広告のクリック単価「CPC」とは?CPCの計算と改善方法

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  • Webマーケティングを実際に行なっていたり、学んでいるときに「CPC」という言葉がよく出てきます。

    他にも、CTR・CPA・CVRなど、似たような言葉も多く「意味と言葉が一致しない!」と感じている方も多いのではないでしょうか?

    マーケティング用語は、アルファベット3文字の言葉やCから始まる言葉が多く、ややこしいですよね。

    {こんな人におすすめ}

    • CPCという用語の意味がわからない
    • CPCがどんな役割を持っているのか知りたい
    • 他の用語とちゃんと区別したい

    こういった悩みを解消するため、この記事ではCPCの定義や金額の決まり方、改善方法などについて解説します。

    マーケティングを学んでいる最中の方や、これからWebマーケティングの職に着くという方は、ぜひ参考にしてください。

    CPCとは?

    CPCは、『広告が1回クリックされたときに発生する費用』のことです。

    『Cost Per Click(コストパークリック)』の略称で、日本語ではクリック単価とも言われます。

    つまり、『1クリックあたりの費用』を示す指標がCPCです。

    CPCの算出方法は以下の計算式で算出できます。

    {CPCの算出方法}

    広告費の総額÷クリック数=CPC
    例:広告費の総額が10万円でクリック数が5,000回だった場合、CPCは20円

    また、CPCは広告の課金体系として『CPC課金』というような使われ方をする場合もあります。

    CPC課金は『1クリックごとに費用が発生する広告』のことをさしており、リスティング広告やSNS広告などで使われることが多いです。

    さらに、CPCには指標としての考え方もあります。

    たとえば、インプレッション課金制(CPM課金)の広告でも、CPCに換算して広告を評価する場合もあります。

    上限CPCとは

    上限CPCとは、広告の1クリックに対して払うことができる上限額として設定する入札単価のことです。 

    上限CPCが、実際のCPCを超えることはありません。

     入札単価クリック単価品質スコア広告ランク
    A社807310800
    B社1201186720
    C社1007700

    上記の事例でも、A社であれば、入札単価(=上限CPC)80円に対して実際のクリック単価(CPC)は73円となっているように、入札単価(=上限CPC)を超えていないことがわかります。

    広告主は、広告で訴求したい商品やサービスから得られる粗利や、競合の状況を見ながら上限CPCを設定することが求められます。

    拡張CPCとは

    拡張CPCとはeCPCとも呼ばれるGoogleの自動入札機能の1つで、個別クリック単価を自動的に調整することでコンバージョン数の最大化を図る機能をさします。

    Google広告のシステム内部では、コンバージョンが見込めるクリック単価の入札単価を引き上げ、コンバージョンが見込めないクリック単価を引き下げる入札調整を行なっています。

    また、拡張CPCは非常に便利な機能ですが、注意点が2つあります。

    1点目は、コンバージョン数が一定数とれていないキャンペーンで設定すると、Googleの機械学習が働かず、コンバージョンが見込めないクリックとして本来成果がでるクリックも、クリック単価が引き下げられる場合があることです。

    ある程度、コンバージョン数が獲得できてから、拡張CPCを機能させるとよいでしょう。

    2点目は、拡張CPCの場合、上限クリック単価を超えた配信がされる場合があることです。なぜ上限CPCを超えるのかと言いますと、CVが見込めるキーワードでの単価の自動調整の方が、上限CPCのルールよりも優先されるからです。

    もし、CPCの上限に決まりがあるようでしたら拡張CPCは設定しないほうがよいでしょう。

    CPCとPPCの違い

    CPCとPPCは、似たような意味ですが、異なる概念だということを押さえておきましょう。

    CPCはCost Per Clickの略称でクリック単価と訳され「広告の課金体系の一種」として利用される一方で、PPCはPay Per Clickと「クリック課金型の広告のこと」自体をさします。

    これは使用例を示せば、よりわかりやすく概念の違いを理解することができます。

    例えば「このキャンペーンのPPCが上昇した」と伝えても相手には意味が伝わりません。

    しかし「このキャンペーンのCPCが上昇した」であれば、意味が通るかと思います。

    似た意味ですが、使い方を間違えないように利用しましょう。

    実際のCPCが決定される仕組み

    実際のCPCは、掲載順位が1ランク下の競合他社の広告より上位を維持するのに最低限必要な単価に1円上乗せした料金となります。

    掲載順位は、広告ランクという値で決定されることを押さえましょう。

    広告ランクの計算方法は以下です。

    {広告ランクの計算式}

    上限CPC×品質スコア=広告ランク

    この広告ランクが高い広告から順番に掲載されていきます。

     入札単価クリック単価品質スコア広告ランク
    A社807310800
    B社1201186720
    C社1007700

    こちらの図では、A社、B社、C社と広告ランクが高い順に並んでいます。

    そこでA社がB社よりも、上位に表示されるために必要なCPCはいくらになるかを計算しましょう。

    実際のCPCを求める公式=アドワーズディスカウンター

    アドワーズディスカウンターとは、Google広告の内部のシステムで実際のCPCを求めるときに使われる計算式のことです。

    アドワーズディスカウンターの公式

    広告ランク直下の競合の広告ランク÷自社の品質スコア+1円=実際のCPC

    こちらに当てはめると

    実際のCPCの計算式

    広告ランク直下の競合の広告ランク(720)÷自社の品質スコア(10)+1円

    =実際のCPC(73円)

    となることが分かるでしょう。

    このように実際のCPCが計算されることになり、競合の状況によってクリック課金の費用は変化します。

    2014年に「自動車保険」のキーワードのCPCを各国ごとに比較したデータがあります。

    そのデータによると、日本では¥2,271ですが台湾では¥89と、大きくCPCの費用が異なっています。

    日本では自動車保険業界も、以前からある損害保険会社とネット損保との競合具合を見れば、その競合性の高さは想像がつくでしょう。

    このように競合がひしめき合っているキーワードは、費用が高騰する可能性があります。

    (参考:世界40の国と地域の検索連動型広告における主要キーワードCPC)

     

    CPC課金のメリット

    こちらではコスト面と効果解析の面からCPC課金のメリットについて考えてみます。

     コスト面でのメリット

    CPC課金では、クリックされるまで費用は一切発生しないため、効果がでるまでは費用が発生しないというメリットがあります。

     効果解析面でのメリット

    CPC課金には効果解析が明確にできるというメリットがあります。

    なぜなら、Webマーケティングではクリックされてからコンバージョンに至るまでの解析も全て行うことができるからです。

    ここでとあるビジネスの事例をみてみましょう。

    {ビジネスA}

    • 平均CPC=200円
    • CVR(コンバージョン率)=5%
    • CVポイント=問い合わせ
    • 問い合わせからの受注率=50%
    • サービス粗利=20,000円

    この場合には管理画面上での顧客獲得単価は、200円×20=4,000円となります。

    実際のビジネスでは、受注率が50%なので、その倍の8,000円となります。

    8,000円のコストで20,000円の粗利を獲得できるため、利益率は40%と計算ができます。

    このように、CPC課金ではビジネスの費用対効果に対しての評価がしやすいというメリットがあります。

    CPC課金のデメリット

    CPC課金のデメリットについて、コスト面、配信面の観点から解説します。

     コスト面でのデメリット

    コスト面では競合が多い場合に、クリック課金の金額が高騰する可能性があることです。

    実際のCPCが決定する仕組み」でもお伝えしたように1クリックのコストが2,000円を超えるキーワードも数多く存在します。

    予算が潤沢に用意できない事業者では、CPC課金では勝負できない可能性もあるということを覚えておきましょう。

     配信数が限られる可能性がある。

    検索連動型のCPC課金では、キーワードが検索されない限り広告が表示されません。世の中にはじめて公表されるサービスをあなたが広告したいと思っても、エンドユーザーは、サービスそのものを知らないため、検索されることはなく、広告を表示する機会が限りなく少なくなります。

    このように、場合によっては、広告の表示機会が限定される可能性があります。

    CPCを下げる方法

     CPCを改善し、低くおさえるためには、広告の品質を高めていくことが重要です。*Googleによれば「品質スコアが高くなるほど、入札単価を低くおさえつつ、広告掲載順位を上げることができます。」と記載がされています。

    なぜ品質スコアが高くなるとCPCを下げることができるのでしょうか。

    それは前述した「実際のCPCが決定される仕組み」にある通り、CPCと品質スコアは反比例の関係にあるからです。

    {広告ランクの計算式}

    上限CPC×品質スコア=広告ランク

    以下の事例をみてみましょう。

     掲載順位入札単価品質スコア広告ランククリック単価
    A社1101101010101
    B社21,00011,000801
    C社34002800

     

    A社は掲載順位が1位ですが、2位の広告よりもCPCが低く抑えられていることがわかります。

    これは、品質スコアが他社よりも高い分、入札単価が低くても広告ランクを高められているからに他なりません。

    では、品質スコアはどのようにあげていけばいいのでしょうか。

    広告の品質スコアは以下3つの基準によって決まります。

    よって、この3つの指標を高めていけばCPCを抑えることにつながるでしょう。

    POINT

    1. 推定クリック率
    2. 広告の関連性
    3. ランディングページの利便性

    推定クリック率とは

    推定クリック率とは、特定のキーワードに対して表示された広告がクリックされる可能性を示すステータスです。

    推定クリック率は、広告の掲載順位と過去の掲載結果をもとに算出される指標です。

    広告の関連性とは

    Google 広告で言う「関連性」とは、広告主様の情報がユーザーにとってどれほど有用かを示す指標です。

    「キーワード」「広告」「リンク先ページ」の3点の関連性をGoogleが算出します。

    関連性を高める方法として以下の3点を意識するとよいでしょう。

    広告の関連性を高める方法

    1. 広告テキストに、キーワードを含める
    2. キーワードや広告に沿った適切な広告グループを作成する
    3. Webサイトの中でも一番関連性の高いページをリンク先に指定する

    この3点を意識することで関連性を高めることが可能になります。

    ランディングページの利便性とは

    広告をクリックしてサイトを訪れたユーザーが、必要な情報をどの程度簡単に見つけられるかを示すGoogle 広告の指標です。

    ユーザーの検索意図を満たすコンテンツがわかりやすく示されていることが重要です。こちらの指標が低い場合は、リンク先ページ自体のサイトの修正を検討しましょう。

    このように3つの要素のスコアをあげながら広告の運用をしていくことを心がけていくことが重要です。

     参考:品質スコアとは – Google 広告 ヘルプ

    CPC以外によく使われる2つの広告課金体系

    CPC以外の広告課金体系について説明します。

    CPM(インプレッション単価制)

    CPMとはCost Per Mileの略で、Milleとはthousand(英語で1,000)という意味があります。

    Web広告において掲載料金を計るための単位の1つで、広告が1,000回表示されるのにかかるコストのことを指します。

    またCPMは広告の表示回数に基づき課金される、課金体系としての使われ方もします。

    CPA(目標コンバージョン単価制)

    CPAとはCost Per ActionもしくはCost Per Acquisitionの略で顧客獲得単価を訳されます。

    Google広告では目標コンバージョン制という課金体系をとることができ、名前の通りコンバージョンが発生するたびに、費用が発生する仕組みです。

    広告課金体系は、このようにCPC以外にも種類があります。

    どの広告課金体系を選ぶかは、広告を出稿する目的に合わせて選択するとよいでしょう。

    【まとめ】

    今回は、広告指標でも重要なCPCについて、CPCの意味から似た概念との違い、実際にCPCを改善する方法などをまとめました。

    広告の成果を評価するための重要な指標となるCPCですが、CPCの値が高い、低いで一喜一憂せず、広告の成果に結びついているのかという視点に立って評価できるように広告運用を行なっていきましょう。

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