソースには限りがあるので優先順位を決めた上でのリライトが必要です。
弊社では、具体的に以下のような記事からリライトするのが効果的だと考えています。
- 検索順位が6位〜20位の記事
- 順位は高いが、CTRが低い記事
それぞれ詳しく解説します。
1.検索順位が6位〜20位の記事
検索順位が6位〜20位の記事は「TOP5 に表示するには何かが足りない惜しいコンテンツ」です。
つまり、少しコンテンツを改善するだけで上位にランクインできるポテンシャルを持っています。
順位チェックツールや Search Console を使って、自サイト内の 6位〜20位の記事をチェックしてみましょう。
「リライトに時間をかけたのに無駄だった」という状況を避けるためには、上位記事の質を上回れそうな(=勝ち目のある)記事から優先的にリライトするのがおすすめです。
また、順位が6位〜20位の記事のなかでも、以下のような記事は上位表示できたときのインパクトが大きいので、優先的なリライトを検討してみてください。
- CV数が多い・CVRが高い記事:流入数が増えるとCVも増える可能性が高い(GAで確認)
- 表示回数が多いクエリの記事:順位が上がれば流入数が大きく伸びる可能性がある(Search Console で確認)
2.順位は高いが、CTRが低い記事
「順位は高いが、CTR(クリック率)が低い記事」もリライトを検討するべきコンテンツの一つです。
CTRが低い記事は、タイトルとメタディスクリプションの文言を調整することによって、流入数を増やせる可能性があります。
順位に対するCTRが平均CTRと比べて極端に低い場合は、タイトルやメタディスクリプションが、ユーザーにとって魅力的でない可能性が高いです。
Google Search Console を使うと、クエリごとのCTRを確認できます。
リライト前に分析すべき3つの要素
リライト前に必ずおこないたいのが、自分なりに仮説を立てることです。
「こう改善したらより良いコンテンツになるはずだ」「こう改善したら順位が上がるはずだ」というふうに仮説を立ててからリライトを実行しましょう。
その際、以下の3つの要素を分析すると仮説が立てやすくなります。
- SERP
- 競合のコンテンツ
- 自社のコンテンツ
それぞれ解説します。
1.SERP
Googleは、SERP(=検索結果ページ)において「検索ユーザーが目的を達成できるように」と最適な情報を表示させるようにしています。
そのためSERPには、リライトの方向性を決めるヒントがたくさん詰まっています。
たとえば、以下のような要素は検索意図を探るヒントになるはずです。
- 他の人はこちらも質問
- 強調スニペット
- サジェストキーワード
- ユニバーサル検索タブの表示順
- Googleに拾われているタイトルやメタディスクリプションの傾向
- 競合ページの種類(用語解説?商品ページ?解説記事?事例紹介?)
SERPを見て「なぜこのような検索結果になのか?」「Googleはユーザーの検索意図をどのように把握しているか?」を分析しましょう。
2.競合のコンテンツ
上位の競合コンテンツと、自社のコンテンツを比較してみるのもおすすめです。
次のような点をチェックしてみましょう。
- 競合のコンテンツがなぜ上位表示されているのか?
- どの部分がGoogleや読者に評価されているのか?
- 自社のコンテンツより優れている部分はどこにあるか?
- 競合のコンテンツを上回るにはどのような改善が必要か?
ただし注意すべきこともあります。
それは、必ずしも「検索1位のコンテンツ=ユーザーにとってベストなコンテンツ」ではないということです。
Googleは、インデックスに含まれる記事の中で最もユーザーにとって良さそうな記事を選んで表示しているにすぎません。
つまり、検索ユーザーが1位の記事に満足できているとは限らないわけです。
検索1位のコンテンツに近づけるのではなく、検索1位よりも質の高いコンテンツにするにはどうすれば良いかを考えましょう。
3.自社のコンテンツ
自分が対象キーワードで検索するシチュエーションを想像してみてください。
「自分が読者ならこのコンテンツに満足できるか?」をフラットな視点で考えてみましょう。
もし満足できないとすれば、
- どのような情報が不足しているのか?
- 他にどのような情報があれば満足できるのか?
を考えることが重要です。
また、自社のコンテンツでは、Clarityのようなヒートマップツールを利用して「どの部分が読み込まれているか?」「どこで離脱が増えているか?」を確認するのもおすすめです。
リライトにおける7つのチェックポイント
効果的なリライト方法は状況により異なりますが、以下の7つは特に重要なポイントです。
- タイトル・メタディスクリプションは適切か?
- 関連記事に内部リンクは設置されているか?
- 対策キーワードは適切か?
- 見出しの順序は適切か?関連性の低い見出しはないか?
- 検索意図へのアンサー度は高いか?
- 「この記事にしかない」オリジナル要素はあるか?
- 信頼できる出典を明記しているか?
それぞれ確認して、自分の記事に最適化できる部分がないかチェックしてみてください。
1.タイトル・メタディスクリプションは適切か?
タイトルとメタディスクリプションは適切な文言になっていますか?
検索結果を見たユーザーは「ページに欲しい情報が含まれているか」「このページをクリックすべきか」を判断するためにタイトルとメタディスクリプションをチェックします。
また、タイトルタグの内容が順位に影響することは、Googleも認めている事実です。
参考:Google Still Uses Original Page Titles For Search Rankings – Search Engine Journal
次のような点を確認して、より効果的な文言に改善できないか検討してみましょう。
- 対策キーワードが自然に含まれているか?
- キーワードは目立ちやすい前半部分に含まれているか?
- 競合記事と差別化されたタイトルになっているか?
- クリックしたくなるような刺さる表現・魅力的な表現ができているか?
2.関連記事に内部リンクは設置されているか?
内容が関連する記事に「内部リンク」が設置されているかどうかも確認しましょう。
たとえば、記事Aの順位を上げたい場合には、関連性の高い記事Bや記事Cに、記事Aへのリンクを設置します。
そうすることで、記事Aの重要度の高さをGoogleに伝えることができます。
ただし、関連性の低い記事にまで無理やり内部リンクを設置すると、ユーザーの利便性を下げてしまうのでそれは避けてください。
また、内部リンクのアンカーテキストでは、キーワードが含まれているかどうかもチェックしましょう。
キーワードを含めることでリンク先の記事が「〇〇(キーワード)に関する記事」であることをユーザーにも検索エンジンにも伝えることが可能になります。
SEOにおける内部リンクの効果や最適化方法は、以下の記事も参考にしてください。
【内部リンクの教科書】SEO効果と最適化の5つのポイント -webma-
3.対策キーワードは適切か?
「狙っているキーワードがそもそも適切かどうか」もチェックしておきたいポイントです。
Search Console を使って流入クエリを確認してみましょう。
「キーワードAに最適化した記事が、実はキーワードBで多く流入していた」というケースが時々あります。
この場合は対策キーワードを潔くキーワードBに変えて、コンテンツをキーワードBに最適化したほうが流入を増やせることがあります。
あるいは、キーワードAを対策しつつ、キーワードBを意識して本文を追加したり、タイトルやhタグの文言を調整することで流入を最大化することも可能でしょう。
4.見出しの順序は適切か?関連性の低い見出しはないか?
見出し(章)の順序を変えることによって、順位を改善できるケースもあります。
記事のヒートマップを確認し、クリックの多い見出しを前に持ってきたり、離脱の多い見出しを後半にずらしたりするなど、見出しの順序や情報の流れも意識してみましょう。
また「記事はできるだけ網羅的なほうが良い」と思われがちですが「引き算」も重要です。
関連性の低い内容や見出しが足かせになっていて、それらを削除することで順位が上がるケースも少なくありません。
テーマと関連性が低い内容や、想定読者の関心が低いと考えられる部分は、思い切って削除することも検討しましょう。
5.検索意図へのアンサー度は高いか?
「検索意図へのアンサー度」が高い状態とは、
- 求めていた回答が得られる
- 最終的な目的を達成でき、再検索する必要がない
状態を指します。
これは単純に「記事の網羅性を高めれば良い」わけではなく、検索ユーザーにとって必要な情報を最適なボリュームで提供できているかどうかです。
以下のような視点でコンテンツを見直してみましょう。
- 強調スニペットで切り取られるような、疑問に対する的確な回答があるかどうか?
- 読み進めているうちに発生する新たな疑問も解消できているか?
- 自サイトに不足しているが、SERPのFAQや関連キーワードで出てくる、ユーザーにとって大事な内容の見落としがないか?
検索意図を把握する方法については、当サイトの別記事で詳しく解説しています。
SEOで重要な検索意図とは?正確に把握してコンテンツに活かす方法 -webma-
6.「この記事にしかない」オリジナル要素はあるか?
現在のSEOにおいて重要度が非常に高いのが「オリジナリティ(独自性)」です。
いくら情報量の多いコンテンツを作っても、オリジナル要素が含まれていなければ上位表示は難しいと思ってください。
Googleは「誰でも(AIにも)作れるようなコンテンツ」ではなく、検索ユーザーが喜ぶ多様な独自コンテンツを検索結果に並べたいと考えています。
「この記事にしかない」要素が記事に含まれているかチェックしましょう。
もしない場合は、以下の方法を参考にしてオリジナル要素を含めることを検討してください。
- 自分の考察や体験談を含める
- 競合サイトにはない切り口・内容の見出しを追加する
- 競合サイトが扱っていないようなデータや海外サイトの情報をソースとして含める
- オリジナル画像や図解を挿入する
7.信頼できる出典を明記しているか?
信頼性の高い情報ソースを引用し、出典を示すことで順位が改善するケースもあります。
あくまでも一例ですが、SEOのエキスパートである住氏のブログでは、出典を示すリンクを追加して効果が出た事例が紹介されています。
参考:ブログ記事の信頼性とE-E-A-Tを高めるには出典を明記する – bodhi
出典が明記されているほうが情報への信頼感が増すので、ユーザーにとって有益なコンテンツになるはずです。
「確かな根拠にもとづいた記述ができているか?」「出典を明記できているか?」を確認してみてください。
リライトにChatGPTを活用する方法
ChatGPTをうまく活用できれば、記事のクオリティを高めるのに役立ちます。
リライトにおけるChatGPTの活用方法としては、以下のような方法が考えられます。
- タイトルやメタディスクリプションの案を出してもらう
- 言い換えの文章を作成してもらう
- 検索意図の深掘りを手伝ってもらう
一例ですが、タイトル案を出してもらう場合の活用方法は以下のとおりです。
重複を避けたり、よりわかりやすい文章にブラッシュアップしたりするために、既存コンテンツの言い換えを作成する例は以下の通りです。
検索意図の深掘りなど、ChatGPTをSEOに活用するその他の方法について詳しく知りたい方は、株式会社LANYさんの記事が参考になるので、以下のリンク先でチェックしてみてください。
ChatGPTをSEOで活用する方法8選 | 株式会社LANY
リライト後の効果検証
リライト後は2週間〜6週間待ってから、リライト前のパフォーマンスと比較しましょう。
順位チェックツールや Search Console を使って、順位や流入数、CTRなどに良い影響が出ているか確認します。
リライト後に順位が下がってしまったときの対処法
もしリライト直後に順位が下がってしまった場合、まずは順位変動がリライトによるものなのかを確認しましょう。
Google Search Console の「URL検査ツール」を利用すると、Googleのクローラーがリライト後にページをクロールしたかどうかを確認できます。
クロール済みの場合は、リライトによる変動の可能性が高いです。
状況に応じて以下のような対処法を検討しましょう。
- 元に戻す
- 追加のリライトを検討する
- 放置する
一時的には順位が落ちてしまっても、ユーザーにとって本当に良いコンテンツであれば、3ヶ月以上かけて徐々に上がってくることもあるので、焦らずに様子を見るのも一つの手です。
リライトの注意点
この章では、リライトにおける2つの注意点をご紹介します。
- 記事のリライトだけでは上位表示できないケースもある
- 上位の記事を大幅に変更すると下落するリスクもある
1.記事のリライトだけでは上位表示できないケースもある
その記事をリライトするだけでは上位表示が難しいケースがあります。
SEOにおいてコンテンツの質が重要なことは確かなのですが、順位は記事の内容だけで決まっているわけではありません。
あらゆる要因から総合的に評価が決まります。
たとえば、検索結果に以下のようなページが並ぶ場合には、コンテンツ改善だけでの上位表示は難しいかもしれません。
- ドメイン評価が高いサイトが並んでいる
- 業界内での権威性が高い企業のサイトが並んでいる
- そのトピックに関する記事が充実している(そのトピックに関する記事をいくつも持っている)サイトが並んでいる
もちろん、上記のようなサイトが並んでいても、質によっては上位表示できるケースもあります。
とはいえ、コンテンツレベルでは順位改善が難しい記事に、無限に時間を費やしてしまわないよう気をつけましょう。
2.上位の記事を大幅に変更すると下落するリスクもある
すでに上位にある記事は大幅にリライトすると、かえって順位を下落させてしまうリスクがあります。
上位の記事であっても、定期的に内容を見直すことは大切ですが、リスクを理解したうえでリライトしましょう。
万が一順位が下落してしまったときのために、コンテンツを元に戻せるようにしておくことも重要です。
SEOリライトガイドを無料配布中!
現在、「SEOリライトガイド(全30ページ)」を無料配布中です。
以下のリンク先にて、どなたでも資料をダウンロードいただけます。
この記事でご紹介した内容をベースに、より具体的なヒントを補足した内容になっています。
SEO担当者やオウンドメディア担当者、ライターなど、リライトに課題をお持ちの方はぜひお気軽にご利用ください。
【まとめ】定期的なリライトでSEOをさらに強化しよう
今回はSEOにおけるリライトについて解説しました。
リライトはメディアを右肩上がりに成長させていくには、必要不可欠な施策です。
リライトでは、施策を打った後の成果も見えやすいので、PDCAを高速で回していけば、SEOのノウハウの構築にもつながります。
ぜひこの記事で紹介した「記事の選び方」や「リライト前に分析すべき要素」「7つのチェックポイント」などを参考に、自社コンテンツのリライトに取り組んでみてください。
もしリソース面で問題がある場合は、プロにリライトを依頼するのも選択肢の一つです。
リライトやSEOでお困りのことがございましたら、ぜひ弊社エクスコアにお気軽にご相談ください。
株式会社エクスコアのコンテンツディレクター・ライター。
1996年生まれ。大学で言語学専攻を卒業したのち、エクスコアに入社。2020年からオウンドメディア「Webma」の運営に従事し、コンテンツ制作・編集・SEO業務に携わる。累計100記事以上を執筆し、PV数・CV数400%超成長に貢献。